GOEMON 見てきました

1日に見たんですが、何か3週間もたっちゃいましたね。
石川五右衛門を扱った映画ということで基本戦国時代なわけですからちょいと興味があったのです。
それであの「CASSHERN」の紀里谷監督でしょう? もうどう考えても猛烈な偽日本というか超展開というか真面目な戦国ファンが怒る映画としか思えないですよね。面白いかどうかはともかくとして。結構ともかくとして。というかわりと諦める傾向で。だって公開開始が5/1でしょう? それって映画の日でしょう? お一人様1000円ポッキリでしょう? つまり1000円でこの映画を見てくれってメッセージですよね。イコール1000円なら叱られないですむんじゃないかなあと言う弱腰? 謙虚なナイト分? そういうのを感じたので早速見て参りました。
開始30秒から純度100%混じりっけ無しの完璧なイミテイト日本でした! ここまでやると天晴れ! 秀吉の城とか明らかに FF のラスボスとか居そうな城ですし、信長の城は天空城とかそんな感じ。そう、秀吉の方が悪者なのです。神経質で傍若無人で魔王な信長はここには居ません。わりと話のわかるやつです。一方秀吉は魔王です。どんな感じかというと朝鮮出兵を止めた千利休の首をフルーツ盛りの真ん中に乗っけて諸将の前に出しちゃうとかそんな感じ。
一応、ネタバレなんで以降はたたみます。
で、主人公の石川五右衛門は忠実な信長の家来の忍者だったんですけど、信長が本能寺で死んでしまったので野に下って、義賊をやってました。一方同期の霧隠才蔵は侍になるため石田三成に臣従すると言って去っていきました。でもこの映画を見る限り忍者って時速40キロダッシュはできるし100メートルジャンプはできるし侍にならなくても高禄で抱えてもらえそうなんですけどどうなんですかね。
さて、この石田三成仮面ライダー要潤なのですが、ドチンピラで秀吉なんか速攻ぶっ殺して自分が天下取りたいなーとか思ってるやつなんです。紀伊国屋文左衛門の蔵に秀吉をぶっ倒すための手がかりがあると聞いて番頭をぶっ殺して侵入したのはいいのですが、蔵は五右衛門に荒らされた後(事後キャッツカード付き)でした。
そこで三成は霧隠才蔵を五右衛門に派遣しさあ忍術合戦かと思ったら炎を飛ばしたり水中に隠れたり忍法ガマパックンとかそういうのは全くなくて超高速エリアルCGバトルでした。「やったー鬼武者4のムービーできたよー」って見せられたらわりと信じちゃう感じの。この映画の売りはこういう無茶な画面の派手さですね。
で、なんだかんだで才蔵をうまく出し抜いた五右衛門が証拠品から見つけ出したのが秀吉と明智光秀の連判状。いっしょに信長ぶっ殺そうぜーって。紀里谷光秀は秀吉の協力の下本能寺で信長をぶっ殺したあと速攻で背中から秀吉に刺し殺されていたんですねー。って、そんな殺し方で秀吉に大義名分が立つのかよ! と思いましたが、まあそんなの紀里谷監督からしたらですね、どうでもいいことでございますよ。
で、その連判状ですが服部半蔵が出てきて「それ買います」と言うので五右衛門はこれを売り払って、信長様大好きっ子だったので秀吉をぶっ殺すのですが、影武者でした。
でまあ「戦争は良くない」とか「自由とは何だ」とかだるいやりとりや監督はルルーシュさんですかみたいな「あー監督はこれかっこいいと思ってるんだろうなー」みたいな色々があって才蔵が秀吉に釜ゆでにされたので結局五右衛門は再度秀吉討伐に向かうのでした。
そこでは雲霞の如く兵士が守りを固め地上百階建てぐらいの城が国崩しガトリング砲を備え五右衛門を待ち構えていたのですが五右衛門も加勢に現れた才蔵の部下もみんな NINJA ですのでそんなの効かないというか常時無双乱舞とか三国志大戦の超絶強化発動ムービーっぽいので全然そういう防御は彼らには通じないのでした。
でも話の展開上、五右衛門が秀吉の所にたどり着く頃には才蔵の部下の方はいくら敵に囲まれても平気だったはずなのにちょっといっぺんに攻撃されただけで散っていくのでした。ヒーローポイントが尽きたのでしょうか。
自分を殺しに来た五右衛門に対して秀吉は「一杯やらんか?」と杯を差し出します。
場面が切り替わって五右衛門は秀吉と杯を交わしていたのでした。本当に一杯やるのかよ! というか、夕方だったのにすっかり夜になってるよ! 何杯飲んだんだ!
で、秀吉が死んだので再度日本は混乱します。小賢しく立ち回っていたのが秀吉にばれて左遷されていた三成の元に何故か兵が集まり大勢力になると、家康さんの所の半蔵も連判状を出してきて「これが家康様が正統な信長様の後継であるという印である!」と言って兵を集め……え? 意味がわからない……。
とにかくブラック三成軍とホワイト家康軍でスターウォーズ関ヶ原がはじまるのでした。何がスターウォーズってスターウォーズっぽく見えるんだから仕方ないです。そこへ五右衛門がフルプレートアーマーで乱入!
これを三成軍伝令は「信長様ご出陣!」と三成に報告するのでした。あのさあ……。
NINJA の攻勢は SAMURAI には止められないので、五右衛門はあっさり三成の所まで辿り着くと、超大ジャンプで攻撃を仕掛けます。対する仮面ライダー要潤は逃げず、対空の構え。えーそれ無理ですよ向こうのただのジャンプ斬りじゃないですよ無敵対空じゃないとそれ返せないですよと思ったら三成真っ二つ。元仮面ライダーでも無理なものは無理です。
五右衛門は反転すると今度は家康軍に攻撃を仕掛けます。家康軍には NINJA の服部半蔵がいますので彼が五右衛門を止めるのかなと思ったら何か五右衛門はハイパー化しているようで無理でした。
五右衛門が家康の首を取るか、というところで五右衛門は元子分で、「あんたについて行けない」って言って去っていった猿飛佐助に刺されてしまうのですが、実は五右衛門が家康の首目がけて振るったのは扇子でした。「これが最後の戦にしてくれよ」と言い残して五右衛門は戦場を去り、何か綺麗な映像の中で息絶えるのでした。
とまあ、簡単に言って話はひどいんですけど、私のはしょり方もひどく見えるようにはしょっている部分はあるのでそれなりに割り引いて考えてください……と言ってもひどいんですけど、監督の出身に起因するのでしょうか、映像的にはかなり面白いです。ストーリーは映像のオマケと考えればいいんじゃないでしょうか?
頭のおかしい歴史モノが好きな人にも結構いけるんではないでしょうか。
ストーリーはメインではなく映像がメインみたいな映画ですから、やっぱり劇場で見るべきでしょう。というわけで、6月1日にはみなさんも是非!