曹操墓の真相

曹操墓の真相

曹操墓の真相

2009年に曹操の墓が見つかった時から、発掘調査までのドキュメンタリーです。中国で発行された本の翻訳で、あの渡邉義浩先生の解説付き。
実際に発掘した人による本なので臨場感がありますね。曹操の墓らしいものが見つかったけど、遺跡は基本保護という政府の方針があり発掘ができない。しかしその間にも盗掘が進んでいく……どうする! みたいなストーリーから始まり、発掘物を調査して本当に曹操の墓なの? と検証していく考古学者(著者含む)に対し、歴史書を盾に「記録と違う」と否定をしてくる文学者や史学者。彼等への怒りみたいなものまで伝わってきます。
本文中で「これこれこうだから、曹操の墓と見ていいでしょう」という結論に対し、巻末の解説で渡邉義浩先生が「いやその判断はおかしい、なぜならば」とフォローが入っていたりして、曹操墓を色々な角度から見ることができます。あのニュースに興味を持った方はぜひ。
ところで曹操がたくさん偽墓を作ったという話は創作だったんですね。なのでこの墓発見騒動の時は「どうせ偽墓でしょ」みたいな態度を取ってしまっていました。史料に残っている話だと思い込んでいました。三国志はこういう思い込みがしばしばあるから恐ろしいです!