『戦国七雄興亡記「張儀」』

縦横家ってご存知でしょうか。
諸子百家の一つで、中国の戦国時代に活躍し、各国を遊説して回り、それぞれの国の君主に外交と戦略の方針を説いた人たちです。
戦国時代では特に強力だった7つの国家を戦国七雄というのですが、時代が降るとその内の秦という国が特に強大となり、他の六国は秦に対抗するため何かの手を打たなければならなくなりました。
そこで登場したのが蘇秦という縦横家で、秦に対抗するためには他の六国は同盟し共に秦に当たらねばならないという「合従策」を説き、君主の信頼を得、六国の宰相を兼ねるまでとなりました。
秦は強大といえども、さすがに六国全部と当たるわけには行きません。そこで登場したのが張儀という縦横家です。彼は家族ですら信頼できないこの時代に合従など、他国など信用できますか? と説き、それぞれの国が強大な秦に逆らわないことで安全を保つべきであるという「連衡策」を説き、「合従」を崩し、秦が各国を各個撃破できる状況を整えたのでした。
で、今回私達がプレイしたのはその縦横家になって各国を操り、応援している国を覇者にしようというゲームです。
http://www.gamejournal.net/bknmbr/gj18/gj18.html
プレイヤーはゲームスタートの前に各国の名前が書かれたチップを2枚密かに受け取り、そこに書かれた国のうちどちらかを担当国とします。この担当国はゲーム終了まで明らかにされません。
ゲームがスタートすると、やはり7枚のチップから各プレイヤーは1枚選び、そこに書かれた国を行動させます。この繰り返しでゲームは進んでいきます。
各プレイヤーは相手がどの国担当かわからないまま、場合によっては自分の担当国を相手に操作されっぱなしになりながらも勝利を目指すというカオスな展開になります。
ここで重要なのはやはり自分の担当国がばれないようにすること。ばれたらその国の行動権を他プレイヤーに握られたが最後戦略的にどうでも良い土地へ兵が送られたり、将軍や大臣が謀殺されます。没落決定。
というわけで普通のマルチプレイゲームより混沌としそう、面白げ! と思って友人を誘い3人でプレイしてみました。
1回40分ほどと早く終わるので都合6回プレイした結果、1回しか勝てませんでした。担当者の居ない国が覇者になるという全員負けが1回。他のプレイヤーは1勝、3勝。
今回もプレイした、こちらもハッタリゲーの謙信vs信玄(プレイレポート→http://d.hatena.ne.jp/rerasiu/20051002/p2)ではこれまで負けたことがなく、今回も負けなかったのでハッタリには自信が有るぜHAHAHAとか思っていたのですが、結構私は担当国がばれていた模様。根が正直者だからこういうゲームは厳しいですね!
ところでこのゲーム、ゲームジャーナルという本の付録という形を取っているのですが、ゲームジャーナルは付録となったゲームの時代背景を、ウォーゲーム雑誌らしく軍事的な視点から解説するのでなかなか興味深かったりします。
最新号は『張儀』の他に『項羽と劉邦』が付録として付いていたのですが、このあたりの流れは一昨年司馬遼太郎作品で押さえたので話としては知っていたのですが軍事っぽい眼から見るとなるほどこうなるのかと面白く読みました。これまでの(日本の)戦国ものとかもそうでした。まあ値段が張るのでゲーム目的でない方にはおすすめしづらいのですが……。