リーンの翼について

一晩寝たらわりと頭の中で整理がつきました。結局、サコミズ王のお話ですね。
エイサップとリュクスの話として考えると、色々投げっぱなしの部分も多く、また脇に押しやられ過ぎ感がありますが、サコミズ王のお話として考えると、実にすっきりした構図。
サコミズ王の声優さんは演技が上手というか、それぞれの回でサコミズ王は別の面を見せますよね。それがきっちり表現されている。素晴らしい。
例えば2話では威厳ある王であり、また一方後添えを娶ったけれども自分には娘しか居ない、で世継ぎに悩む王。
3話で地上人をもてなす態度は理性的で、そして技術者としての面も見せ、さらに自分の野望も語るという、ショット=ウェポンであり、ドレイク=ルフトであり、聖戦士であるという稀代の傑物である面を見せます。
というか今書いててサコミズ王は偉大すぎると思った。そんなの勝てないよ。だから、ああいう話の展開になったのでしょうけど。
で、4話では自分の目的達成のためなら手段も選ばぬという卑劣で横暴、かつ姑息な面を見せつつも、一方でリュクスがリーンの翼を顕現させたことに焦りをおぼえ、5〜6話ではギンガナムの御大将ですからね。
いや、サコミズ王はギンガナムの御大将とは異なり、ちゃんと背負ったものが、背負ってしまったものがあるわけですけど、それが伝わらない、理解できない人には御大将と変わらないでしょう。私は多分ちゃんとわかってない。ギンガナムの御大将と同一とは思わないけど。
これだけ怨念や妄執が強く、しかも偉大で有能なキャラが出てしまったら、そりゃあ主人公も食われますよね。無理もない。一応エイサップもちゃんと成長しているようだけど、もうその程度の成長なんてこの妄念の前では問題にもならない。
結局、ハイパー化して日本を水爆から守って散ったサコミズ王。特攻して死に損ない、結局は常に死に場所を探していた彼としては、それなりに満足のいく死に方だったのではないでしょうか。
あ、サコミズ王の話しかしてないや。まあサコミズ王の話だからそれでもいいよね。
賛否両論の最後のシーンは「ひどい」とか「エイサップに辛過ぎるだろう」とかは思いませんでした。ただ、単に「ああ、あ……そうか、そうなんだ……」とだけ思いました。綺麗なラストだったと思います。