まどかマギカ9話

ここからは最新9話までもう見たよという方向け。
というか9話とかじゃなくてさやかと杏子の話をしたいんですけど。多分支離滅裂になります。
9話見おわった時に「杏子……さやかのために死んでくれたなんて……マジ聖女や……」と思ったんですけど、まああながち間違いでもないかもとも思いますがあれって良く考えたらそうでもなかったですね。
杏子はなぜさやかを助けたいと言い出したのかというと、もちろんさやかに好意を持つようになっていた。それはそうなんですけど、それだけではない。魔法少女がいずれ魔女になってしまうことを杏子は知りました。ということはあのさやかは将来の自分なわけです。魔女になった魔法少女が元に戻れる、助ける手段がないと自分にも先がなくなってしまうわけです。それを認めたくないからこそ杏子はああいう挙に出て、それが叶わないと見るや自分にも先の望みがないと悟り*1、ならばせめてと、同じ人のための願いでなった魔法少女同士での相討ちを望んだわけです。「さすが聖職者の娘だな!」と最初は思ったのですが、そういった単純な話ではどうもなさそう。これはもちろん杏子は聖女なんかじゃないんだもっと俗っぽい存在だと dis をやりたいのではなく、というか悲しい。「杏子は聖職者の娘で聖女! 自己犠牲を望んだんだよ!」というのよりよほど悲しい。「ひとりぼっちは、寂しい」のはさやかだけではない、杏子もそうだったのです。それを一番あらわしているのは魔女オクタヴィアが結界の床を抜いて、落下する際に言った杏子の台詞「頼むよ神様。こんな人生だったんだ。せめて一度くらい幸せな夢を見させてよ」だと思います。こんな人生って言うからには自分の人生のこと。単純にさやかを救いたいというだけでしたら、多分こんな台詞にはならないです。
しかしさやかは徹頭徹尾恋する乙女でした。オクタヴィアの姿と結界にそれがあふれていてもう見ててつらい。下半身が人魚なのは多大な代償を払って想い人を救ったが結ばれなかった人魚姫。リボンは指摘されるまで気付かなかったんですが1話でまどかのリボンを「ママからのモテの秘訣」と解釈したからこそ振り向いて欲しくて付けている。鎧はヒーロー願望のあらわれで、剣はまあ言うまでもないですね。で、結界は入り口から「LoVE me Do」。中は「look at me」であふれている上条君オンステージ。でもその上条君とは隔てられたフロアにいて、彼はずっと後ろ姿で振り返ることがない。魔女の結界には願望が反映されているというか願望だけで組み立てられているのですが、でもきっと本当に欲しい物は手に入らない空間なのでしょう。公式 HP の3話の魔女図鑑*2にある通り。
杏子が怒鳴りだしてからオクタヴィアの攻撃の手が緩んでいて、「さやかに話が通じてるんだ!」と言っている向きもあるようですが、そこは私はどうかなあ、と思います。というのも、オクタヴィアは完全によそ見をしてて背中を向けた上条君の幻影を見ている。多分あの動きは拍手喝采とかそういう動きなんじゃないかなあと思います。
ただ最後は間違いなくオクタヴィアも杏子を見ていた。目と推定される部分に杏子の姿が映っていました。もし話が通じていたなら、あの時点。構えていた剣も降ろしていましたし。
しかしこの作品のキャラは信念が揺らぐと脱落しますね。

  • 一人で戦い続けるしかないんだ!→可愛い後輩ができる!→アウト
  • 自分のために力は使わない! 見返りは求めない!→どうして見返りを与えないんだ! と他人に食ってかかる→アウト
  • 力は自分のために使うものだ!→他人のために力を使う→アウト

そういえば当初は「先に願いを叶えてあげたらあとで積極的に戦わないんじゃないの?」とか「願いだけ叶えてもらって魔女退治はスルーするとかお得じゃないの」とか思ってたんですがそんなことではキュウべえは損しない仕組みになってるのに感心しましたね。先に願いを叶えておけば希望の絶頂から絶望へドーンと行くのでエネルギーがたくさん取り出せるし、魔女退治をスルーしようと思っても元々の体は死体なので維持・操作に魔力が必要なので存在しているだけでソウルジェムが濁っていってしまうという。良くできてやがる。
とりとめのない文章ですいませんでした。なんかねーもう9話を繰り返し見過ぎて頭がおかしくなってるんです。金曜が待ち遠しくてたまらない。こんな気分になったのは随分久しぶりだなあ……。