さやかの望み

友人が最終回を見るというので付き合って同じタイミングで最終回を見ていました。当然、終わってから色々と話し込んだのですが、その中で「ひょっとしてさやかには、確固とした恭介への恋愛感情などなかったのではないか?」と言われました。
その時は「そんなわけあるかい」と一蹴してしまったのですが、結構、これはあるのかも。
「魔女オクタヴィアの性質に「恋慕」とあるせいで色々さやかは誤解されているよなあ」とか思っていたくせに自分の目が曇っていました。
そもそも、さやかはマミから「その人のために何かしたいのか、その人の恩人になりたいのか?」という問いを受けて、一旦契約を思い留まるほどには分別があるはずです。マミが何を言ったのかは理解していたはずです。それを押して契約したのですから、マミの言葉の前者側に倒れていたはずです。後者がまったくないとは言いませんが。
腕のために苦しむ恭介をずっと見ていたくはない。恭介にずっと寄り添っていたい。多分、これぐらいのつもりだったと考えます。
そこへ魔法少女の真相を思い知りぐらついているところで、さらに仁美の気持ちを知らされ動転してしまったのではないでしょうか。
これで以前どおりの恭介の側にいられると思っていたのに、予想もしていなかった恭介の恋人となりうる存在の出現。恭介に恋人が現れたら、今までの自分の居場所は奪われてしまう! 自分は恭介の側にいたいのに!
憧れと恋心の区別がきちんとついていなかったさやかは、動揺している上に仁美から強い感情をぶつけられ混乱し、感化されて「ずっと恭介に恋心を抱いていた」と勘違いしてしまったのではないでしょうか。
さもなくば、最終回で「これでいいよ」とはそうそう言えたものではありません。もちろん恭介への恋心がまったくなかったとは言いませんが、上条の腕を直したいのか、上条の恩人になりたいのか、で言ったら、本来は間違いなく前者が優越していたのだと、私は思います。