キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(ネタバレ多少あり)

アベンジャーズを見終わって大変面白かったのでやはり関連作品も見ておかねばなるまいと思いながらも例によってそのままほったらかし気味になっていたのですが、アベンジャーズ好きの方から「どうせなら一緒に見ようよ」と誘われたので見てみました。面白かったです。
キャプテン・アメリカはマーベルのヒーローの中でも優等生、品行方正でちょっと面白みがないよねーみたいな感じで人気抜群とまではいかない、と聞かされていたので、正義のヒーロー!!!! みたいな話なのかなあ、と思っていたんですが、違いました。「敵にナチスを設定しておけば何やっても許されると思っている映画」でした! やばい! 逃げろー!
ボンクラ映画においてナチスが出てくるとまずナチス驚異の科学力ってことでトンデモ新兵器何でも出していいことになりますし、トゥール協会関係でオカルト関係の話も何でもやっていいことになります。今アイアン・スカイって「月からナチスが飛んでくる!」とか言ってる映画やってましてもちろん見に行くつもりですがそれと一部意識を共有している映画でしたキャプテン・アメリカ。ちょうおそろしい。
えー舞台は第二次世界大戦の時代。ナチスの超科学力に対抗するには我がアメリカも超科学で対抗しなければならん! そこでここにナチスから亡命してきたダイジョーブ博士がいます! そしてここに戦意と正義の心だけは人一倍の兵役検査不合格の虚弱児がいます! 科学の力で超絶強化だヒャッハー!
キャプテンアメリカ推参!!
みたいな感じで腹筋に悪い。
もちろん敵はナチスですからプラズマ兵器みたいなのとかエージェントスミス顔の超兵士とかが出てくるのでキャプテンはこれを相手にアイアンマン社長のパパが気まぐれで作った謎金属シールド片手に超科学肉弾バトルを挑むわけです。ほんと頭悪い。最高。
じゃー単純に頭悪い映画なのかなというとそういうことはなくて、第二次世界大戦中にキャプテンアメリカは戦意発揚に随分利用されました。今ではああいうのはあまりよくなかったねみたいに思われているそうですが。この映画ではそれを受けてキャプテンは誕生からしばらく戦時国債を国民に売るための客寄せパンダとして「ナチスを倒そう!」とどさ周りをさせられ、キャプテンが悩むシーンがあります。こうやって作品の自己批判を盛り込むってのはすごいなって思いますし、自己批判ができるようになるほど、世の中の考え方が変わるほど長いこと続いているコンテンツってのもすごい話です。他にはないですよねこういうの……。ところでキャプテンの当時の実態は vs ドイツではなくて vs 日本にだいぶ使われていたみたいです。
んで、ボンクラナチスネタ、自己批判と普通じゃないネタ盛り込んで来たなーキワモノ映画? と思いきやすごくまっとうでかっこいいヒーローものとして話が終わるのでした。なんか終わった後アベンジャーズに繋ぐために変なシーンがありましたがまああれは省いて考えてもいいでしょう。
というわけで色々なテーマを盛り込んだ重厚なヒーローものでした。すごく楽しめましたので、アベンジャーズを見た方、これから見る方は是非ご覧になるといいと思います。