軍師官兵衛 第28話「本能寺の変」

あのねーはっきり言いまして残念ながら私から見て軍師官兵衛はダメ大河ドラマ箱にもう入っちゃってるんですよ。でも、でもだ! 今回は良かった! いや全体的に俯瞰すると今回もダメなんですけど「殿のご運が開けたのですぞ。開けました。ご運が開けました」 この前後の岡田さんの演技が死ぬほど良くてなんかもう錯覚したよね。軍師官兵衛面白い大河ドラマだ……って。神様仏様岡田様ですよ。何なの。もう岡田准一めっちゃ好きだわ。
アバンタイトル
「敵は本能寺にあr敵は本能寺にあり!」
なーんでまたこれやっちゃうかな。金髪豚野郎に失礼です。
一方信長は本能寺にツインルームを取ってご就寝中。一緒に寝てるのか……。あ、愛妻家ですね……。この後きっと一緒に戦っちゃったりするんでしょうね……。実際その通りになりましたね……。つか濃姫弓で戦ってましたけど、初登場シーンでノブに弓習ってましたね。へー、そういうあれ。こういうところだけ丁寧にやってもなあ……。
ノブの寝巻での奮戦は良かった。先々週あたりからかな? ノブのいでたちが変わって信長の野望に出てくるノブみたいな感じになってて「おっ急に雰囲気出て来たな、喋らなければ100点だな」という雰囲気になってきていたのですがそこに乱れた鬢とかチラチラ見える脚とかでセクシー演出しつつなかなか江口洋介の殺陣も良かった。かっこいい。
濃姫はなんだあれはニンジャか。弓はまあいいとしてその後はなんか短刀持ってクルクル回りながら明智兵斬っててリーチは相手より全然短いしクルクル回ってるしでよくそんなのでここまでもってたな! と思ったら斬られた。「お濃!」信長「お濃、わしの女房はそなたでなければ務まらなかった……」んんんんんお濃以外もかなりアレですが自信ないけどノブってお濃って呼ぶかなあ。美濃の姫だから濃姫って呼び習わされてるだけであって、あんまり固有名詞じゃない。まあでも帰蝶って名前もガセだったらしいので、どう呼べばいいんだよと言われたら、答えがないんですが。
で、濃姫に「生きて」と言われてとどめを刺して進むノブ「生か死か、生か死か、生か死か……」ハムレットかお前は。いちいち安いんですよ。そして開いた部屋が焼けてた!
ここでノブは自害の意を固めます。ついさっき濃姫に「生きて」言われてましたけどそれはいいんでしょうか……。「生き切った」って言ってるからいいのかな……。
敦盛は舞わず、謳わず朗読。切腹ではなく自刎。これはちょっと新味もあるし、このノブっぽかったので良かった。でも本能寺パートが終わって思うのは、なんでヤスケおらんの。ヤスケ出してきたから本能寺で無双するんだろうなーと思ったら影も形もなかった。なんなの。
そのあと鶴ちゃん出てきました。あれ? 小寺の殿が死ぬのはもうちょっと後だったような? と思ったら、『黒田家譜』では小寺の殿が死ぬのは1582年なのだそうです。なんと。それに合わせたのか。鶴ちゃんは官兵衛のこと裏切っただけでなく殺させようとしたわけなんですけど、でもかわいいかわいい息子のことを官兵衛に頼む。官兵衛も承諾する。おお、白田官兵衛だ。後のことを考えると、最後の白田官兵衛だったのかも。嵐の前の静けさならぬ、黒田の前の白田。ちなみに小寺家は黒田の家臣としてきっちり続いていくのです。
さて、さすがにニュータイプ能力とかでノブの死を感知できない秀吉官兵衛の所に長谷川宗仁からの書状が届きます。
使者「秀吉か官兵衛本人以外に絶対見せちゃいけないって言われてるんで証拠を見せて欲しいんだけど」
官兵衛「この顔の傷と脚は有岡城の時のやつで」
使者「わかりました」
わかっちゃうのかよ! そんなの対面した瞬間から見えてたことじゃん! 使者も官兵衛もバカなのか!
そして書状は綺麗な楷書。まあ……仕方ないか……。
ここからですよね。ここから岡田さんの演技すごかった。
まず使者に動揺している感じ全然見せなかったのもいい感じですし、使者居なくなってからめっちゃ動揺してる感じ。大変良い。そして「ざっけんなノブこんな時に死んでんじゃねえよ」って考えている中不意にひらめく! 秀吉の時代!
で、秀吉の所へ行く。官兵衛「ヤバい情報っす」秀吉、無造作に書状に手を伸ばすけど引っ込める官兵衛。これもいいよね。官兵衛「心して読めよな」
秀吉、読む。理解する。SANチェック失敗! 一時的狂気! 取り乱す! 泣く!
官兵衛「殿、お気を確かに。一刻を争うのです」
落ち着き払った官兵衛の台詞。ここまでわかってましたよーということ。
「わかりますか?」「わかりますか?」「わかりますか?」
この三連呼のあたりではもう官兵衛の方が狂ってるんじゃないって表情でしたよね。いい……。
「殿のご運が開けたのですぞ。開けました。ご運が開けました。」
前にも言いましたけど秀吉のご運が開けたって話は官兵衛の感情的にも周囲の情勢的にも全然説明して描写してこなかったのがこのドラマです。この台詞はこれまでとつながってないんです。
でもこれも前にも言いましたけど岡田さんはこの台詞のために官兵衛役を引き受けたということです。
これまでのドラマの拙さぶりをひっくり返す岡田さんの熱演たるや!
この台詞のための積み重ねがたくさんあったドラマだったような錯覚をおぼえる凄絶な笑みでしたよ!
「今は亡き竹中半兵衛様の思いをお忘れか。半兵衛様は殿が天下に名乗りを上げるのを待ち望み、それがしが軍師で支えるよう言い残して逝かれました。今こそその時でございます! 上様の死を毛利に悟られる事なくすぐさま京に引き返し、誰よりも早く、謀反人明智光秀を討つのです。それこそが亡き上様のため。そして、天下のためでございます!」これを受けて理解した秀吉の顔がまた。すっと正気に戻ったというよりは、恐怖で泣くのを止められたような感じ。官兵衛と秀吉がなんかこれからキスでもするのかというように相手の顔を自分の前でがっちりホールドしてさ、これ官兵衛がやってることは半分洗脳ですよね。ひょっとしてこの秀吉はこれで官兵衛こええってなって後でちょっと遠ざけ気味になるのかなと思うとすごくいい。とにかくいい。岡田准一竹中直人最高ですわ。いいキャストだった!
安国寺恵瓊にノブの死を知らせちゃうのはちょっと「?」でした。来週どういう風に収拾していくのでしょうかね。
とにかく今回は岡田さんのハイパー演技で「これまで軍師官兵衛見てきてよかったわ……」という錯覚に陥れたので大変良かったと思います! もう岡田准一は完全に好きな役者ボックスに入りましたわ。

その他気になったポイント

  • 光秀がイライラして刀の柄をコンコンコンコン扇で叩いているのは良かった
  • 光秀「ノブの首は?!」明智兵「いや、わかんないっすけどあの火ならノブは生きてねーっすよ」

 暢気すぎる……。それでいいのか。(よくなかった)

  • 家康があっさり諦めてる感じがなんか面白かった

 結局家臣に背中押されて逃げるけど。でもこの辺のシーン要るのかなあ?