徐かなること林の如く

勘助について

何て言うんですか、勘助から漂う中ボス臭が何とも言えず良かったというか。中ボスというのはちょっと違うかなあ、三下だともっと違うし、三国志がわかる方なら郭図っぽいと言えばわかりますでしょうか。「一流」じゃないんですよ。だから勘助の策略は赤部や青木のような三下や信濃の小大名相手にはバカスカ決まりましたけどブラジル北条や、雪斎健在時の義元*1、そして越後衆にはさっぱり通じませんでした。手元の信長の野望DSでは山本勘助の智謀が84となっていますが風林火山勘助はもうちょっと低くて76〜80ぐらいかなという感じ。
普通の大河とかですと主人公修正が入ってパワーアップして色々成功させちゃって、それを見て信長の野望の方がステータスを上方修正させたりする感じなんですけどむしろ風林火山勘助に関しては光栄が信長の野望の勘助のステータス下げそうなくらいの雰囲気。しかも正々堂々やって負けるとかじゃなくて結構姑息な手を使ったりするのに失敗みたいな感じでほんと容赦ない。
じゃあ勘助はどうしようもない三下なのかというと、さにあらず。詭計ばっかり弄していたりしますけど心は熱い奴だったりしますし、孫子の影響だけかもしれませんが無用な流血は避けようとするし、人への思いやりだってないわけじゃない。その辺を最初にわかってやれたのがミツやんだったわけですが、しかし勘助は自分がどこぞに仕官する夢を捨てられずに十何年も浪々としていた身であり、どこかまともじゃないという自覚を持っていたので素直に応えられない、みたいなところも良かったです。
で、喜怒哀楽が激しい。まあ、これは内野氏の演技過剰の為せる業かもしれませんがまあ見てるだけで面白いですな。あと中盤以降勘助の服がどんどん豪華になって爺さんになっていってるはずなのに肩幅はどんどん広くなって武力もバシバシ上がっているような錯覚にとらわれました。
浪人時代、真田さんの所に居た頃に、「敵をどう迎撃するか」と問われて「まず、兵を四手に分けます」と大変机上の空論というか、馬謖っぽい戦術を披露してくれて「ダメだこいつ……早くなんとかしないと」と思わせておいて、中盤信濃平定では大活躍。おお、馬謖系脱出か……と思わせておきながら最後の最後川中島では啄木鳥戦法なる馬謖系戦術もいいところの計を進言して失敗して戦死ですからね。三つ子の魂百まで。郭図はは所詮郭図。だが、それがいい

ミツやんについて

風林火山のメインヒロインはミツやんですよ! 最終回最後の台詞がミツやんだったからわかる!
……というか若いのに凄く芸達者な俳優さんですね。この人も表情が勘助同様くるくる変わって見ているだけで楽しかったものです。ちりとてちんも時々ではありますが面白く見ていますよ。良くこんな人見つけてくるなあ。でも「そうそうにいさん」と聞くと「曹操兄さん」としか脳内変換されず、お前ら曹洪曹仁かと思ってしまうのでいまいちうまくありません。

*1:黒坊主がいなくなってからは通じちゃった