魏武三国志

魏武三国志(http://www.gamejournal.net/bknmbr/gj20/gj20.html)というのはゲームジャーナル誌20号付録の三国志を舞台とした戦略級ボードゲームです。
魏武とは魏の武帝の略ですなわち曹操のことです。
その名の通りこのゲームの主役は曹操で、
曹操陣営と反曹操陣営、それぞれにプレイヤーがついてプレイしします。2人用です。
曹操陣営は曹操公孫サン、劉ヨウ、許貢、王朗、孔融劉璋
曹操陣営は劉備孫策袁紹袁術劉表楊奉呂布、李カク・郭シ、馬騰韓遂張魯
曹操陣営の分け方がわかんねええええええええと思う方もいらっしゃるでしょうが、反曹操陣営と敵対関係にある陣営が親曹操陣営と考えていただければすっきりするのではないかと。

10ターンプレイして、点数が高い方が勝ちです。
点数は、襄陽、長安、建業、成都許昌、ギョウの重要都市を支配していると10点、その他の地域を支配していると1点と計算します。地域の支配のためには「支配判定」に成功する必要があるので、ただ単に武力的に制圧しただけでは支配はできません。

このゲームで特徴的なのは、どのコマも特にどちらの陣営に属するといった決まりはありません。
場合によっては曹操が反曹操陣営として登場することもあります*1

このゲームで特徴的なのは出身州派閥により移動に制限が出ることです。

徐・益州閥、幽・冀州閥、司隷・予州閥、雍州閥、揚州閥、涼州閥があり、それぞれ別の州閥の同陣営武将は同一エリアに存在できません。また、自分が属する州では戦闘力が1上昇します。

ですので、例えば同じ反曹操陣営ですけどキ州閥の袁紹と徐・益州閥の劉備は共同作戦が取れないわけですね。

また、呉の人達は基本的にそんなに強くないけれど、揚州に引きこもっている分にはかなり守れるとか、そういうことにもなります。
このゲームではスタート時にはまだ登場していない武将が存在します。
そういった武将には「出現位置」が指定されており、出現位置のエリアが支配されており、上記の別州閥武将が同一エリアにいてはならない、の制限をクリアできるならば、ターンの最後に武将を自陣営所属として登場させることができます。

また、戦闘の結果雌伏した武将も同様の手順で再登場させることが可能です。
戦闘で捕虜にした武将は、出現位置に関係なく、別州閥武将同一エリア制限にさえ引っ掛からなければ、自陣営が支配するどのエリアにも出撃させることができます。

ですので、戦闘の結果曹操が雌伏すると、出現位置は許昌となりますので、反曹操陣営が許昌を支配し、なおかつターン終了時に許昌に司隷・予州閥以外の武将がいなければ、めでたく反曹操陣営として曹操が登場します。何が何だか。

戦闘は以下のように解決します。
1.各陣営は戦闘エリア内にいる武将のうち、身分値(最大3)の最も大きい武将を総大将とする。身分値が最も大きい武将が複数存在する場合、自由に総大将を選ぶことができる。
2.一騎討ちを行う。
 一騎討ちを行う武将を選出する。
 武将の戦闘値個ダイスを振り、出た目の最高値が高い方が勝利。
 敗北した側は即座に兵をすべて失い敗走表を適用する。
 どちらも一騎討ちを望んだ場合のみ発生。
 片方が一騎討ちを拒否した場合、下記の合戦ルールにより拒否した側が1回だけ一方的に攻撃を受ける。
3.軍師が計略を行う。
 伏兵:軍師の計略値(最大3)だけ、総大将の統率値を上昇させる
 火計:敵武将一人につき軍師の計略値個ダイスを振り、6の目が出た数だけ対象武将の兵を除去する。兵が足りない場合は武将に敗走表を適用する。
4.合戦
 両軍はサイコロを総大将の統率値または武将数+兵力数のどちらか小さい数個だけ振り、
 6以上の目が出た数だけ敵軍に損害を与える。
 この際、総大将の戦闘値(最大4+1)が高い側は、その差だけサイコロの目にプラスの修正を加えることができる。
 どのように損害を受けるかは受けた側が選択可能。
5.撤退宣言
 撤退を宣言した側は1度一方的に攻撃を受ける
 両軍ともに撤退しない場合は4に戻る

戦闘値1の差が非常に大きいことがわかっていただけるでしょうか。
なので自分が得意とするエリアで戦うことが非常に重要となります。が、魏武三国志にはいくつかの陰謀ルールがありまして、なかなかそうも行きません。

  • 3ターン目の最後には孫策が死亡し配下の兵は消滅する
  • 4ターン目の最後に洛陽を反曹操陣営が支配できていない場合、袁紹は死亡し配下の兵は消滅する
  • 6ターン目の最後に劉表が死亡し配下の兵は消滅、サイボウ、チョウインが生存して反曹操陣営に所属している場合、曹操陣営に寝返る
  • 8ターン目の最後に合肥を支配している陣営が、呉軍が今後どちらの陣営に所属するか決定することができる。ただし親曹操陣営に呉軍が寝返った場合、反曹操陣営に勝利得点35点が加算される

戦闘値/統率値が2/6の袁紹冀州では大変強力な武将なんですけれど、このルールのために、4ターン目には否応なく洛陽へ突撃しなければならないのですね。
劉表とかも同じ。

ところで、武将のコマなのですが、これには表と裏があるものがあり、裏になっている武将は表の武将が死ぬまで登場できません。
裏の武将の方が優秀な場合、その表の武将が自陣営スタートならばよいのですが、敵陣営スタートの場合、早く表武将を討ち取らないと裏の武将が登場できないので重点的にぶっ殺す必要があります。
例えば反曹操陣営スタートの涼州呂布(4/4)の裏は曹操と同じく司隷・予州閥の張遼(3/4)なので、親曹操陣営としては早めに削除しておきたいところです。
特にスタート時、あるいはすぐに登場できる親曹操陣営の司隷・予州閥武将は夏侯惇(3/3)、夏侯淵(2/6)を除けば、曹操でさえ(1/9)で、あとは3/1だの4/1だの2/3だの1/5だのばかりなので、張遼はかなり重要です。

ちなみに、他の武将はこんな感じです。
冀州閥:顔良:3/1 文醜:3/2 公孫サン:2/4 袁術:1/3
徐州、益州閥:劉備1:2/4 劉備2:1/8 関羽1:4/2 関羽2:3/5 張飛1:4/1 張飛2:3/4 劉璋:1/3 張任:2/4 黄忠:3/2 趙雲:4/1
揚州閥:孫策:3/3 孫権:1/6 周瑜:1/8 甘寧:3/4 太史慈:3/2 呂蒙:1/7 徐盛:2/4
雍州閥:李カク1/3 郭シ:1/2 楊奉:1/3
涼州閥:馬騰:3/2 韓遂:1/3
荊州閥:劉表:2/3 蔡瑁:1/5 張允:1/2

プレイレポはまた明日で。

*1:さすがにこれ、曹操が反曹操陣営で登場可能な状況になった際、曹操が反曹操陣営で出撃していいの? という疑問があったのでプレイ中は出さなかったのですが、エラッタでは曹操が反曹操陣営として出ることもあります、とはっきり書いてありました