映画見た その2

シュガー・ラッシュ

夜中、ゲーセンが閉店した後は電源のコードを伝ってゲームのキャラがお互いのゲームに行き来して交流持ってるんだよ。ゲームの表舞台以外の生活も彼らにはあるんだ! という設定のお話。
これはゲーオタとして見ねばなるまいと映画館に突撃したわけです。
主人公はラルフというゲームの中では悪役のキャラです。みんなが住んでるマンションを破壊します。で、マンションを直すプレイヤーキャラのフェリックスがいて、フェリックスが任務を達成するとラルフはドンキーコングよろしくマンションから投げ落とされる。マンション壊すので住人からしたらラルフは鼻つまみ者です。
でも悪役ってたってぼくら悪役は仕事でしてるんですもの。プライベートな時は差別しないで欲しいよね。ラルフはそう思うんですけど、でも住人はそうは思っちゃくれない。
そこで悩んだラルフは前々から誘われていた悪役の会に出てみます。悪役の会はクッパ大王とかベガとかゾンビとかが出席する会合です。なぜかザンギエフもいます。
「確かにみんなラルフみたいに納得してない悪役は多いよ。でも悪役がいないとゲームが成り立たないんだよ。我々は立派な仕事をしているんだ、胸を張れよ」「悪役であることは悪いことじゃない」とか言われて励まされるのですが、自分のゲームに戻ってみたらやっぱり邪険にされるので、「じゃあどうしたら俺を認めてくれるんだよ!」と住人に尋ねたところ「お前がメダルを手に入れたらな!」と言う。メダルというのはフェリックスがこのゲームをクリアしたらもらえるアイテムで、もちろんラルフは"このゲームの中では"手にすることができないものです。売り言葉に買い言葉。ラルフは「じゃー俺はメダル必ず手に入れるからな!」と言い残して去るのですが、もちろん自分のゲーム内では悪役なもので手に入るわけがないのです。そこでラルフは自分のゲームから飛び出して他のゲームの中へ……。営業時間中に自分のゲームから外に出るというのは大変な問題です。このゲームだとラルフがアパートを破壊しないとゲームが始まらないわけですね。そしてこのゲームはラルフが出てこないので故障扱いとなり、このまま直らなければ撤去されてしまうことになる……。フェリックスも慌ててラルフを追うのでした。
という導入。結構面白かったです。思ったよりレトロゲームネタは含まれてないし、ザンギエフは悪役じゃないだろと思ったりはしましたが。
自分のゲーム内では鼻つまみ者だったラルフが外のゲームに出て、じゃあ一体何ができるのといったら結局物を壊すことばっかりなんですね。でもそんなラルフでも! 壊すことでヒーローに! というか。これもアイアンマンと同じでボンクラヒーローものですかね。
それよりなによりこのシュガーラッシュの設定は素晴らしい。ゲーム間のクロスオーバーし放題の妄想がはかどる! テンションあがる!
でも邦題のシュガーラッシュは続編のこと全く考えてないタイトルでひどい。原語タイトルは"Wreck-It Ralph"で、「ぶっ壊せ! ラルフ!」って感じなのに。なぜ続編のこと考えてないかは是非本編をご覧ください。
あと、作中用語で「ターボする」というのがあります。これを最初に口にしたのがベガなので「え? スト2ターボがなんだって?」と反射的に思ってしまうのですが、スト2ターボとは全く関係ありません。ターボタスティックってゲームのターボというキャラが、営業時間中に他のゲームに入り込むという事件を最初に起こした奴なので、その行為をターボすると呼び習わすようになったんですね。ターボは何がしたかったのかといったら、ターボタスティックより新しいレースゲームがゲーセンに入って客を取られたので悔しい、そのゲームに入り込んでターボタスティックを宣伝してやる! みたいな。レース中に脈絡なくターボが横切って「ターボタスティック!」「ターボタスティック!」言うんです。これでターボタスティックにはターボ不在だし新しいレースゲーは変なキャラが出るしで両方故障扱いで滅亡。みたいな前史があるんですがそれより脈絡なく出てきて「ターボタスティック!」「ターボタスティック!」って宣伝するのが言い方も含めて何かシュールで惹きつけるものがありましたね。ああいうの良くない。もっとやれ。
なんか早々にパッケージ化されるようなのでゲーマーは是非。

藁の楯

漫画ビー・バップ・ハイスクールの作者であり映画監督である木内一裕さんが自分で映画化したくて原作として書いた小説を三池監督が映画化! というもの。
幼児拉致監禁殺害の犯人の首に被害者の祖父の大富豪が10億円の賞金を懸けた。犯人は仲間に裏切られて潜伏できなくなって福岡県警に自首する。警察はこの犯人を東京まで送検しないといけないんだけど、その大富豪は裏切った仲間は「未遂」なので1億払うとか表明する。もうみんな犯人を殺したくてたまらない。この犯人はクズだしどうせ死刑になると思うけど、警察としては東京に着く前に殺させるわけにはいかない。そこで警察は犯人に SP を付けました。SP 2人組と、警視庁の警官2人、福岡県警の警官1人の五人チームは、無事東京まで犯人を送り届けることができるのか……と言うか、この五人にも10億円に目がくらんだ奴はいないのか?! というお話。
いやー実はそんなに期待しないで見に行ったんですけど面白かったですね。さすがに色々リアリティとか整合とかはおかしいんですよ。でもこないだ書いたばかりですけどリアリティとかそういうのは作品の面白さに貢献するべきものであってその逆じゃあない。
ただ残念なのは一番面白かったパート、5人組がお互いに「裏切者いるんじゃねーの?」と疑いながらも探しても全然証拠は出てこない、しかも閉所で。というところが結構前半に出てきちゃってそこがピーク感あったのでその後ちょっと間延び感あったんですね。でも、まあ全体としては面白かったのでよし。自分を騙すような真似までして SP の任務を全うしようとする大沢たかおかっこよかった。何か私が映画見ると大沢たかお良く出ている気がするんですよねー。別に気に入っているわけじゃなかったんですが、今回で気に入ったかも。あとクズの犯罪者役の藤原竜也ね。なんか異常犯罪者専門役者感出てきてるんですがその方面ってどうなんでしょうか彼……。今回も濃過ぎるほどの異常犯罪者でした。この役、「こういうクズなんだろうなー」と理解し掛けたと思ったらそうでもない理解できないクズ理解を拒むクズみたいな感じなんですがその得体が知れない感じ良く出てました。
ところで映画見終わってすぐに原作小説買って当日中に読み切ったんですが松島奈々子役の SP 原作では男でびっくりしました。すごいいじり方したな……。

探偵は BAR にいる2

私が探偵は BAR にいるに何を期待しているのかと言えば松田龍平唐変木演技なんです。今回は唐変木ぶりがさらに増してターミネーターの域に達していたので大変満足しました。
あとバットを構えた後懐かしい選手の名前を言ってから人をバットで殴打する恐ろしい人間が出てくるのですが大泉洋がそいつに反撃する時に「てめーは昔の選手ばっかりじゃねーか! 今の北海道の大打者と言えばだなあ!」と言ったので「糸井?!」と思ってしまったので誰か助けてください。大泉洋は「稲葉だろ!」と叫んだけどバットで殴りませんでした。