シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

ネタバレありです。あと文章めちゃくちゃです。整理しようとしたんですが無理でした。

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なんかね、4回くらい泣いたんですよ。1回目はトウジの隣に子供がいたところ。トウジの子なら奥さんは委員長でしょう? そうかあの二人結婚したのか、良かったなってかなり先読みして。まああの子はトウジの子ではなかったですけど、想像は当たってはいた。
2回目はシンジがゲンドウから放置されて泣いていた子だった頃のビジュアルを見た時。旧エヴァからこの絵は何回も見せられているんですけど、以前はふーんで流したこの絵でどんだけ悲しかったんだろうシンジみたいに思えてしまって。3回目はそのシンジをゲンドウが抱きしめたシーンね。あと1回はなんかあったんですけど忘れた。アスカやミサトさん関連のシーンではなかったのは明らか。そう、アスカのシーンじゃなかったんですよね。
それで。シンエヴァを見て、すっきりしてしまいました。
おそらく、昔の自分ならここを捕まえて違うこんなんじゃない、ふざけるな! と怒ることができた部分はいくつもあったように思うのですが、実際には、そういう気にはなりませんでした。
その最たるものがアスカがケンスケと恋仲だったというところ。アスカが半裸でケンスケの家にいる、あれマジで? と思いました。。そして、ケンスケのことをケンケンと呼ぶ。うわマジか、といました。まあ、そこでもうこれは確定でしょ、と思いました。
多分昔の自分ならなんでやーアスカとケンスケとかここまで何もなかったやろー! って怒ってた可能性は割とあるのではないかな、と思うのですが、でも実際は怒りなど湧いてきませんでした。思ったのは、ああ良かったねと。何ですかねこれは。単純なアスカへの執着の薄れでしょうか。
終盤で「式波シリーズ」というフレーズが出てきました。旧エヴァがアスカエンドであったことからもわかるように、アスカは旧エヴァの象徴と言えます。そのアスカ、式波アスカがシリーズ、量産型になっていたということは、旧エヴァのクローン、つまりファンフィクション、二次創作、同人誌、SS、無数のそれ、EVANGELION: Remembrance、RE-TAKE、鋼鉄のガールフレンド2nd漫画版、スパロボに出てきたエヴァンゲリオンエヴァンゲリオン2、そういうのが式波シリーズということになります。
そこでさようならすべてのエヴァンゲリオンしようとする、あるいはシンエヴァがすべてエヴァンゲリオンを終わらせるためのエヴァンゲリオンなら、式波シリーズ、アスカとさよならしなければならないのは自明でした。さようなら初恋のひと。初恋は実らないって言うけど、あなたのことが好きだったんだと思う。式波アスカはケンスケに救われたんだね。よかった。
という話になります。
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惣流アスカは?
式波アスカはいいよ、母親がいない分逆にそんなになんか複雑じゃないからね。惣流アスカはなに、こんがらがり過ぎて手に負えなかったってこと?
式波アスカは救われたけど惣流アスカはまだあの赤い海のほとりにいるんじゃないの?????
いや、終盤の救済シーンに赤い海のほとりにいたアスカが出てきたのは知ってる。でもさ、これであの複雑にこんがらがった惣流アスカは解決したって言えないじゃん。すべてのエヴァンゲリオンを終わらせるためのエヴァンゲリオンに惣流アスカは出られないから式波アスカが出てきたのはわかりますけど、それじゃ惣流アスカは救われないじゃん。惣流アスカはエヴァンゲリオンが続く限り救われないしエヴァンゲリオンを終えるためには救われないってことかよ!!!!
1日かけて考えたけどまあそういうことだな。
惣流アスカはシンジとくっつかないとダメだしシンジと惣流アスカは相手に求めるものが同じ過ぎるからいつか破綻するのは目に見えてる。アスカエンドにするならあの真っ赤なエンディングしかありえなくてそれは旧エヴァそのものだ。初恋は実らないってさっき言っただろ。でもここが目に見えてるってわかるように見えるようになったのが私の変化かも知れない。
だから惣流アスカは救われないんだよ。
惣流アスカまで救われなくてよかったみたいな気もちょっとしてて自分が嫌になるんだけど別に赤い海のほとりのアスカが出てきたので惣流アスカも救われたと考えてもよい。映画館ではそう考えていた。
かわいそうな、かわいい、しあわせにしてあげたい、救ってあげたい(救われないので、いつまでも救ってあげたいのままの)惣流アスカ、そういうのを真空パックにしてずーっと持ち続けていればエヴァンゲリオンは終わらないし、シンエヴァを見て怒りまくってるアスカ勢は多分みんなかわいそうな、かわいい、しあわせにしてあげたい、救ってあげたい(救われないので、いつまでも救ってあげたいのまま)の惣流アスカの真空パックを持ってるんだと思う。正直ちょっとそういう人たちがうらやましいような気もする。
でも自分の手元にある真空パックは封が破れてて少しLCLみたいなのが残ってるけどアスカは入ってなかった。そういう話。これが私の成長なのか衰えなのかはわからないけど。
ところで式波アスカが平気でケンスケ宅で半裸でいるの、そういう関係であるという理由の他に(プラスして)自分を大事にできてないからそういう自傷的な行動を取れちゃうというか羞恥心がなくなってるみたいにも考えられるよね。
赤い海のほとりにいたアスカは恥ずかしがっていたので、そういう欠損が補われたと考えていいんじゃないかな。
ところでこの文章書き始めるまでは……のところまでの内容のはずだったんですよねえ。うーんそうだなあ、やっぱりアスカがシンジに「あなたのことが好きだったんだと思う」とはっきり言葉にして言ってくれたのが良かったのかな。旧エヴァの惣流アスカは絶対そういうこと言わなかったものね。しっかり言葉にするって大事ですよね。シンエヴァのテーマはきちんと対話しようってところにあったと思っていて、アスカがはっきりそう言うシーンってゲンドウの前でまず第一歩って感じだったかなとは思うんですけど、まず好きだって言うこと自体がまず良くて、「だった」のが本当に良いんです。さっぱりしているし、さっきちょっと触れましたけど「初恋は実らない」ってフレーズを重ねるとさらにいい。新劇場版はアスカエンドにはなれない運命でしたし、アスカが「綾波シリーズはシンジに好意を抱くように作られている」って言ったということは、自分もシンジに好意を抱くように作られているのでは、と疑問を持って当然ですし、そういうことであればアスカの性格的にシンジを選ぶことはできないですよね。
ケンスケというパートナーがありながらQからシンにかけてのアスカのシンジへのひどい態度は何だよ、単に性格が悪いだけだったのかよ! みたいな話がありますが、私はちょっと違うと思うんですよね。
アスカがシンジをガキガキ罵っていたのは自分がガキだからですし、メンタル弱すぎって言ってたのも自分がメンタル弱すぎだからですし、シンジへの想いをきっぱり過去にしたのは「好きだった」とはっきり言ったシーンだったと思うんです。それまではケンスケに支えてもらいながらもシンジへの想いは断ち切れないみたいな感じだったのでは。で、そのシンジへの想いは自分がそう作られているからかも知れなくて、そりゃまあイラつきますよね。シンジからしたらとんでもない八つ当たりですけど。
そういう点でははっきり言葉にしたのはアスカ本人のためにもよかったですし、シンジのためにもよかったですし、観客たる私のためにもよかった。良いことづくめでした。やっぱ言わなくてもわかって当然とか、わかって欲しいとか、わかるはずとか良くないですわ。甘えですね。。わかってもらえないことから変なマイナス感情が生まれる。私もさようならすべてのエヴァンゲリオンして、甘えずにきちんと話すべきことを話していこうと思います。ありがとう、エヴァンゲリオン。さようなら。