横浜8x-5阪神(はてなプロ野球’04)

阪神ファンはやっぱり凄いや。
11時に着いた私ですが、その時点で既にかなりのファンが並んでおり、危うく席が確保できないところでした。
さて着席したものの、試合開始前から私の同行者のAさんの隣席の女性が「赤星赤星」と大変豊かな声量で叫んでいた上、オールスターファン投票カードには全員阪神の選手にチェックという暴挙、すなわち恐怖! 全身バット男キンケードさんにもチェックするという暴挙をしたので、Aさんの怒りゲージが蓄積してしまう状態でした。
試合開始が近づく中、Aさんは携帯電話からスタメンを球場より一足早くチェック。スタメン1番が赤星でなく上坂であることを確認、隣の女性がスタメン発表の時どんな顔をするかと楽しみにしていましたが、果たして物凄く落胆していました。漫画みたいでした*1。しかしこの上坂起用が及ぼした被害はこれだけではなく、悲劇ののはじまりだったのです。
両チームの先発は吉見、下柳でした。
1回表、1番バッターは「かっ飛ばせかっ飛ばせ上坂」と応援するとまた警察から呼ばれてるのに出頭しないなんてことになりかねないので、応援には大変気を使う上坂。
彼の打球は高く上がりちょっと深めのセカンドフライだったはずなのですがこれを内川はグラブに当てて落としてしまいます。
ここで私と同行者のKさんはグダグダな長い試合を予感したのですが果たしてそのとおりでした。
非常にダメな試合を演出してしまった責任者というか主犯は主審の森です。
もう森が打点13でヒーローインタビューに立てば? というぐらいの大暴れぶりというか「これであなたの打線も史上最強打線に! 打線強化式小型ストライクゾーン」を採用してしまったためにボールが先行しまくる非常にダラダラとした試合展開に。
加えて下柳さんとかは基本的にど真ん中に投げても安全なはずのランナーを塁上に置いた状態での佐伯相手に投げあぐねて何度も牽制球を放るので非常にテンポが悪くそれでじらされた球審森が腹癒せにくさいところへの下柳の投球をことごとくボールと取るので試合速度は下がる一方。そして出るヒットといえばあまり速度の高くない打球がなんとなく微妙に野手の追いつけないところへ飛ぶという非常に爽快感の無いものでちっともプロスポーツの匂いがしません。結局初回横浜は5点をとったのですが猛攻という感じは全く無く、むしろ猛拙守備、猛拙投球、猛悪運、猛劣悪球審といった感じで、あまり見るに耐えません。ちなみにこの回一番綺麗なヒットを売ったのは吉見でした。
しかも2回以降はボールが先行しまくるのに両チームとも恐ろしいほどの拙攻でちいとも点が入らずマウンド上焦げ臭い炎上の気配を漂わせまくっているのに実際には炎上しないというはっきりしない不完全燃焼を続ける一方、時々球審の森がストライクゾーンのあまりの狭さを反省して拡大を行うものの不定期でその操作を行う上に次のイニングに入ると元通りかあるいは以前以上に狭くなっているのでもうこれは完全に制御不能。そんな中石井タクローさんは大量リードしているのに無闇に粘って試合進行を妨げ相川は無駄にセーフティバントのふりをするという無駄な工夫をして我々をイライラさせます。さすがにこの無駄工夫は山下監督の勘にも触ったのか次の打席で代打を出されてしまっていました。
今岡と金澤の両選手はこの妙な流れに巻き込まれず自分の役割を果たし同点ホームランを打ち、この試合初めての三者凡退を2イニング続けるなどするのですが、結局は山下監督による謎の代打&外野シャッフル作戦の前に敗れることになってしまうのです。
終盤横浜は代打が出たりリリーフが出たり選手交代が激しかったのですが、その中で横浜ファンのKさん的には「ありえない」という鈴木タカノリさんを引っ込めない采配、これが最後のサヨナラホームランに繋がっていくとは。
よく訓練された横浜ファンであるところのKさん*2曰く「タカノリさんには5球ショートバウンドを投げれば3球は空振りするからタカノリさん相手にストライクはいらないのに何であんなことするかなあ」
すなわち鈴木タカノリさんのサヨナラホームランが飛び出したのですが、その際球場内に投げ込まれるメガホンはレフトスタンドからのものよりもライトスタンド側からの青いもののほうが圧倒的に多かったのです。
これは、よく訓練された横浜ファンには信じ難い事態の発生に混乱してメガホンを投げ込んだのか、それとも「サヨナラホームランを打てるなんて鈴木タカノリであるはずがない! 偽者を起用したな! そんなインチキしてまで俺たちは勝ちを見たくはない!」と憤ってメガホンを投げ込んだのか、どちらなんでしょう。気になります。
両軍とも何とも迂闊な試合ではありましたが、やはりヒーローはというか主犯は主審森で打点13だなと思いました。疲れる試合でした。
あとAさんが凡退を続ける阪神打線を嘆き、「どうせ藤本は初球打ち上げてレフトフライ、今岡ゲッツーで終了だ」と言ったところ、本当に藤本がレフトフライを打った一幕があったのですが、それを聞きつけた応援団のお兄ちゃん、「お兄さん、ビンゴだよ。変なこと言うのもうやめてくんねえかな。(選手に)聞こえてるんだよ。あいつらバカ正直だから」と言っていたのは結構面白かったです。羨ましいな、西武ファンはおとなしいからこういう交流って少ないんですよねえ。

*1:しかし、試合が始まるとこの女性上坂の応援歌もしっかり歌えたのでAさんの怒りゲージは同志愛に転化。後の今岡の同点弾の時は熱い握手を交わすのでした

*2:Kさんがどれくらい訓練された横浜ファンであるかと言うと、この試合チャンスで古木に打席が回ってきた際、追い込まれた古木はショートバウンドをハーフスイング。球審森はスイングを取らなかったのでクレームを出すAさんとYさん(ともに阪神ファン)。しかしKさん宥めて曰く「同じところへもう1球投げれば古木スイング止まらないから。矢野が余計なこと考えなければ大丈夫」果たして、同じようなショートバウンドを振って空振り三振となったのでした。Kさん曰く「古木に期待するのは横浜ファンだ。古木に期待しないのはよく訓練された横浜ファンだ」