新免武蔵守藤原玄信 いわく「日本刀めんどくさい」

また
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1314495623
これ関連の話なんですけど……。

bk246 これは良いトリビア, 歴史 ベストアンサーの人に★をあげたい / ドラクエでも盾を持った場合は、防御↑スピード↓攻撃(両手持ちに比べて)↓にすべきだな

はてなブックマーク - 日本にはなぜ盾はないのでしょうか?世界中、どこでも剣と盾がセッ... - Yahoo!知恵袋

攻撃(両手持ちに比べて)↓

これ、結構怪しい気もします。あーでも日本の話ではなくて、ドラクエならありかなあ。

日本刀最強! みたいな話を結構よく聞きます。確かに、「兜割り」が可能とか、あの重量で大ダメージを与えることができる、という観点で考えると確かに日本刀すごめですが、通常ダメージの源泉って重量とか速度とかにあるということを考えると、日本刀で効率よくダメージを与えるには「技」が必要になってくる……と言うと、そうかも、と思ってもらえるのではないでしょうか。

日本刀で「斬る」場合、「刃筋を立てる」ということが必要になってきます。どういうことか写真で説明します。先日購入した騎士ガンダムさんに実験台になってもらおうと思いましたが忍びないのでゾックにします。

斬りつけた時、こういう状態になっているのが理想で、これを「刃筋が立っている」といいます。刃が対象の面に対して垂直に斬り込まれている状態です。この時、一番日本刀は威力を発揮します。
では、「刃筋が立っていない」とどうなるのでしょうか。

こんな感じで斬り込んだとしますと、刀はゾックの装甲に弾かれて、逸れます。

こんな感じに。これでは斬れません。
あるいは、それでも装甲に食い込むかも知れません。ですが、日本刀は刃筋が立った際に力の掛かる方向、刀の面に平行方向の力にしか強くありません。この場合は刀の面に横方向の力が掛かりますので、刃毀れを生じたり、曲がってしまったり、ひどい時には折れてしまう可能性もあります。勿論、力が余計な方向に掛かってしまっているので、攻撃力もあまり期待できません。
というわけで、日本刀の本来の攻撃力を引き出すには「刃筋を立てる」技術が不可欠となります。そういう技量がないのでしたらやっぱり基本に立ち返って重量で戦うべきです。剣術の心得がないならば日本刀で斬るより木刀で殴った方がダメージを期待できるかも知れません。木刀といえど侮るなかれ。そもそも剣術を学ぶ上で木刀で殴り合っていては怪我をしたり骨折したりして大成する前にダメんなっちゃいますっていうんで竹刀が考案されたのですから。
で。
両手持ちだと攻撃力アップとなるという話がなぜ怪しいのかというと、日本刀は両手で持つと刃筋がぶれやすくなるんですね。右手と左手の動きがちゃんと連動していないと刃筋がぶれて、うねり打法のようになってしまいまともに斬れません。逆に、片手で持つと遠心力で振り回すような感じになり、力は片手からしかかからないのでかえって刃筋がぶれにくくなるのです。
江戸時代に未熟な侍とやくざ者が喧嘩になった際に、一応剣術を学んだ経験のある侍は両手で斬りかかり、やくざ者は剣術を知らないので片手ででたらめに振り回したそうですが、やくざ者が負わせた手傷の方が深かったとかなんとか。
ただ、これはあくまでも日本刀での話です。西洋剣とか、青竜刀とかでは話が違ってきます。ああいった剣は日本刀と違い刀身が分厚いので振り下ろした際に空気抵抗によって刃筋がぶれにくくなっています。また、重量があるので思い切り振り下ろせば刃筋がどうとか考えなくてもダメージを期待できます。ドラクエに登場するのは西洋剣ですから、ドラクエならありかなあ、と書きました。
しかし日本刀は半可通に一番厳しいとか実に気難しい武器ですね。決闘の際には日本刀よりは木刀をおすすめしますですよ。まあ相手より長い武器を持っていくのが一番良いかな。サブで短めの武器を隠し持てばばっちり。拳銃とかも、習熟してないとまともに当たんないらしいですからねー。