と同時に

webのあちこちで偽巫女装束を見かけることが増える時期ももうすぐです!
例えばこんなの。
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肩の切れ込みとか、袖の破線とかは巫女装束にはありません。肩の切れ込みがあるのは狩衣(かりぎぬ)といって神職が着るものです。袖口に赤い破線があるのは千早といって普通の巫女装束の上に、舞う時など正装する際に羽織るものです。
しかし何と言っても私はこの赤い襦袢を糾弾したい! 襦袢というのは白衣の下に着る、まあ下着のようなものです。この襦袢が赤いというのは一体どういうことですか! 赤い襦袢なんてのは遊女が着るもので、現代の世間一般のイメージからいったら*1巫女さんとは大違いの服装なのです。
「そんなこと言ったって巫女さんの襟元赤いじゃないか赤い襦袢着てるんだろオラ」そういう声もあるかと思います。そのお考えごもっともです。中には襟元が赤い巫女さんを擁する神社もあります。しかし赤い襦袢など巫女さんは絶対に着ていないのです。
それは一体どういうことか、図解してみます。絵が下手なのは仕様です。気にされませんように。
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襦袢を着た上にこういったダテ襟をつけているんですね。帯状の布を巻いて、そこから出ている紐を胸の下で縛る。この上から白衣を着て袴を穿くわけです。それと、襟は詰めて着ているというのも重要ですし、白衣は足首まであるので袴めくっても脚は見えない、勿論袴の脇の隙間から脚が見えるなんてもっての他です。このあたりも重要ですね。
年始に向けて巫女さんの絵を描かれる皆様は是非このあたりのポイントを押さえていただきたいと思いました! お願いします後生ですから。
あと念のため。巫女装束と一口に言ってもいろいろですので、ここで紹介したのはあくまでも一例です。もっと違うダテ襟とかあるやも知れません。と言っても、赤い襦袢とか肩の切れ目とか袖口の破線とかは通常ありませんので。
(追記)巫女さんでも股のある袴を穿いている神社はありますので、巫女さんの袴はすべてスカート状というのはデマです! まあスカート状の方がかなり多いですけど。例えば都内では日枝神社のは股ありの袴ですね。

*1:戦国期などには歩き巫女なんてのも居たんですが、とりあえずそういうのは置いておきます