疾きこと風の如く

コミケの原稿がどうとか言って忙しく、風林火山が終了したのにあんまり色々書けずにいたのでコミケからさっさと帰ってきて入手した風林火山の本を読みながら録画した風林火山を見つつ色々書きますよ。

全体について

別に私山城新伍じゃないですのでジャニーズ関係の人が大河ドラマに出てくるだけで批判したりするつもりはないです。大体「新選組!」喜んで見てましたからね。
私が思うに風林火山が良かったのは「綺麗じゃないところ」ですね。まず序盤の勘助がほんとに小汚い。やっぱ戦国時代ですからその辺の庶民が身奇麗にしてるはずがないんですよ。そのあたりをきちんとやっているところが良かった。ジャニーズ系の主人公だと多分あそこまで小汚い感じにはできないんじゃないかなあと。
で、勘助が汚ねえなあと思ってたらいきなり「戦の時は普段農民やってるのが兵になって乱取りします。食料とか奪うし好き放題やっちゃいます」とか言い出すじゃないですか。
はーこれは綺麗な方へ綺麗な方へ誤魔化すことはしないで汚いもの*1は汚いまま描いてやるぜという意思表明だなと思いやや襟を正して見ることにしたのです。
そうしたらもう勘助が見た目だけでなくて内面も詭計野郎じゃないですか。赤部も青木も正々堂々とはほど遠い詭計でぶち殺した上にハルちゃんに仕官しようというところも詭計、詭計詭計詭計で周囲から嫌われまくったり。そういうところが良かったですね。大河ドラマって主人公が正しいのだーみたいな感じで捻じ曲げられることがたびたびあるじゃないですか。滝田栄の『徳川家康』とかは家康は秀頼を殺すつもりはなかったのに部下が勝手に殺しただか保護する前に自害しちゃったとかそんな風な話になっていたので、2〜3年前にやってた総集編見て噴いたんですけど、まあとにかくそういうのが多い。『秀吉』も耄碌する前に終わっちゃいましたし。そういうのがダメだとは勿論言いませんが、そういう大河が多い中、この風林火山は、私には新鮮に、興味深く見えたのでした。

*1:見た目でも精神的なものでも