平清盛 第33話「清盛、五十の宴」(8/26放送回)

んんんー! さすがに箸休め回ですかね? なんかいろんな人が踊ってばっかりでしたね。
清盛「それで、誰の五十の祝いなのじゃ?」
主人公が視聴者を代弁しちゃったよ!
マツケン若いからなあ……五十ってこと忘れちゃいますよね。
源頼政会長が「ハピバースデイ! 新しい相国の誕生だよ!!」って言いに来なくてよかった。
今回押さえておくべきことは、以仁王の境遇ですかね?
以仁王後白河上皇の息子なのですが後白河上皇の寵愛は今は滋子にありますので、滋子と関係ない子はかなりどうでもいい。そういう状態のため以仁王は17歳になっても親王宣下を受けていません。親王宣下がないと帝の子供でも親王を名乗れないのでした。ですが、そんなほったらかしの以仁王ですけど、養母が八条院です。八条院鳥羽法皇と美福門院得子の所領を受け継いでいるので財力があります。財力があるということは政治力があるということで、自分が帝になるべきだろ、とゴリゴリ押してくるわけですね。でも親王宣下するか否かは後白河上皇の気分次第なのでやっぱり宣下は降りないと。滋子も当然面白くない。そもそも自分の息子を帝にしたいし。すると兄の時忠になんとかしろーっってなるわけですね。すっごい政治的だこの人。ナリコちゃんより上かも知れない。恐ろしい。
面白かったのは清盛の末の兄弟忠度が乱入(!)してきたシーン。
忠度の恰好があまりにも汚いので(でも高平太って呼ばれてた頃は清盛も汚かったんだよなあ……)、私なんぞは「すわ! 賊スクープハンター!*1」と思ったのですが、もちろんその場に居合わせた平家の皆さんも同じことを思ったようでして、それぞれが見せた反応が面白かったですね。
盛国:刀を構えて清盛をガード
重盛:同じく清盛をガード
宗盛:「父上をお守りせよ!」と叫んでバックステップ
教盛(三盛)・忠清(脳筋コンビ):即座に立ち上がっている
経盛(四盛・文弱):なんか中腰
時忠(チンピラ):座ったまま
宗盛さん……。経盛もいいですね。緊急事態には何か腰が据わってない。据わり過ぎてるのは時忠。なんなんだ。逃げる気すらないのか。こいつがあまりのことに無反応だったとかありえないしなあ……。
忠度「怪しいもんじゃないっす! 清盛の兄上の末の弟の忠度っす!」
「「「忠度?」」」
忠度「ええーご存知ないの?」
面白すぎますこの人!
忠度「いやー作法が分からず、飛び込んでしもうたのじゃ!」(ホーホケキョ)
わかんなくても飛び込まないでください! あとホーホケキョじゃないよ!
この頃の結婚というのは通い婚といって旦那が奥さんの所へ通ってそこで生まれた子は奥さんの家で育てるみたいなのがあって、そのせいでお互いを知らないみたいなこともよくあったそうです。だから兄弟と言われてもしっくりこないので兄弟は他人の始まり的に義朝が弟を殺害させたみたいなこともわりと簡単に起こるわけですね。
というわけで自己紹介タイム。
盛国「教盛様にござります」
教盛(三盛)「教盛じゃ!」
忠度「おぉ! 教盛の兄上! 噂に違わぬ豪傑とお見受けいたします!」
教盛「おぉー!」(すごく嬉しそう)
時忠「だが、文才はまるでなしとの噂はござりませぬか?」
教盛「おい!!」(時忠に食ってかかろうとする教盛を経盛が止める)
盛国「北の方様の弟君、時忠様にござりまする」(時忠、ニヤッと笑って頭を下げる)
盛国「口の悪さは天下一品」
時忠「そう褒めるな〜」(さらにニヤニヤ)
盛国「褒めてはおりませぬ」(全然取り合わない)
エブリタイム時忠だけ煽る盛国!
経盛(四盛)(盛国の方をうかがいながら)「あの……」
盛国「ご心配なく。此度は見えておりまする。経盛様にござりまする」
経盛「経盛にござる」(ニコリ)
時忠「経盛殿は文には長けるが武に弱く、教盛殿は武には優れているが文は劣る。すなわち二人合わせてようやく一人前のご兄弟にござる」
即座に天下一品を披露する時忠!
盛国「とーきーたーだーさーま!」(時忠を睨む教盛、ニヤニヤしたままの時忠)
経盛「まことのことゆえ……言い返せぬ」(ニッコリ)
教盛「認めてどうするのじゃーー!!」
ちょーうける。
この後も時忠は和歌対決に経盛を推して「経盛様がかように目立つ機会は、そう訪れませぬぞ!」とか言いますしねほんとひどい。
ひどいと言えば藤原兄弟ね。
清盛の誕生日パーティに呼ばれてもないのに手ぶらでやってきて、嫌味を言ってもてなされて、やばいお土産持ってきてないしって舞ったらなぜかダンス対決になって和歌対決になって、何か賊みたいなのに恋唄で押されまくって負け惜しみを言ったら、清盛が「この発想はなかったわ」的神社の完成予想図を出されちゃったらもう嫌味も言う気も失せちゃって退却とかもうね。パーティに来る前には家電貴族は「近頃の、平家の振る舞いは、目に、余る」とかマジキモい感じで言って気合入れて来たのにもーね。細川さんキモ演技ノリノリすぎてやばい。鍛えてないとこうなっちゃうのか。パパも叔父さん(悪左府)もシュッとした演技でキモくなかったのに。と思ったけど悪左府はサービスシーンでキモかったね。何がサービスだ。バトルシーンはどっちが優勢なのかは台詞で補ってもよかったかも。家電貴族が涙目だったからわかりはしましたけどね。
忠度が和歌の名手っていうのはその通りだったようで、勅撰和歌集に11首も歌が入ってますね。あとどうでもいいんですけどこの忠度が薩摩守だったので無賃乗車のことを薩摩守と呼ぶようになりました。薩摩守たいらのタダ乗りってわけ。
最後に清盛の扇と夕日のシーンは、大輪田泊建設中に、作業してるのに日が沈んでしまいそうになったため清盛が扇で招くとまた夕日が登ってきて作業続行できましたという伝説をモチーフにしていますね。
もちろんそんなことはありえないので、清盛の扇の動きと雲の動きがちょうどシンクロしてそんな感じに見えないこともないかなー目の錯覚だね? みたいな作りでしたけど、東国で清盛が超やばいと思われているようにこの動作もだんだん話が大きくなってそういう伝説が作られちゃったのかなーみたいな描写になってて面白かったですね。
この時の清盛に時子と盛国が「もはや日が暮れますから」「足元が危ないですよ」と注意するんですけどこれで私ははっと我に返って。「ここが平家の絶頂期なのか? このあとやばいのか?」と思わされましたね。そこでよく考えるとここには頼盛がいないんですよ。ということはここで浮かれている者たちだけが……おお怖い!
ということで予想通り清盛がダウンしてまた来週。
そっかーまた来週かーって思ったところで今週は頼朝がナレーションしてない。あっそうかあいつ激鬱モードだからナレ朝やってられないのか……芸が細かいな! と思いました。

*1:歴史再現ドラマのタイムスクープハンターでやたら賊が幅を利かすのでこういう風に呼んでました。というか NHK の歴史ドラマはなんか賊が強くて去年やってたアレとかも城の本丸御殿的なところまで地侍だか賊だかわかんないのが侵入しててどこまで賊すごいんだよと思ってました