ビーム fellows! Vol.2 読みました

メイドと聞いても私ときたら眉ひとつ動かさないどころか逆に眉を顰める感じでマスコミが期待するオタク像から外れてしまっている私ですが、その私が唯一「良し」とするメイドものが『エマ』森薫氏が描く『シャーリー』です。
『シャーリー』は良家のお嬢さまなのにパブを経営しているベネットさんのところへ転がり込んできた働き者のメイド、シャーリーのお話なんですが、これがなんだ、その巷にあふれているメイドのイメージとは異なり、ちゃんと家事をきっちりこなすメイドのお話なのでうるさ方な私も気に入っております。
で、その『シャーリー』が、ビーム fellows に掲載されるというので、早速購入しようと思ったのですが、このビーム fellows が2冊同時発行され、掲載される『シャーリー』が2話だというので2冊にバラして掲載されるのだろうと思い悲観していたのです。が、本屋で実物を見てみたら2話とも vol.1 に掲載されていました。私は市場の悪意に慣らされ過ぎです。O村さんはそんな外道ではありませんでした。すみません。
今単行本化されている『シャーリー』は、氏が『エマ』を描き始める前、同人誌として発表されたものを収録したものなので、その頃よりも一層磨かれた現在の技量をもって描かれていたので満足度は非常に高かったです。自信を持っておすすめできます。
で。
折角なので他の漫画も読んでみたのですが、私のような漫画読みスキルが高くない奴にはちょっと難しいものが多いかも。『くうねるところにすむところ』『聞こえてくる歌』『嵯峨野の月影』『ヒマワリ、走る』はそれぞれにそれぞれの隙がある感じですが、結構好きです。
中でも巻末に載っていた『剣姫』という作品が一番気に入りました。女だてらに剣の道を志し、家を出奔して江戸へ向かう男装の剣士秋川鈴のお話なのですが、ってまた時代ものか!
これは続編ということなのですが、前作を読んでいないことは特に問題となりませんでした。古き良き時代の漫画という感じがします。使われている技法は伝統的なもので、絵柄もキラキラしたものではない*1のですが、コマ割りや話の緩急にメリハリがあってしっかりと読ませます。終わり方も何とも言えない余韻を感じさせますし、これはいい! バックナンバーを何とか取り寄せて前作を読んでみようと思います。

コミックビーム Fellows! Vol.2 (ビームコミックス)

コミックビーム Fellows! Vol.2 (ビームコミックス)

*1:何か悪人のおっさんだけやたら気合入れて描かれてるような気がする