ワンダリング神職

私もあちこちの神社を巡ってきて、そこいらへんの神社ではない、ちゃんとした由緒がある神社でも、なかなか経営(?)が厳しいところは多いのだな、という実感はある*1のですが、この話を聞いていやあ神社も変わったなと思わざるを得ませんでした。


北海道在住の親戚と電話で話していて知ったのだが、北海道は神社より寺の方が多いので、布教(?)のために神主が一軒一軒回ってくるそうだ。で、何をするかというと、神棚にむかって祝詞をあげるのだとか。
ううむ。神職が押しかけて来て祝詞を挙げて、神社側に何のメリットがあるんでしょ。
神棚に祝詞を挙げて玉串料でも取るんでしょうか。というか、それくらいしかできないと思うんですけど……。
それってわざわざ巡回して手に入れるほど大きな収入になるとは思えませんし。
まさか押しかけて来て「氏子になれ」なんて話はないですよね……?
氏子というのはどこに住んでるかでもう決まっているようなものなので、本来伊勢の神宮だけではなくどの神社も布教の必要などないのです。というか、布教などできません、といった方が正しいかも。
神道では誰とて元からどこかの氏子なのですから、布教の結果誰々が氏子になりましたなんてシチュエーションはそもそも想定されていないのです。つまり、神道ってのは布教という概念がないものなのです*2
別の言い方をすると、神道には教典がないから布教のしようが無いとも言えそうです。神道は教義・教典からなるものではなく、土地、人からなるものなので、説法することなど本来は無いのです。
とは言い条、じゃあ我が家はどこかの神社の氏子であるとはっきり言える状態なの? と言うと、全くそうではないのでした。
私の知識と上の話を総合すると、神社が勢力圏*3の、不活性化している氏子*4を、ちゃんとした氏子*5にするために、神社・神道を意識してもらう活動、ということなのでしょう。
ですから、これは実質的には布教活動であったとしても、神社・神道の立場からでは布教ではないと。ややこしいな。

そこで私が思ったのは、押しかけ巫女がいればもっと神道も広まるだろうということ。誰だって年寄りの神主が来るくらいなら、かわいい巫女さんが来た方がいいに決まってる。美少女文庫エロゲーなどでは「押しかけメイド」は定番でもあることだし。

賛せ……いや反対だ! 全力で反対!!! まず巫女さんは助手に過ぎないので、単独で祝詞上げるなどの神事を執り行うのは無理です。舞うとか太鼓叩くとかその辺が限界。
あと巫女さんは客寄せパンダじゃないですし。
というか「また巫女さんがメイドと一緒くたにされるのか!」って話ですよ! 何でいつも一緒くたにされるんでしょう。
http://xai.jp/mmm/ とか、ISBN:4766112148 とか! わりと枚挙に暇がない状態です! google:巫女 メイド
修道女と一緒くたならまだ納得がいこうものを、何でメイド! メイドと巫女さんに何の共通点があるのかと! 女性ということぐらいしか共通点が思いつきませんよ! あ、あと最初の子音がどっちもMか。

*1:だから、なのかどうかはいまいち不明ですが、私ぐらいの人間が真面目に参拝してると結構神職の人からの受けは良いです。「感心な若者だ!」とか。まあ変人扱いの場合もありますが。

*2:だから、外国へ伝播してそこの人が神道に帰依したなんて例がないのですね

*3:適当な言葉が思いつきません

*4:あくまでも、神社の勢力圏内に住む人間は氏子なんだよという原則論に乗っ取った表現

*5:嫌な言い方ですが、神社にお金を落とす氏子