鍾ヨウ変人・偉人伝説(ヴァルキリー鍾会)

蒼天航路』(王欣太) では魏諷とのからみでちょこっとしか登場しなかった
鍾繇ですが、珍妙なエピソードが多いので、調べてみるのも一興です。

火間虫入道 過去の記事[2008年01月16日-01月31日]

ということですので私が知っている話をいくつか。

  • 曹操がまだ袁紹と抗争していた頃、関中(長安周辺)に碌に兵も与えられず派遣された。この頃の関中といえば馬騰韓遂に荒らされ放題だったのにもかかわらず彼らを説得し帰順させ、子供を人質として許昌に連れて来させることにまで成功する。
  • 官渡の戦い中、西涼で産される良馬を2000曹操に送り届ける。曹操は「馬をありがとう! 大変緊急の役に立った!」と褒めている。
  • 官渡の戦い中、袁紹が異民族の匈奴をけしかけて関中を襲わせた。鍾ヨウは部下の張既に命じて馬騰を説得させ、馬超やホウ徳を派遣させて匈奴を撃破、降伏させる。
  • 鍾ヨウ、家系が絶えてしまった良家の娘を引き取ったのはいいもののそのまま妾*1にしてしまい、その妾にかかりきりになり妻がぶち切れて離婚。
  • 曹丕の母、鍾ヨウの元妻に同情。曹丕をせっつく。曹丕は離婚した妻と再婚するよう鍾ヨウに命じる。鍾ヨウは怒りのあまり憤死してやろうとして死ぬほど山椒を食べて声が出せなくなる。
  • ある頃鍾ヨウが全然出仕しなくなったので様子を見に行ったらまったく正気ではない感じで、良く調べると鍾ヨウは美人の幽霊とラブラブしまくっていた。鍾ヨウはこの女が幽霊であると気付くとこの女を刺してしまった。
  • 曹丕が宝玉を欲しいなあと思っていたところ、随分立派な物を鍾ヨウが持っていると聞いた。曹丕はそれを聞いただけでめちゃくちゃ喜んだけれど、直接「くれ」とも言えないので曹植に相談して、曹植は家臣に命じて鍾ヨウに譲ってくれるように頼んだ。鍾ヨウがこの宝玉を譲ると、曹丕はめちゃくちゃ感激して妙なテンションの長文のお礼の手紙を鍾ヨウに送った。(しまった、これは曹丕変人伝説じゃないか)
  • 今日本で広く使われている漢字の書体は楷書というが、これは鍾ヨウが編み出したもの。

最初に思ったほどにはネタがないな……。ついでで息子の鍾会の話も。

「捜神記」に、以下のような感じの記述があります。
「天帝は、趙公明、鍾士季などの三人の将軍を派遣し、それぞれに幽鬼を督励させて、下界の人の命を奪わせる」
鍾会の字は士季なんですよねー。死神かよ、鍾会。いやまあ、この鍾士季が鍾会かはわからないと言うか、多分違うと思うんですけど。
ここで下界の人の命を奪ってどうするのかといいますと、天帝が天界の戦争において兵士として起用するためなんですね。丁度天帝がオーディンで、鍾会がヴァルキリーみたいな感じ? 戦士たちも鍾会が迎えに来るぐらいならヴァルキリーが来た方がうれしいですよねえ。どうでもいいですけど、どんなゲームにおいても大体ヴァルキリーって私が気に入るようなデザインのものばかりなので私はヴァルキリー大好きです。ヴァルキリーと鍾会とか、比較対象にもならん。

*1:この人が鍾会の母親です