【ネタバレあり】真田丸 第11話「祝言」

※タイトルにネタバレありと書いている時は今後歴史上起きる出来事に触れています。
室賀さんは昌幸パパ上評価してたんだなあ……。
騙されたことを知る室賀殿、を見る信尹おじさん。

  • 若者チームでの報告

今回は祝言です! まずは信繁がみんなに報告して回るよ!
三十郎「てっきりきりさんと結婚するものだとばっかり」
速攻で佐助の忍法突き飛ばしが炸裂。
人質で木曾に居る時とか信繁ときりは仲良しだなあって見てたんですね三十郎。結構信繁は辟易してたと思うけどな。

  • 梅への話

「お前は側室だけど他の妻は娶らない。実質正室だよ」キリッ
ナレ「四人の妻を娶ることになる」

  • 信幸兄さんへの報告

「いつから?」
「いつからって、何?」
「そりゃあ口吸いだろ」
「そういう話はいくらなんでも」
「あーごめん、忘れてくれ」
「ところで誰にも言ってないんですが、実はやや子がいます」
「口吸いどころじゃないではないかー!」
「はいっ!」
「そんな顔してやることはやってるんだな」
「はいっ!!!」
はいじゃないが。なにキリッとしてるのこの子……。

  • パパ上への報告

「でかした!」
「人質が増えるよ! やったねパパ上! 良い人質になるよ!」

  • 母上への報告

人質が増えるだの、実質側室だの、悪気はないむしろ好意でやってるんでしょうけど相手の気持ちに寄せて自分の発言をフラフラさせる信繁の話法が通じなかったのが母上。
「いつも言い訳からじゃ」
「好きになったおなごがいるから一緒になりたいと何故言えぬ」
忍法アロマテラピーもばれて祝言は認めませんモード発動!
母上は義姉上の前で「信幸に子ができなかったら」
梅ちゃんに「あんな家柄の子」
姑とパパ上に「人質になりたくない」
自分の周りを京趣味で固めている
と万遍なく全体に対してひどい感じなんですけど、憎めないキャラですね。
京趣味を許しているのはパパ上が母上を愛しているからでしょうし、母上もそこはわかってるから「では、おやすみなさい」みたいなことになってもきちんと慕っている感じはある。でも人質は嫌だよね。パパ上から離れるのが嫌なのか……?

  • きりに報告しない

うん……関係が薄いって信繁は考えていて他意はないんだろうね。でも「おまえが喜んでくれると一番うれしい」って言う。

  • 黙れ小童出ない

パパ上の兄ちゃんへの無茶振りは黙れ小童が出るか出ないかを判断材料にしようとしたな……?
肌つや→うなぎ→浜松
これまでで一番超絶にくだらない発言だったのに「だまこわ!」が来なかった。それでははーんとなったパパ上と出浦殿。でもそれをセンサーにしたけどだまこわのことは会話に出さないし、その後室賀殿がだまこわって言うこともなかったし、それっぽい何かも一切なかった。わざと言わせなかったのか。ううん、やるなあ。
これで室賀殿は真田にさぐられてることに感付いたわけだけど、決心が定まってからはかっこよかったな。

  • 昌幸「祝言を謀略に使おう」

信幸兄ちゃんがすごくやるせない顔をしていた。信繁に祝言をやる報告している時もいい話をしているのに全然まったく浮かない顔。

  • 梅ちゃんこわい

「源次郎さまはもう私の旦那になったんだし」
「きりちゃんの気持ちがわかるから」
「一緒に飲もう!」
一個一個は別に悪意があるとは言えない……。結婚するという人によその女性がべったりしているのはおかしい。他の2つも気遣いとも取れる……しかしそうでもないとも取れる……。

  • 祝言だというのに死ぬほど怖い顔してる出浦殿

T/O

  • その後の昌幸

うしろで大騒ぎになってるのに、碁盤の上の小刀をじっと見ていた。さすがに今回こそは思うところがあったらしい。

  • 秘伝の雁金踊り

これ三国志大戦戦国大戦だと「効果終了後撤退」って書いてあるやつだ。
いつもの義姉上を見ているからみんなも「義姉上が?!」ってなってその場から離れられなくなる。倒れたら困るし。義姉上はなんか普段から思い込みが激しいわご飯すらよそえないわなのにその義姉上を信用して任務を授ける兄上はいかしてるし実際途中までは成功していた。おばば様もすげえびっくりしてた。
なお義姉上にあたる人(清音院)は早死にしていないという説があります。それによると死去は1619年だとか。小松殿(稲姫)が嫁ぐ前に病死したという説もありますが、清音院が小松殿の輿入れを不愉快に思ったという記録もあるそうで。長男信吉は1595年生まれですが、清音院の子であると言われます。真田太平記では清音院は黙殺されています。

  • 忍法殺人剣

さすが昔から殺陣が叩き込まれている井浦寺島さんだぜ。異様にかっこいい。あとイカすニンジャ登場と、あの昌幸の部屋の掛け軸の裏の仕組みね。室賀殿への初太刀と止めは井浦殿だけど、この人も国衆で、室賀殿と元々の立ち位置はあんまり変わらん……。そしていち早く昌幸の家臣となった人だ。高梨内記を高梨政頼の子孫と見るなら(信憑性は微妙)この人も川中島の北の国衆が真田の家臣になった人だし。
しかし井浦殿が忍法殺人剣なのに対して佐助は忍法アロマテラピー。殺人剣やってる間踊ってたし……。まあ忍法全力押し通りとかもあるしね。

  • 室賀殿「『詰み』である」

徳川から昌幸殺害を依頼される
 →断る→徳川に殺される
 →受ける→失敗する→昌幸に殺される
 →受ける→成功する→徳川「功臣真田を僻んで殺すとは卑怯千万!」誅殺される
もう死ぬしかない。
誰だ徳川を真田丸の癒しパートだって言ってたの!!
長野新幹線もない時代にえっちらおっちら浜松まで行って「やっぱ無理っす。昌幸は幼馴染だし」って言っても本多(タヌキ)には許してもらえないし。腕利き二人を付けるって、その二人は昌幸でなければ室賀殿を殺す役目なのだ。大体、幼馴染だから殺せないっすみたいなことを言うのは戦国時代の指導者にあるまじき発言なのだ。相応しくない。昌幸がピンチになるたびにちょっと優しい声を掛けてた室賀殿は善意もあり、昌幸の書状を奪うように小狡くあり、そして昌幸に大きな対抗心があるものの、認めてもらって対等に働くのは大いに意に適っていたのだ。
だから昌幸の「家来になれ」はありえなかったのだ。
「儂の勝ちじゃ」
これも決して負け惜しみではないのだ。碁ではいつも勝ってた。今回も勝ち。「家来になれ」ありえない。家来にならない。昌幸の意は通らない。昌幸の勝ちではない。だから、儂の勝ち。

  • 役目は果たす大人たち

状況を理解させるためなぜ室賀殿を殺したか、そして自分が殺したことを高らかに宣言する出浦殿。
信繁は無関係であることをきり梅に伝えるため自分の策だと宣言するパパ上。

  • きりは犠牲になったのだ……犠牲の犠牲にな

室賀殿はVITに極振りだったみたいで結構斬られてもゼイゼイ喘ぎながら結構生きてた(すごい演技だった)。出浦殿が介錯したところへ信繁と梅を連れてくるきり。
「あなたたちこれでいいの?」
私は思う。「余計なことを……」戦国の世なのだからこんな陰謀は仕方ない。生き延びていくため。甘っちょろいことを言ってらんないんだよ。でも、それはそうとして、きりがこう言ってくれないと「これでよくない」ことが起きたことをきちんと認識できたか。
あるいは私が想定する現代の感覚で視聴している人が思う。祝言を謀殺の材料にする昌幸は本当にひどいやつ。そこへきりが信繁と梅を連れてきてやいのやいの騒ぐ。鬱陶しい。騒ぎ過ぎ。戦国時代なんだし少しはしょうがないんじゃないか?
きりは道化役として視聴者の意識の片寄りをノーマライズしようとしたんじゃないかなーと。

  • 策の暗黒面に落ちた信繁

春日信達を平気で犠牲にした策を拒絶した信繁。その信繁がまた策を手にしたのは梅に大切な人を守るためと諭されたからではなかったか。それで前回は戦芝居でうまく行った。うまく行って調子に乗った。父上に「人質が増えるよ」と言い梅には「実質正室」と言い、母上に忍法アロマテラピーを仕掛けた。策使いまくり。策使いまくってたからきりに連れられ室賀殿の亡骸を見たら即刻理解した。策のための祝言だった。見抜けなかった。自分は未熟だった……と思った。
そこには大切な人のはずの梅への気持ちがない。何のための策だったのか。主客が逆転してしまった。「あなたたちこれでいいの?」と言われてようやく気付いた。
これで徳川とは本格的に手切れ。北條は頼れないので上杉に頼るしかない。自分が一度は策の暗黒面に落ちたと理解した信繁は次回からどう動くのか。
一方梅ちゃんも「春日様は気の毒だけみんなのためには仕方ないよね」と言っていたら自分も巻き込まれたのでありました。

  • 海野一族と村上一族の戦い

海野一族とは風林火山でちらっと触れられていましたが滋野氏の後裔、摂関家の荘園であった海野荘(小県にある)のガードマンから分かれて行った一族。禰津・望月・真田がそう。
これと長年抗争しているのが村上氏。村上義清の村上です。清和源氏から分かれた氏族で、分家は出浦・室賀・屋代。
真田氏は一度村上一族に負けて真田郷を追い出されているんですよね。その後武田氏の協力を得て逆襲し返り咲いたという経緯があります。千曲川を挟んで北が室賀、南が真田。そう考えると出浦殿の思い切りがすごいなーと思わされます。
ちなみに村上義清武田信玄を2回も大敗に追い込む猛将でしたが、昌幸の父真田幸隆の計略にかかり敗退、屋代氏と室賀氏を引き抜かれ勢力を維持できなくなり上杉の下へ逃げ出しています。

これまで無名だった室賀殿が登場するらしいですよ! やったね小童!