時かけもう1回見た

畏友Mと時をかける少女をもう1回見に行ってきました。
なぜもう1度見ようと思ったのかと言うと、

ゴールドベルク変奏曲」の話とか

でも本当にそう聞いたのか自信はないです。

  • 自分はアニメのリテラシが高いと言えないので、畏友Mの意見を聞きたかった

自分が全部通して見たアニメと言うと、ガンダムZガンダムガンダムZZVガンダムGガンダムガンダム0080ガンダム0083ダンバインエルガイム、The Big-O、NieA_7朝霧の巫女KANONマリア様がみてる蟲師ビーストウォーズエヴァンゲリオンロードス島戦記鋼の錬金術師と少ない上に偏っており*1*2聖闘士星矢北斗の拳などの定番物もほとんど見ておらず、ジブリアニメもバンバン落としているのでアニメに対してちゃんと読み取る能力は多分低いのです。私はゲームに拠って立っておりゲームに拠ってオタクたりえる人間なので。
反面畏友Mは良く訓練されたアニメ見なので私が気付かない部分に気付くことができる公算が高く、できればその話を聞きたかったのです。

  • もう1回見ることでなんか発見があれば良いなと思った

というわけで昨日は仕事終了後Mと合流して時かけを見てきました。
NOTEBOOK も絵コンテも入手できたのが水曜夜で、NOTEBOOK から読み始めて絵コンテを1/4ぐらい読んだところで
猛烈な眠気に襲われギブアップ。最近眠くなるのが早すぎる。
それでまああーじゃあ移動中に読むかなあ移動中だけじゃ時間足りないけどと思いつつ、カバンに絵コンテ集を突っ込んで出勤、行きの通勤電車の隅っこで読んでて乗り過ごしとかやらかしましたが、仕事が思ったよりもかなり早く終わったので喫茶店で全部読んでから映画館へ向かうことができました。
しかし NOTEBOOK の細かい知識はともかくとして絵コンテの方からはあまり新しい情報を得ることができず、ほぼ、読んでる最中頭の中で映像が再現されましたというだけに終わりました。これはちゃんと作られた絵コンテどおりにちゃんと映画が作られているということなのでしょうね。こんなので新しい発見ができるのかななどと考えているうちに幕が開きました。

  • 伏線などを見つけようとしていたため1回目よりも前半を真剣に見ていた
  • 絵は貞元なのに表情の動きはジブリだと思った

これは初回見た時も思ったのですがその時は細田監督が元ジブリだと勘違いしていたので(id:rerasiu:20060824:p1)、その思い込みによってそう見えた可能性があると考えここでは書かなかったし、時をかける少女を語る会でも言わなかったのですが、その誤りが修正された今でもそう見えたので、多分間違いのないところ。

  • 新たに発見できた伏線は1つのみ
  • 後半は普通に見入っていた
  • 真琴はバカだなあ、という思いを強くした
  • 面白かった

ダメじゃん。頭悪い。
で、あーいやー面白かったー。あーいや面白かったーじゃねえよくそうくそう、とか思いながら映画館を出たらMは複雑な顔をしているのでした。
「ああいや、ゲドより面白かったよ」
ってあんたゲドに物凄くダメ出ししてたじゃないですか! 私はまだゲド見てないですけど、あんたは試写会で見てからというもの口を開けばゲドの文句ばっかりじゃないですか!
それ全く褒めてないでしょ!
「うーん、いや、どうも細田演出は自分には合わないみたい」
ということで、以下ミスドでコーヒーなり紅茶なり啜りながら話した内容。

  • 細田監督の演出は基本的なアニメの文法に沿わない、いわば反則というか、邪道というか、そんなものが多いらしい
    • 画面にキャラが入っていないのに声がする、とか、後頭部だけが映っているのに声がする、とか、ロングショットで顔の輪郭と髪ぐらいしかわからないのに声がする、などの、キャラの顔がちゃんと映っていないのに声がするのは邪道らしく、それが受け入れがたいらしい

こういう意見こそアニメリテラシの低い私が聞きたかった意見。でもその文法に従わなければならないのだとしたら、演出のバリエーションが相当限られるだろうなとも思いました。

  • 細田監督のの左右移動多用は珍しい、というか、やはり文法無視気味らしい

スクリーンが左右に長いせいでそういうことになっているのではないの? と「語る会」で聞いたことをぶつけてみたのですが、「それにしたって」とのこと。

  • 普通は左右移動をここぞというところで使うが逆にここぞで普通の動きを使った

つまり細田監督は意図的な逸脱・逆転を行っていると。

  • まことはほんとうにばかだな

一致した意見。ああ、我々のは愛情表現だから。
突っ込めよ! 寒いだろ! こいつ調子悪くない? 早川さんもそう思うだろ?

  • 表情の動き方はジブリで、身体の動き方はマッドハウスだった
  • 真琴は悩まなさ過ぎ。簡単に成長してしまったので、もう少し悩んで欲しかった。例えば魔女おばさんに「さんざん人の気持ちを弄んできたじゃない」「魔女だ……」のところとか。

あのシーンは人の気持ちを弄んでおきながら自覚がなかった真琴の方が悪い魔女だと思う。
そこから、真琴がバカであり続けるために高瀬は救われなかったのだという話になって、そういえば時かけNOTEBOOKに高瀬は爆笑問題太田光をイメージして描いたって書いてあったよと言ったら、物凄くMは納得していました。
やられてもやられっぱなしではないところとか、千昭に「投げてみろよ!」とか言ったりするわりには上履きを投げられたら敗走する中途半端な勇猛ぶりとか、消火器を投げようとして持ち上げようとしてもなかなか持ち上がらずよろけるあたりとか。
三国志2とか3で言うと武力58、勇猛9、冷静3みたいな。
強くない上にそんなに勇猛が高いわけでもないのに勝手に一騎討ちを受けて負けるみたいな。

  • 細田監督が宮崎駿の人と喧嘩したのはペド戦記の可能性もあるけど、細田監督の仕事の鈍速戦法ぶりに駿の人がキレたか、

演出手法を縛られ過ぎて細田監督がキレたかどちらかなのではないか
だそうです。今回の絵コンテに細田監督はこのくらい時間をかけたそうだ、と話した時のこと。
だいたいこんなところで時間切れでした。

巡回中に見つけたのでクリップ。時をかける少女セミナーレポート :http://d.hatena.ne.jp/AKIYOSHI/20060908#p1

*1:ロボットアニメばかりだ

*2:ARIA は今後全部見ることになるでしょう