ドラゴンクエストモンスターズ+

作者はケロロ軍曹などでおなじみ吉崎観音氏です。ちなみに私は妹が昔ケロロ軍曹を集めていたのでパラパラ読んだ程度でしかありません。
実は私ドラゴンクエストモンスターズですらプレイしたことはなく、それでは何でこの漫画に興味を持ったのかというと今となってはどこかは忘れたのですがどこかのサイトに4巻の一部分がアップロードされていたのですね。
で、そこではローレシアの王子バズズと一騎討ちしていたのですが、バズズの攻撃がいくらまともにヒットしてもローレシアの王子にはさしたダメージを与えられません。

「なんでその程度なんだ! どうして僕を他の人間のように殺せない!?」
「僕は人間じゃないってのか! お前たち以上の化け物なのか!?」
「答えてくれよバズズ! 僕はなんだ!?」
「……ああ そうさ お前は化け物だ」
「貴様がシドーを倒した後に……俺はほんのわずかな闇をこの世に残した」
「シドーが倒されたという事は 『シドーより"力"を持つ者が現れたってことじゃないのかね』……とな」
「……それだけよ あとは勝手に人間どもがやった事だ 俺は知らん!」

こういうのに弱いんですよ。というわけで早速全巻購入しました。ネタバレ含みますので続きを書く記法を使います。
ドラゴンクエストモンスターズというのは主人公がモンスターを従えて戦うゲーム……のようです(よく知らない)。その世界でモンスターと使役者*1間の信頼が重要なのですが、この漫画の主人公クリオは新米のモンスターマスターなために仲間にしたスライムを馬鹿にしてしまったりして信頼関係が築けません……というところから始まって、いくつかの困難を乗り越えていくうちに誰よりも仲間を信頼し力を引き出させることができるモンスターマスターになって行きます。と、ここまではまあ普通の少年漫画の展開。途中でドラゴンクエスト1の世界に迷い込んだ時にはモンスターと一緒に勇者に作戦指示をしたりして。その後に迷い込んだのはドラゴンクエスト2……から数百年後の世界。ローレシアの王子も何故かこの時代に迷い込んでいました。
上で引用した部分から分かるように王子はシドーを倒した後周囲の人間から白眼視され故郷を捨てて旅立ちました。その旅の中で人に道を尋ねたところ、ローレシアの国は数百年前に王子が行方不明となって滅亡したというのでした。
変わらず存在しつづけるはずだったものが変わってしまい、自分たちが変えたはずのロンダルキアはまた風雪に閉ざされ変わらないまま存在していたのです。そこから邪悪なものを感じた王子はロンダルキアに向かい、全滅寸前のクリオのパーティと出会うのでした。
しばらくクリオのパーティとと王子は共闘するのですが、あのハーゴン城の幻によってクリオ達と王子ははぐれてしまいます。
そして王子はバズズとご対面。邪配合という技術により強化されていたバズズですが、王子は殴られても平気、イオナズンからもほとんどダメージは受けず、逆に素手バズズの腕を引きちぎるような始末。
そこで冒頭で引用したようなやり取りがあり、人間に絶望した王子は戦闘意欲を失い、バズズの隠し技メラ、ギラ、バギ、ヒャドの複合攻撃に倒れてしまうのでした。
しかし、そこへ駆けつけたのがサマルトリアの王子ムーンブルクの王女。邪配合によりシドーを吸収して4本となったバズズの腕をすべて切り落として「俺の剣は破壊の風を2度起こす」と。裏技だ! はかぶさのけんだ!
「お前が化物だって? 笑わせんな」
「俺たちは3人そろって 世界最強の化物(モンスターズ)になるんだぜ」
これでローレシアの王子は勇気百倍アンパンマンでありバズズをぶち倒してクリオ達も世界の歪みの原因を倒してめでたしめでたしなのですがどうもそのあと打ち切りになってしまったようで、本来主人公が乗り越えるべき相手だったテリー*2相見えるまえにお話は終了。これは結構残念。ドラクエ3の世界にも迷い込んで色々展開するのかなと思っただけに。
というわけで私がほとんどドラクエ2の部分にしか興味を向けていないのが良く分かる書き方でしたが、根本は王道の少年漫画しながらアクセントが効いていて面白く読めました。もっとも、以前プレイしたゲームのキャラが登場するといったところに一番興味を引かれたわけですけど。というわけで、特にドラクエ2に思い入れが強い方におすすめ。3〜5巻がローレシアの王子の出番です。

*1:モンスターマスター

*2:ドラクエ6のキャラで、ドラゴンクエストモンスターズの主人公