岐阜について

岐阜と漢字ですらっと書ける人は岐阜県出身の人を除くとかなり少ない印象がある。それは岐の字も阜の字も使用頻度が少ないせいであり、事実岐阜県出身の知人も、何か荷物を発送する際に住所を伝えようとすると相手の人が書けない可能性が高く、その字を説明するのも岐阜のギに岐阜のフとしか言いようがなくて難儀した、というようなことを言っている。岐はともかくとして阜は分解して説明もしづらく困るそうだ*1
近年では岐阜の名は織田信長が付けたもので、その名の由来は古代中国において天下を平定した周が岐山という地から興ったことと、孔子が曲阜という地で生まれたということから名付けられたとされている。阜は丘の意味なので、ひょっとしたら丘と山を対応させて、前者の故事のみから名付けられている可能性もある。まあ、それはともかくとして、こういう故事を知っている人間からしたら岐阜の文字は難しいものではないのかも知れない。しかし、そうでないと住んででもいないと書けない人の率が高すぎるというのは県という比較的大きなエリアを指し示す地名として如何なものかとか考えたし、岐阜の阜の字を説明しようとして「楊阜*2のフです」と説明した私も如何なものかと思うが、このエントリで書きたかったのは、聞いて何ともいえない面白みを感じた「岐阜のギに岐阜のフとしか言いようがなくて難儀した」の部分だけで、既にそこは書いてしまったのでこのまま終わり。

*1:郵政公社をはじめとしたコンシューマ向けの日本の運送は相当有能なので、ギフ県と書こうが、多少の誤字をしようが問題は発生しない場合がほとんどだが、今回はひとまずそれは措く

*2:後漢時代、関中地方に馬超が攻めて来た際に追い返した人