真田丸 第41話 「入城」

やはり前回(前々回ラスト?)でこのドラマのリアリティラインは変動しましたね。外連味たっぷりの信繁改め幸村の活躍がががが!
荒唐無稽感が出てきたけど楽しい! いやだからこそ楽しいのでしょうか。よく大河ドラマが「史実と違う!*1」と文句言われますが、それってその大河がつまんないからなんですよね。「変な創作してつまらないくらいなら史実に忠実にやれよ!」がより正確。楽しいのが面白いのが第一。真田丸は舵を講談に切り替えても楽しい。

  • きり「苦労大好き!」

どんどん発言がアヴァンギャルドになるな……イキイキしちゃってるし、前回の月のシーンはやっぱりそういうこと? 春ちゃんからきりちゃんは認められたし、もう正式にそういう関係になったし、そういう関係になっても問題ない状態になったと思っていい?

  • 家康「秀頼もおとなしくしてれば大名としていられたのに。なんで?」

命が一番で伊賀越えで泣いてた神君には大坂城メンバーの思考はまったくわからなくてきっと恐怖するんだろうなあと今から楽しみです。誰もが命が一番だと思ったら大間違い

  • 信之真田家、嫡男問題安泰

昔心を開かない稲姫の手をとって励ましたおこうさんの誠意が通じて今度は稲姫がおこうさんの手を取りました。ええ話や。信之も信繁も女性問題はなんかふにゃふにゃしてるなあと思いましたが奥さまズがしっかりしていたので両方解決してしまいましたね。頭が上がらないですよ。
信吉については母親が誰なのか諸説あるそうで、

  1. 稲姫
  2. 侍女説
  3. 信之のいとこ説

信之のいとこであるおこうさんが侍女となり、信吉が稲姫の養子となったことで全部の説をカバーしてしまいました。真田丸脚本はこういうのがやたらうまい。

  • 信之「今回の戦は大坂方に目立った将はいないし、籠城戦でじわじわ終わるね。息子の戦争チュートリアルにもってこいじゃないですか」

あっ昌幸パパ上が何回もしでかした楽観論読み違いですね……。でもまさか自分の弟がはっちゃけるとは思わないか。弟こないだ会った時には別に赦免とかいいですとか言い出していたしね。せっかく安泰になりかけた真田家を弟がかき乱す!
ところで稲姫大坂の陣を終えて帰ってきた信吉信政に「えー二人とも帰ってきちゃったの。二人いるんだから一人くらい討ち死にして徳川家に忠義を見せても良かったのに」とか言ったという逸話があります。こわすぎる。

  • 「立場が人を育てる」

立場で育った人は信之で、今から立場を作って大きく成長しようとしているのが幸村ですね。そのために色々ハッタリもかますんですね。

信繁を暗殺現場に向かわせず押しとどめるために使われた雁金踊りが今度は逆転して脱出に使われた! 春ちゃんこのために練習したんだなあ。 陽気な結び雁金の曲の裏で不穏なBGMがたまらない。
あの脱出シーン、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック*2でトラップ一家が脱出を図るシーンのパロディなんですねー。知らなかった。知ってる人には歌いながら退出することでわかりますけど、知らない人でもただ下がっていいはずの佐助がニンジャ退出をするので「あっなんかこの退出には意味があるんだな」とわかるようになってるんですね。
「これは米のとぎ汁! 謀られた!」
米のとぎ汁を全部飲んでしまえばこういう発覚はしなかったわけで、これはこういう発覚をさせる意図があったに違いないです。酔い潰してしまわなかったことに意味はあるはず。長兵衛さんはグルではないんでしょうね。なぜならグルにしたら長兵衛さんら村の人たちも罪人として裁かれることになる。巻き込みたくないので策は知らせない。だから長兵衛さんがいるところで米のとぎ汁が発覚することでグルではないことを監視役にわからせる。
それはそうとして真田紐で潤った九度山村は結構幸村に恩義があるし、九兵衛が「徳川やっちゃってくださいよ〜」とか言い出すくらいには幸村には徳川に遺恨があることを知っているし、幸村にはまだ「やる気」があることを知っている。すると何も知らないながら何かを悟っていてことが起きたら機転でサポートしてくれるんですね。
長兵衛「ここは吉野山。 寺は山ほどあります 」
何も言えねえ。
長兵衛と幸村が遠隔で頭下げ合うの良いですよね……。

幸村「ダメ!」
幸村普段は梅ちゃんのこと気にしてる雰囲気ないのに急にこういうの出してくるんだよな。あと幸村はこの戦勝てると思ってないんだよなあたぶん。

  • はっとり

「幸村がハッタリならこちらは……はっとり!」
はっとりがハッタリで押し通って逃げて行った。その時の幸村の顔。内記の構えかっこよかった。

「豊臣には誠心誠意仕えてきた」とか言いながら入城からして扮装だしパパ上の手柄は自分のものにして盛り盛りの虚構だらけ。
講談(おはなし)の主人公真田幸村と史実の存在真田信繁。主人公が講談の幸村に切り替わったんだよ、ということなのでしょうか。
「参るぞ、きり」の時のきりの顔メロメロでしたね……。
ところで、大坂城に入った幸村が白髪で歯抜けで腰が曲がっていて、とする伝承があるんですね。それを今回拾ったんでしょう。あの姿、真田昌幸肖像画に似ていますが、それよりも内田裕也に似ている気がします。杖の形も同じだし……。
ロックモンロール!

  • 修理の顔も立てよう!

大野修理「ここの兵10万は全部真田さんの兵だと思ってくださいね」
幸村「兵糧は?」
大野修理「たくさんあるよ」
幸村(数字出してないからこりゃアカンなあ)
幸村「(数字を出して)兵糧のマネジメントがなってないでござりますな」
秀頼「おーそうか幸村すげえ、幸村が来てくれて良かったなー修理」
大野修理(前線指揮官として呼んだだけなのに何全体のマネジメントに口出ししてんのこいつ……)
ここで幸村はいきなり2つのミスをしていますね。
まず分限を超えた話をいきなり始めたりしたらそりゃ嫌がられますよね。
次に、兵糧の話をされて、数字も出せないのに大丈夫とか言う大野修理はダメなんですが、だからと言って、いやだからこそ彼のプライドには気を遣わないと……。

大谷刑部なら事前に大野修理に兵糧の話をしておいて大野修理の提案として大野修理の口から言わせたりしたでしょうに。大坂城で幸村の発言力を高めるために*3それができないのだとしても、言い切らずに途中で「大野殿はどう思われます」とか水を向ければ良かったのに。
三成は反面教師にしなくちゃ! なにやってんの!

それはそうと、三成はテンプレ三成っぽく出て来てあの三成だったので、テンプレ大野修理っぽく出てきた大野修理もテンプレ大野修理ではない可能性がありますね。今後注目ですね。

あと大蔵卿局が「みんないなくなってしまった」的なことを言いましたがだからこそ幸村がハッタリかませるという部分もあるでしょうね。

  • 信繁「お茶々様」淀殿「源次郎」

ここまで信繁じゃなくて幸村なんだよーって名簿書き直したりしてハッタリかましてきたのに淀殿にお茶々様言って源次郎言われる幸村。ほんと自然。この二人だけあの頃のまま。

*1:「史実と違う!」と「事実と違う!」の意味が違うのがまためんどくさいんだよなあ

*2:アニメ「ハウス名作劇場 トラップ一家物語」と同じ題材

*3:ハッタリもそのためにやってるわけですしね