パオタが非オタの彼女にパリーグ世界を軽く紹介するための10人

知人に書けって言われたので書きました。
via アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本



まあ、どのくらいの数のパリーグオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないパリーグの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、パリーグののことを紹介するために紹介すべき10人の人物を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にパリーグを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、調査するのに時間的に過大な負担を伴うあまりに旧世代の人物は避けたい。できれば現役、古くても90年代にとどめたい。
あと、いくらプロ野球的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。古来よりのパファンが「レロン・リー」は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。そういう感じ。
彼女の設定は

野球知識はいわゆる「甲子園のヒーロー」的なものを除けば、年に数回巨人戦中継程度は見ている
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

エカ(ロッテ)

 まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「暗黒期ロッテ」を濃縮しきっていて、「エカ以降」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。在任中ずっとBクラス堅持したし。

ただ、ここで「ベテラン采配こそエカの采配」トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。

この過多なベテラン起用について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

堀幸一初芝清(ロッテ)

 この二人の選手って典型的な「パリーグオタが考える一般人に受け入れられそうな選手(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
パリーグオタとしてはこの二人は“パリーグの王長嶋”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

近藤昭仁陛下(ロッテ)

 ある種の甲子園オタが持ってるバントの確実性への憧憬と、陛下自ら監修の偏執的なスクイズへのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、

それに加えていかにも高校野球

「確実性最重視」を体現するスクイズバント一辺倒な采配

「マリーンズオタ好みなネタ具合」を体現する体現するスクイズバント一辺倒な采配

の二点をはじめとして、オタ好きのする要素を采配にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

垣内哲也(ロッテ)

たぶんこれを見た彼女は「腐ってた頃の山崎武司」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

この系譜の選手がその後続いていないこと、この選手がある番組で打球速度を測定したら当事の並み居るホームランバッターを押しのけて村上嵩幸と同率トップになったこと、今の横浜なら即刻スタメンになって、それが巨人に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、今のセリーグでこういう選手が育たないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

小宮山悟(ロッテ)

「やっぱりピッチャーの身上はコントロールだよね」という話になった時に、そこで選ぶのはコバヒロでもいいのだけど、そこでこっちを選んだのは、年金にしがみつく小宮山の思いが好きだから。
断腸の思いで選手生命にしがみつきにしがみついてその結果がシェイク、っていう結論が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
小宮山の選手生命の長さを俺自身は冗長とは思わないけど、もう現役ではやっていけないだろうとは思うけど、一方でこれがスンスケや清水直行だったらもうこんな状態ならきっちり引退してしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて浪人とかいう立場になってまでまだ現役にしがみついてしまう、というあたり、どうしても「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ小宮山がそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。昔のコントロール自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

大塚明(ロッテ)

今の若年層で大塚明見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
オールスターインターネット投票開始よりも前の段階で、インターネット上でサイト作ったり壁紙配布したりというのは日本プロ野球選手のサイト哲学とか技法とかはこの時点で現在のレベルに達していたとも言えて、こういうクオリティのプロ野球選手サイトが国産でこの時代に作られていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくネットワーカー的パオタとしては不思議に誇らしいし、いわゆる野球中継でしかプロ野球選手を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

諸積兼司 (ロッテ)

パリーグの「張本」をオタとして教えたい、というお節介焼きから紹介する、ということではなくて。
「球団は充分にファンサービスすべきである」的な感覚が現在のマリサポには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそ雨天中止の日には諸積のヘッドスライディング以外はあり得なかったとも思う。「充分なファンサービスがあるべきである」というマリサポの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「おもてなしして欲しい気分」の源流は諸積のウォーターヘッドスライディングにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

サブロー(ロッテ)

これはネーミングが地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。

こういうイチローパチモノ的な選手がこういうかたちで大成して、それが非オタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

近藤芳久(ロッテ)

9人まではあっさり決まったんだけど10人目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にニク魔人を選んだ。

エカから始まってニク魔人で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、投球中に腹でベルトを切って以降、神話になった投手でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい選手がいそうな気もする。

「駄目だこいつは。俺がちゃんとした脳ミソに入れ替えてやる」という反応は大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。

(追記)
id:rerasiu:20080725:p2 に元ネタにちなんでまとめ記事を書きました。大塚→園川、サブロー→立川のネタもありますよ!