三国志故事物語

三国志故事物語

三国志故事物語

役所へ手続きに行ったら図書館が併設されていたのでふらっと寄って、本棚眺めていたら見つけた本です。
あーあるよねこういう本。なんか有名な言葉を拾って、関連する演義のエピソードを抜き書きして……と思いながら本を開いたら陳寔*1とか書いてある。何事?! と思ってきちんと読んだら別に演義ベースで書かれておらず、演義の話をする時は断り、正史三国志の範囲以前の出来事まで取り扱い……。いつの本だ! 1993年……三国志ファンのバイブル、ちくま文庫正史三国志の1巻が1992年12月に出て、最終8巻が出たのが1993年7月ですよ! 後漢書*2の和訳が出たのはさらに後*3! なんですかねこのオーパーツ的な本は……。
この本では「白眉」や「涙を揮って馬謖を斬る(泣いて馬謖を斬る)」などの有名な言葉から「燭を秉りて夜あそぶ」というようなあまり有名でない言葉まで三国志にまつわるフレーズをその背景を交えて紹介しています。
正史三国志が認知され始めた頃に見られた演義と正史の混同や、正史の方が偉いんだぜみたいな書きぶりは一切なく、純粋に楽しく三国志周辺の知識を付けることができる有用な本です。ほんと1993年になんでこんな本が存在し得たんだ……。世の中わからぬものです。

*1:陳羣の祖父

*2:正史三国志の範囲以前の出来事が書かれた

*3:全訳後漢書とか確かまだ刊行中だし