平清盛 第27話「宿命の対決」(7/8放送回)

いやー清盛がかっこよかったですね。
六波羅平氏館に帰って来た清盛は当然怒ってると、そりゃ帰還即バトルだろと思ってた三盛(教盛)。周囲ドン引きの中完全武装で清盛を待っていました。清盛がの言葉を聞くなり「うおー!」と飛び出そうとしますが清盛の号令は戦闘開始じゃないし。
清盛「みんなも知ってると思うけど、あの信頼様が義朝と組んで上皇様と上西門院様と帝を幽閉したね。つまり、今は信頼様がこの国のトップなわけ。だから従うの」
このままぶつかったら賊軍になるだけだぜーそいつはごめんだってことです。戦争は武力だけでするものではないと。
一方義朝はというともう即清盛来るだろというつもりで備えてるのでああ……義朝が三盛レベルか……というわけでもうなんとなくこの先が見えていますね。悲しいですが。あと源氏の皆さんは修羅の国東国の人間ばっかりですし義平がいるせいでもう完全バーバリアン状態。
藤原経宗(でんべえ)、惟方の二人は「こいつら同じ人間なの……というかこいつらいつまでここにいるの……」ともう嫌になっちゃってる様子。信頼も遊んでるだけだし、成親は清盛の姻戚だから大丈夫だろみたいな感じでいるしもうやだ! もう麿たちはこんな生活嫌でおじゃる! という感じで麿政治脳がまた活性化し始めている様子……。

後白河上皇と上西門院は幽閉されたままでした。上西門院は「ああ困った、不安だ」と言っているのですが上皇はいつもの「遊びをせんとや〜」モードで無反応。ブレないなーこの人とも思ったのですが、まあ私も幽閉されて 3DS 渡されたらずっと世界樹やってるかもー的なところはありますし。ハイ。これで長恨歌絵巻を泣きながら見てたりする方が気持ち悪いしこの人の場合。

一方「家のメシはうまいのう!」とか言ってる清盛。「なぜ清盛は攻めて来ぬ!」とか血圧上がりっぱなしの義朝。時間をおいても三盛脳のままとは……。そこへ信頼の所へ平氏からの使いが来たと知らせが。「すわカチコミか!」怯える信頼、ザワザワする成親や他の貴族。でも来たのは家貞おじいちゃんだったので、みんなも安心。「平氏は信頼様に恭順いたしまするー」とニコニコ名簿、まあ誓紙みたいなもの出しちゃう。忠清みたいなのが血刀引っさげてデストロイしにきちゃったのー!? と怯えていたところにニコニコおじいちゃんがきちゃったからもう信頼とか安心して信用しちゃう。義朝だけは「っかしーなー」と気付いて三盛脳から抜け出しかけていたんですが信頼がよいではないかよいではないかって言うから放置になってしまいました。

清盛は念入りなことでさらに宴会までして油断を誘おうという作戦でここまでやるとくどいだろう感が漂ってきたところで現れたのが藤原経宗(でんべえ)、惟方の二人! くどい!
でんべえ「今回のクーデターは信頼がやったことでいやーこちらも巻き込まれてまいっちんぐだったんですよ私ら被害者! なんとかして!」
清盛「巻き込まれたとは片腹痛い! 貴様らのたくらみで信西を殺したのはわかっておるのだ!」
宋剣を抜いて迫る清盛! でんべえらは文字通り目を白黒させるビビり演技! くどい! くどすぎる! 思わず吹き出してしまうくらいくどい怯え演技でもう……。舌とかピロピロさせてるし……。
清盛「今回ばっかりは許してやるから俺のために働けや」
魂も消し飛ぶかというほど怯えているので麿二人組に否やはあろうはずもありません。でもこいつらで大丈夫なのかしら? という気はしますが、でもこいつらは目的達成した後信頼や義朝が邪魔だし清盛は腹芸かましてるからってことで割と自分が高く売れるタイミングで寝返りかましてるのでたぶんできるやつなんですよね。だから任せて OK。清盛も馬鹿じゃないしね。

そういうわけで麿チーム行動開始。

  • 信頼をうまく言いくるめて内裏にいる源氏武者を酔い潰す!

まあ源氏武者はバーバリアンなので信頼を言いくるめれば全然余裕ミッションですけどというか信頼言いくるめるのも楽勝だったわ!

これは古典的な手で女装作戦です。そして牛車で護送。警戒ラインを張っていたのがあの悪源太義平で、バーバリアンゆえ平気で牛車の中を見るというアクシデントもあったのですが、警戒してとかじゃなくて「なになに女? 美人?」という行為だったので助かりました。策略抵抗値が低いみたいです! 軍記物にあるエピソードですね(スルーしたのが義平というのはオリジナル)
さらに上皇と上西門院の二人も合わせて救出したので平氏は堂々と官軍を名乗れる立場になりました。
「力こそパワー!」の三盛脳ではダメなんだぜ、武士の世は来ないんだぜ、という清盛の強烈なアタックでした。
だから義朝が「この日本一の不覚人グァーッ! わかっておるのクァーッ! これで我らは賊になり下がったのだぞ!」って信頼を助走をつけて(つけてない)殴ったのはここまで「力こそパワー!」で来てしまったけどそれだけではダメだったことを悟ったための八つ当たりの面もあったかも知れませんね。あと帝を取り逃がしたの義平だし……。わりと殴られてかわいそうかもこの信頼は。

二条帝「謀反人を追討せよ!」
ものすごく女性的な声で討伐を命じる二条帝。あー女装脱出のためにこういう役者さんを選んでいたんですねー。

バッチリ勅も降りた! もう開戦の準備は万端整った! というわけで出陣です! ついでに清三郎はスケジュールを早めて元服! 宗盛! さあ初陣だ! 宗盛「ええっ!」 これはよいヘタレの予感。

源氏は「賊軍になり下がった」割には、というか、なり下がったのに意気軒昂です。まあたぶんバーバリアンなので賊軍になったというのがどういうことかわかってない。義朝も「それでこそ平清盛」とかなんか強がり言ってますしね。そして義朝の八つ当たりは続く。
「そなたも命を張って戦え!」
信頼に鎧を投げつける! それ信頼着けられるのか!? その心配はともかく、この戦い、もちろん信頼-義朝ラインの敗北になるわけですが、その戦後処理で公卿なのに信頼が死刑となるのは武装して戦っていたため戦闘員扱いされて(忠正、為義のように)死刑となったって話があるんですよね。義朝さん軽い気持ちで信頼にひどいことしたよね……ってまあ仕方ないか。

開戦は待賢門の攻防!
重盛「今の元号は平治で都の名は平安! そして我らは平氏、平が三つそろってどうして勝たないことがあろうか!」
スーパーゲン担ぎモード! これも軍記物にある話ですね。
ここで「四つ目の平は我が名にあり!」 (これはオリジナルかな?)と登場したのは悪源太義平! すごい「だから何!」感! しかしそれを言わせぬ蛮族力!! 軍記物だとこのあと重盛は義平に追い回されたりしますがこのドラマでは互角だ! やっぱり軍記物ですと保元の乱の時にわざわざ為朝に攻撃を仕掛けるほどの猛将です、重盛!
頼盛はなんか「これが抜丸!」と刀の紹介をしながら奮戦!(頼盛が名刀を自慢するときの BGM)
初陣の宗盛は同じく初陣の頼朝から弓矢で狙われ、これをベア忠清がパリィするも腰が抜けちゃう! 対照的!
一方その頃後の弁慶が常盤をさらっていったのでした……え、あれ助けに来てたの? だってあの風貌明らかに目的は……でもずっと源氏のストーカーをしてたのか。毎回わけもなく出てきたのはわけがないシーンにいたんじゃなくて常にいるんだけどたまたまカメラが向くときと向かない時があるだけ? なにそれこわい。

戦いが互角で進んでいる中、平氏が退却を開始します。もうこれは明らかに偽退却ですがまんまと嵌った源氏チームは賀茂川対岸に布陣する平氏勢に遭遇! これでは突撃しようにも渡河中に蜂の巣です。
頼政会長「わっはっはまんまと嵌められたね義朝君! もう私は十分セルメダル集めたから帰るねではさらば!」
帰っちゃったよ! 何なのこの人! 史実だととっくに清盛チームにいる人ですっていうかそもそも義朝の下についていたわけではありませんからね。
そして忠清の号令のもと降り注ぐ大量の矢! 陸遜を呼べ!*1 ネームド源氏は切り払いスキルがあるので重傷は負いませんが兵はどんどん倒れていき会長の予想した通りそもそも戦闘にもなりませんでした。

ここから先はファンタジー
義朝と清盛の一騎討ちです!
まあ少年漫画大河だからいいんじゃないでしょうか!
義朝も清盛もスタントなしで重そうな鎧着けて騎乗で斬り合うとかすごいものを見ましたね。しかも清盛は手綱手放して宋剣りょうてもち攻撃力倍とかやってますし。手綱手放すとか北方歴史小説とかでは超絶技術扱いなのに。現代の役者がこれこなしちゃう。マツケンすげえ! そういや清盛は流鏑馬外してたけどマツケン本人はヒットさせてたんだっけ……どんな人なんだ……。
この後双方下馬してさらに斬り合い。普通のチャンバラではないです。二人とも大鎧を付けていますから、その防御がないところを狙っての斬撃の応酬です。面白い。なかなか見られる殺陣ではないです。実際こういう格好で斬り合いするのかという疑問はありながらも!
決着がつきます。体術で清盛が義朝を倒し、短刀を突きつける!
清盛「武士とは勝つことじゃ。いかなることをしても、勝ち続けることじゃ!」「お前は負けたのじゃ、義朝! ……次などない戦に、負けたのじゃ…!」
平氏は正盛爺様の頃から、いやもっと前からですかね。きちん積み重ね積み重ねここまで来た。そこまでは失敗は許されなかった。当然源氏もそうするだろうと思ってたのにどうして! こうなったからには平氏は源氏を滅ぼさなければならない!
と言いたいんですかね。
でも清盛は義朝にとどめをさせない。
ここまで源氏を叩いたならもう義朝を逃そうが逃すまいが勝敗は決しているんです。だから逃がした? だからとどめが刺せない? いや、そうでなくても逃がしていたのではないかな。それがこの少年漫画大河の清盛なんでしょう。
義朝「我が身は滅びても、源氏の魂は断じて滅びぬ! ……清盛、また会おう」
またそういう魔王みたいなこと言う……。
義朝は涙を流していました。頼りない足取りで騎乗すると、髭切も置き去りにして落ち延びていきます。清盛はそれを見送る……。
馬比べで負けた時、清盛は「次は負けぬからな!」と言った。今回は「次などない戦」。対応しているんですね。その時勝って、笑顔で去って行った義朝は、今回は意気消沈し、魂の抜けたような顔で、しかし馬比べの時と同じように騎乗して去って行ったのです。
頼朝(ナレ)「源義朝も、平清盛も、わかっていただろう。これが、互いに相まみえる、最後であることを……」