ワインをおいしくするマドラー

同社によると、赤外線放射率が高く、吸着性に優れているなどの機能があり、ワインに数秒間浸すと香りやタンニンなどの成分に作用。赤ワインは渋みを抑えてまろやかな風味になるという。日本酒やウイスキー、梅酒などにも効果があり、やわらかい口当たりになる、と同社は説明する。

数秒間浸すだけ「熟成の風味」

でこのマドラーが鉛製だったりしてな。

酢酸鉛(II)
甘い味を持つため、歴史的に催淫剤として用いられていた。古代ローマにおいては、蜂蜜以外に手に入る甘味料は少なく、ブドウの果汁(マスト)を鉛の容器で煮ることによって得られるサパ(sapa) と呼ばれるシロップが甘味料として好んで作られていた。このシロップは当時、ワインの甘み付けや果物の保存に一般的に使われていた。しかしながら、これには酢酸鉛などの鉛化合物が含まれるため、それを飲んだ者が鉛中毒となっていた可能性が否定できず、古代ローマの記録に残る有名な人物の発狂や死の原因ともなったと考える研究者がいる。

実際に、例えばかの作曲家ベートーヴェンが、その晩年にはほぼ耳が聴こえなくなってしまった原因として、近年の研究では鉛中毒が有力説とされている。それは、ワインを非常に愛飲していたベートーヴェンの毛髪から、通常の100倍近い大量の鉛が検出されたからであった。当時のヨーロッパにおいて、ワインの醸造過程の中では、やはり甘味料として酢酸鉛を含むサパなどの鉛化合物類が加えられており、鉛中毒は、ひとつに難聴をも引き起こすとされている(詳しくは「ベートーヴェン」の節「人物」を参照)。