新聞業界にワープ論法流行の兆し


兵庫県で塾帰りの女の子(9つ)が胸を刺された。愛知県春日井…
 兵庫県で塾帰りの女の子(9つ)が胸を刺された。愛知県春日井市で女子中学生(12)が登校中に髪を切られた。岐阜県関市では女子大生(21)が電柱の陰にいた男に傷つけられた。先月末、続けて起きた事件である。
 いずれも、ひとつ間違えると大事にいたったケースだろう。それが日常茶飯事になった。普通、動物は肉食獣でも無意味で無駄な攻撃はしないという。情けないかな−人間だけがこうした異常な行為におよぶ。
 安倍晋三首相が所信表明演説をしたのも先月末だった。初の戦後生まれの首相は戦後六十年余りで日本がこんな国と化しているのにお気づきか。美しい国も結構。だが私たちは弱者が一人歩きのできる国を望む。
これは凄い。ワープ論法の中でもかなり高度な「全段落繋がり無し」を達成しています。ワープ論法における究極の地平が見えてきました。
しかし、最近多発しているこの手の記事ですが、まさかね、文章・報道のプロがこんな全部の段落が分断されたわけわっかんない文章をこれでいいと思ってリリースしてるはずなんてないですから、きっとこれら一連の記事は各記者がどこまで論理がワープした文章を、社内チェックを潜り抜けて掲載させるかって競争してるために掲載されているんじゃないですかね。
そう考えると、この記事は凄く秀逸です。

憎いし、苦痛。安倍晋三首相が訴える「美しい国」を逆さまに読むと、こうなる。
東京都内の病院で働く女性(四〇)は、同じ母子家庭の友人に言われてハッとした。
美しいと苦痛という“光と影〝をはらんだように聞こえる国づくり。
「自分たちは切り捨てられるのか」と、怖くなってきた。
思わず「こういうのは私とかでも思いついても書かないと言うか、そういうのはMMRに相談してくれな。彼らはやさしいから馬鹿にしないよ」とか言いたくなってしまいます。
このレベルの記事を社内チェック通過させるのはなかなか難しそうと言うか、これは通過できる記事のぎりぎりにまで到達しているのではないでしょうか。多分これ以上きついのを書いたら止められますよ。チキンレースみたいなものですよねー。さてどこまで許されるのでしょうか。日本の新聞の限界を見極めたいところです。