久しぶりにボードゲームを散々やった

今回集まった人間は全員三国志ファンだったので、孔明北伐というゲームを何度もプレイしました。
このゲームは三国志終盤の山場である諸葛亮の北伐を取り扱ったゲームです。
2人用で、一人が魏、一人が蜀漢を担当します。
MAPはこちら→http://www.gamejournal.net/bknmbr/gj06/koumei.gif 剣閣の北が漢中、その東が魏興で、その北が長安。一番北西が涼州(武威)です。エリアの境が太い線になっているのはそこに山脈があるという意味です。
史実でも秦嶺山脈を越えて攻め入るのは困難だった――特に補給が――のを表現するために、このゲームでは山を越えて兵力を移動させるには、それなりに優秀な武将が携わらなければいけません。馬岱あたりでも山越えの兵の移動は無理なので、まとまった戦力で敵国へ攻め込むのが非常に難しくなっています。
なのに、私が蜀でプレイした時は2ターン目に漢中を取られるという大惨事。向こうの出目が良過ぎです。
首尾良く南蛮*1を帰順させ、兵力を増強した蜀漢軍ですが、さすがは天然の要害、漢中を中々取り戻せません。
そこで漢中を迂回して天水方面に出、涼州を得て騎兵を手に入れるそぶりを見せて、漢中から雍州方面へ兵力を釣り出そうとしたのですが、逆に漢中の兵は成都目指して剣閣へ攻め込んでくる始末。動員できる兵が足りないだろうと思ったのですが、陳倉から出てこないと読んでいたカク昭へ兵を供給してくるという読み違いがあって、剣閣をあっさり陥落させられる大失態。あわわ。成都を陥とされるとその時点で負けなので、慌てて諸葛亮成都へ呼び戻し、防御を整えて、剣閣へ攻めてきた曹真軍を撃退します。はっきり言って曹真は諸葛亮の敵ではないので諸葛亮を呼び戻せた時点でこちらは何とかなるのは分かっていたのですが、問題は天水へ派遣した兵力を誰が率いるのか。
格的には趙雲なのですが、寿命が迫っているし、合戦では魏が長安の守りに残していた張コウにはやや劣ります。そこで一か八かの賭けに出ました。このゲームの特殊ルール「街亭宣言」です。
街亭というのは諸葛亮の第一次北伐時に、蜀漢軍が大敗北を喫してそれまでの攻勢がおじゃんになり撤退を余儀なくされた合戦場です。その際兵を指揮していた馬謖は軍法に照らして死罪となりました。このゲームでの街亭宣言とは、サイコロを1個振り4〜6が出たら馬謖コマの能力がすべて1上昇し、また1ターンだけ馬謖の合戦能力が諸葛亮と同等(このゲームでの最大値3:張コウは2)となり、1〜3が出た場合は蜀漢軍の兵力が6コマ分減少する(このゲームでの蜀漢軍の最大動員可能コマ数は12:南蛮を帰順させれば+4)というギャンブルです。
張コウが天水の蜀漢軍に攻撃を仕掛けてきたので「街亭宣言」を行いましたところ、出た目は4。馬謖見事にパワーアップです。さらにこの合戦では出目が非常によく、史実では敗北を喫した張コウ軍9万に対して馬謖軍6万は完全な勝利を収めます。さらにその次のリターンマッチでは張コウに対してアドバンテージがなくなっているのにもかかわらずまた勝利。これで漢中方面が完全に手薄になり諸葛亮が漢中を回復します。馬謖軍はこのまま涼州を目指しますが、魏の非道な捨てがまり作戦、すなわち異民族の王を犠牲にして進軍を阻む作戦により中々涼州へ到達できず、結局時間切れ負けが恐ろしいので引き返す羽目に。
諸葛亮は漢中から魏興を攻めこれを奪取。これにより孟達が寝返りました。これで調子に乗った私は、もう1ターン待てば馬謖軍が到着するのに、司馬懿に対して諸葛亮が能力的に有利なのを過信してそのまま長安攻めます。しかしそのターンにようやく登場した司馬懿により撃退されます。早まったかと思いましたが、早めに撤退したので損害は孟達軍が壊滅するレベルで済みました。しかし、次ターンが最終ターンなので、そこで長安を陥とせないと負けです。
で、運命の次ターン。馬謖軍が到着し、また度重なる非道な捨てがまり作戦に異民族である鮮卑が怒り諸葛亮の元へ参陣します。しかしそれでもなおやや魏の方が軍勢は多いのですが……諸葛亮の采配というかサイが冴え、サイコロの6、5の目が出るわ出るわで、諸葛亮は死の間際、234年に悲願の北伐を完遂させるのでした。
しかし漢中落とされるだけでもこのルール上ではなかなかありえない大事なのに、剣閣まで落とされて良く巻き返せたものでした。馬謖さまさまです。

*1:西南夷というのが正式名称だそうですが