バーチャロントークイベントに行ってきました

12/26に新宿ロフトプラスワンにて開催されたバーチャロントークイベントに行ってきました。
我らチャロナーの神であられる Dr.ワタリ(職業:ハートキャッチプリキュア好き)を生で! 見られる! となれば一も二もありません。とにかく行ってまいりました。
会場に着いてびっくりしたのは女性が多い! ということ。えーちょっと待って私 VO の女性プレイヤーとか10人も知らない。実はこんなに女性人口の多いゲームだったのか! と驚いたのですが、まあこの種明かしは後ほど。
会場では当日限定のカクテル「ビビッド・ハート」とソフトドリンクの「シンデレラ・ハート」が販売されていました。ビビッド・ハートはこちら→http://twitpic.com/3jr01s シンデレラハートはメロンソーダだった模様。
フォースの攻略本が先行販売されていたので、購入して読みながら開始を待っていたのですが、まあそもそもこのゲームの情報を網羅するなんて無理だしこんなもんですよね、という感じでした。ただ、ゲージの消費量が明記されているのは良いかも。回復速度の記述はないですけど、消費量だけでも単発しかできないのか、2、3連射できるのかぐらいはわかりますからね。

まず司会の人が現れて、続けて Dr.ワタリが入場。当然、会場は割れんばかりの拍手に包まれますがあれ。かぶりつき席に多数いらっしゃる女性客が静か……というか無反応。えっチャロナーでワタリ知らない人なんているのかしら? いやいるか、そういう人もいるよな。でもそういう人はこういうところに来るかしら? と早速混乱したのでした。
ロフトプラスワンは基本居酒屋なので、Dr.ワタリがビールを頼んでから開幕。以下発言全般は私の記憶とメモが頼りのいつもの超訳でお送りします。
司会「どうしてワタリさんはバーチャロン、ロボットゲームを作ろうと思われたんですか?」
あれっその質問になっちゃう? その質問になっちゃうんですか……。そういうのは例えば PS2 OMG の説明書のふりをした謎のブックレットとか、フォース限定版のバーチャロンクロニクルとか各種インタビューとかで散々答えているのでバーチャロンと Dr.ワタリに興味がある人はみんな知ってる話題だと思うんですけどね……。
ワタリ「実は全然ロボットゲーとか作りたいとは思ってなかったんですけど」
ワーオショッキング発言! と同時に、これまでは Dr.ワタリが言ってこなかったことですね。こんな調子で、みんなが知ってそうな質問に関して Dr.ワタリは微妙に従来とは違う返事を返してくれたのでそんなに「司会ェ……」とならずに済みました。まあ、以前の発言を覚えていらっしゃらなかっただけかも知れませんが……。
Dr.ワタリ「いやロボットとか嫌いとかそういうわけでもなくって。ただ、ゲーム開発者ってみんなロボット大好きでロボットのゲームを作ろうとするんですが、うまく行かなくて会社を辞めてしまうとか、そういうのがあったんですよ。ただそんな中でポリゴンが生まれましてね」
司会「そんな自然発生的にw」
Dr.ワタリ「バーチャファイターとか鉄拳とか。当時は粗いポリゴンで一生懸命人間を表現しようとしていましたけど、でもあの直線的な感じは人間じゃなくてメカだろうと。こういう表現手段が出てきたからにはそろそろメカ、ロボゲーもいいだろうと思ったんですよ」
バーチャロンを初めて見た時に持った感想が「そうか、ポリゴンはロボットを描くためにあったんだ!」というものだった私は赤べこのごとく首を上下にスイングですよ。
Dr.ワタリ「ですが、当時は社内にロボットはダメという風習があって。ガンダムとか言うと『お前オタクか!』みたいに言われて、殺されるかと思いました」
この辺は PS2 OMG の説明書のふりをしたブックレットに詳しいですね。大変よろしい出来ですので、お持ちでない方は買いましょう今すぐ!

SEGA AGES 2500シリーズ Vol.31 電脳戦機バーチャロン

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Dr.ワタリ「ですがこのポリゴンもすぐにコモディティ化して、ガンダムとかのポリゴンゲームとかも出るようになるでしょうから、ここでセガが動かなければならないと思いました。セガならではのゲームを今出さないと、と思いまして」
で、この後の流れも PS2 OMG の説明書のふりをしたブックレットに詳しいのですが、簡単に補足します。セガでは毎年毎年ロボゲーを作ろうと意気込んで入社してくる若者が後を絶たなかったのですが、セガには「ロボゲーはダメ、ポシャる」という意識があり、企画が上申されるたびに却下されてきたのですが、あまりに若者が挫けない。そこで「ロボゲーはダメであることをわからせるため、最初から失敗させるためのプロジェクト」としてバーチャロンの企画は通り、Dr.ワタリらが開発に着手することになったのでした。
Dr.ワタリ「開発中は大変でした。当時のセガは偉い人と私たちとの距離が非常に近い会社で、徹夜明けとかにパンツ一丁で休憩室にいると」
司会「えっ! パンツ一丁ですか!?」
Dr.ワタリ「パンツ一丁です」
司会「なぜパンツ一丁で……」
Dr.ワタリ「徹夜明けは解放されたいというか何というか……」
Dr.ワタリはついったーもやっているのですけど、それによると部屋に暖房器具はお持ちでないそうです。なのに12月にもなってから「そろそろ部屋でパンツ一丁でいるのは寒くなってきたな」みたいな発言が来るので恐ろしいです。なんでも、暖房には頼らずカロリーの高い物を食べて、燃料を燃やすように体の中から暖めるのだ、とか。
Dr.ワタリ「で、そうしていると常務が休憩室に現れて『ワタリ君一本どうだい』とセブンスターをくれるんですけど、それはそうとして『バーチャロンは開発を今すぐやめろ』と来るんですよ」
Dr.ワタリ「他にも朝みんなが出社してきて開発をしているところにバーンって常務が入ってきて『何だお前らまだやってるのか! 今すぐやめろ! ワタリ君はどこだ!』と騒いだりして。で、その時大体私は遅刻してくるので、後からメンバーに『ワタリさんがいないから僕らが怒鳴られちゃいましたよ』と愚痴られて、その後常務のところへ行って怒鳴られて。大変でした」
司会「なぜ、カトキハジメさんにデザインを依頼されたのですか?」
Dr.ワタリ「当時のセガにはメカを描けるデザイナーがいなくてですね……。カプコンさんとかはカッコいいキャラクターを描けるデザイナーさんを自前で抱えていてすごいのですが、セガにはいなかった。社内で作ったロボットの仮デザインはフォース特典のクロニクルに載っているのですが、まあ頑張っているのですがお金を取れるレベルには達していなかったんです。そもそも、1キャラにつき350ポリゴンしか使えないという制限もありました。そこで外部の方に頼むしかないということになりました。上に無断で」
Dr.ワタリ「そこで、色々なロボットものを見たのですが、当時やってた V ガンダム。これは、まあつまんないのですが」
騒然となる会場。非難めいたものというよりは「えーそういうこと言ってしまうの、当時のトミノと対談したのに!」といった感じと受け止めました
Dr.ワタリ「や、つまんないというのは制作側の色々なセクションが見ている方向がバラバラでそれぞれがやろうとしていることが食い違っていてまとまらない感じになってしまっている、ということなんですけどね」
Dr.ワタリ「そういう制作環境の中で、当然作画などにも大幅な制限が掛かっているだろう中で、それでも最低限見映えがするように工夫してデザインしている、というものを V ガンダムのメカには感じたんですよ。この人なら、350ポリゴンの制限の中でもかっこいいロボットをデザインしてくれると思った。で、このデザイナーは誰? と調べたらカトキさんだったんです」
司会「バーチャロンのロボットって、いわゆるリアル系ですよね。どうしてそうなったんですか?」
Dr.ワタリ「そのリアル系っていうのがどうもね……。そもそも、巨大ロボットがドンパチする時点で荒唐無稽じゃないですか。それなのにリアルとか言っちゃうのはちょっとねえ……。量産型とか(笑)」
Dr.ワタリ「私が最初に見たガンダムって『ククルス・ドアンの島』なんですよ。友達から『すごいアニメが始まったぞ』と聞かされて、見てみたら『ククルス・ドアンの島』。『これのどこがすごいんだ……?』と思って、何度もチャンネルが間違っていないか確認しました(笑)。これからもわかるように、ガンダムだって荒唐無稽なんです。リアル系とみんなが言っているのは、本当は荒唐無稽なものに対して、特定の文法に従ってエッセンスを注入したものであって、別に全然リアルじゃないです。そういう、富野さんが生んだごまかしは好きじゃないですね。富野さんは好きですけど」
司会「じゃあ G ガンダムとかはダメなんですか?」
Dr.ワタリ「あれは荒唐無稽であることを自覚しているからいいんですよ。問題は荒唐無稽なのにリアルと名乗ることです。で、バーチャロンを作るにあたってスーパーとリアルとどっちがいいか? という話になったんですが、みんなリアルの方が好きでしょ? ニュータイプとか(笑)。それで、バーチャロンはああなりました」
司会「移植作業を手がけられたムラヤマさんにおうかがいします。フォースを移植する上で苦労したことは何ですか?」
ムラヤマさん「えっとですねえ、以前の資料がまったくなくって」
司会「ええっ!?」
Dr.ワタリ「バーチャロンには企画書が存在しないんです」
司会「えええっ!?」
ムラヤマさん「ですので、実際の様々なパラメータは実機の基板の中、ということでして。実機を見ながら進めなければならなかったんです」
Dr.ワタリ「あんまりそんなこと言うとバランス違うって言われるぞ(笑)」
いやいやいやいやいや
ムラヤマさん「その実機も全然手に入らなくて。ようやく沖縄から送ってもらえることになって。届いた実機はところどころ錆びていて。わからないことがあったらプレイして見比べて……みたいな作業でした」
司会「それじゃあ沖縄にその実機がなかったら」
ムラヤマさん「移植はできなかったでしょうね」
どんだけ綱渡りプロジェクトなんですか!! あとなんか Dan のミサイルやエンジェランシリーズの CW が強化されているような気がしたり、ライデンのレーザーがターボでも中央を抜けられてしまったり、スペシネフ戦の斧がなんか強化されていたのはこのせいですか!
司会「ワタリさんは開発中大変だったことは?」
Dr.ワタリ「ええっとですねえ、偉い人は好き勝手言うんですよ。開発中にふらっとやってきては『PS3でやんないの?』とかね……(笑)」
司会「上司とのバトルが大変だったと!」
Dr.ワタリ「それが一番大変な作業でしたね(笑)」
司会「第1部最後に、続編についてのコメントをお願いします」
Dr.ワタリ「バーチャロンは、以前のバーチャロンを触って感じてもらえたようなワクワクする未来感、それを与えられなければならないと思っています。そういうのができるというタイミングがあり、新作はそれを待っている状態です。それができないのならバーチャロンが出る意味はないと思っていますし、それができるなら上司がわけわからないこと言ったとしても、万難を排して何が何でもやるつもりです」
で、この後は第2部。このトークイベントを企画した4gamers が擁するラジオの公開収録ということで、イケメンな声優さんとギャングみたいな人が入ってきました。Dr.ワタリ入場時真空状態だった最前列から一斉にあがる黄色い声! これか! 妙に多いなと思った女性客の大半はこの2人を待っていたのですね!
でまあ、このイケメン声優の岡本さん? とギャングの梶田さんが、フォースに挑戦するという趣向でラジオの公開録音をしていました。岡本さんも梶田さんも「小さい頃はゲーセン行ったらバーチャロンでした」と言っていましたが、岡本さんは障害物も挟んでいない相手にジャンプして RW という超技を披露していたので、まあ経験者の動きではないですね。というか、バーチャロンを初めて触った人ってみんなジャンプして攻撃するんですよ!! 私もそうでした。ま、そこはリップサービス当然で。「やったことないです」とか本当でもあんまり言うべきことではないですし。我々も大人ですから岡本さんが近接当てたら歓声あげますし。場をしらけさせても誰も幸せになりませんし。
しかし、そんな有様なのに2回目の挑戦で3面をクリアできたのはなかなかすごいかも。フォースは前作までで鳴らした人も2面で殺す鬼畜ゲームでしたからに。って難易度調節していた気もしてきた。それでもまあすごいかな。これで岡本さんがバーチャロンを気に入ってくれればいいですけど。
梶田さんの方はフェイ VH を使って、こっちはちゃんとバーチャロンの動きでした。「メカおっぱい万歳!」とか叫んだり岡本さんにねっとり絡んだりして全方位にサービス満点でした。
第2部最後はムラヤマさんvs Dr.ワタリだったんですけど、Dr.ワタリは我々から見える部分のみで既にビール5杯行っていたわけなんですけどそれが原因で……というレベルですらなくムラヤマさんに負けてました。
Dr.ワタリ「スタートボタンどこ?」
Dr.ワタリ「ひどいなあムラヤマさんは」
せめてロックオンしてから攻撃しましょうよ!!!!!!
第3部はセガのあちこちに眠る出所不明なものも含む販促グッズ中心のプレゼント大会でした。オラタン CD に付いてきたステッカーとか、DC オラタンの販促用のカードとか、MARZ のサントラとか、秋葉原 GIGO に貼られているフォースのテムジン等身大ポスターの一部(!)とか。
それでまあ……。
ラジオの公開録音ね……。まあバーチャロンと関係なかったですよね……。バーチャロントークイベントなのに Dr.ワタリが出てきて「誰この人」という視線を受けるとかぶっちゃけありえないでしょう。
これは当然岡本さんとか梶田さんとかが悪いわけでもなく、このお二方を目当てに来た女性客が悪いわけでもなく、企画が悪いですよ。バーチャロンのイベントと銘打ったのですから、バーチャロンに集中してくださいよ。Dr.ワタリがイベント後、ついったーに「言い足りないこともあったけどー」と投稿したのですから尚更です。
4gamerの人が「バーチャロンの話聞きに来た人と公開録音聞きに来た人で真っ二つに分かれちゃったらどうしようかと心配したんですけど盛り上がってくれて良かったです」とか最後に言ったところを見ると予見できていたようなので尚更文句を言いたくなります。ちゃんと心配したとおりになってましたよ。バーチャロンの話を聞きに来たような連中は高齢ですから場をしらけさせるのもどうかなーって感じで公開録音中も近接命中とかで歓声あげてたりしましたけど、女性客の方々は Dr.ワタリの登場に際して真空状態だったじゃないですか。
バーチャロンだけでは集客が不安だった、というのならまあ理解はしますけど、それもバーチャロン舐めすぎというか……。
是非、次回はバーチャロンこってりのイベントをお願いします。
ところで、今回のイベントはバーチャロングッズを持っていくことによりワンドリンク無料だったのですが、そこで同行した id:tundratiger さんがバーチャロンマーズを持っていったのは痛烈すぎる皮肉って感じでしびれました! あれは本編ではなくてグッズに過ぎないということなのかーッ!? ちなみに、私はマーズもまあまあ好きです。だってバーチャロンでストーリーが語られたのあれだけじゃないですか。あと、私はオラタンとフォースの全国大会決勝の様子が収録された DVD を持参しておりました。