真田丸 第10話「妙手」

  • 時系列の整理があるようです

今回は天正11年(1583)年のお話ですが、前回と今回を含めて話の流れがわかりやすくなるように出来事が前後して整理されているように思われます。

  1. 真田の虚空蔵山城攻め:3月
  2. 上田城着工:4月
  3. YAZAWA、上杉に従属:6月
  4. YAZAWA、北條の使者を斬る:7月

注目は3番ですね。もちろんこの頃昌幸は表面上徳川に属しているので、わけがわかりません。上杉も何あいつとなってて、YAZAWAさんが北條の使者を斬って報告したので、あっぱれ忠臣であると返事をして、ようやく信用したとのことです。矢沢と真田は別の家と認識してもらえたのでしょうか。
ちなみに真田信尹おじさんもこの頃は加津野昌春という名で、加津野家当主だったので真田とは微妙に距離を取った動きができたようです。やっぱり昌幸と従属先が違う時期があります。

沼田の帰属問題、沼田だけに本気で泥沼になるというか、ある意味関ヶ原まで揉め続けるし、北條の滅亡のトリガーになるし、当事者でない徳川(パレスチナではイギリス)が帰属を勝手にダブル約束してしまうところまでパレスチナにそっくりです。
まあ係争地自体は結構広いのですが結構山がちでそこまでうまみのある土地ではないんですけどね。しかし江戸時代に入りここが14万石あると言い出した(実際は3万石だか6万石程度だったという)人がいて……。
ちなみに真田(武田)の支配直前は北條が支配していました。その前は上杉(長尾)。

矢沢頼綱大叔父さんは真田幸隆の弟です。真田郷の隣にあって敵対していた矢沢郷を支配する国衆の矢沢氏に養子に入り真田から矢沢となり敵対関係が解消されました。
信玄時代に岩櫃城攻略で活躍し、岩櫃城代を務め、さらに勝頼時代には沼田城を攻略し、その功績で沼田城代に任じられました。つまり真田の上州領はYAZAWAさんのライフワークだったわけですね。

それを何の見返りもなく北條へ渡せと言われても、徳川の約束違反でもあるし、「やなこったいでござる」ってなもんです。

で、今回のYAZAWAさんの戦いですけど、2000に500で勝ったとか3500を500で敗走させたとかわけのわからないことが記録に残ってるんですけど、敗走させたってことはどういうことかっていうとこれ野戦なんです。籠城戦じゃないんです。ますますわけがわからない。まあこの記録というのが『加沢記』という後のお兄ちゃんの家の書記が著したものなので色々盛ってる可能性はあるのですがいずれにしろYAZAWA軍が北條軍より多い兵を動員できるはずがないので寡兵で勝っていることは間違いないんですよね。

何せYAZAWAさんはマジカルスピアを持っていますからね。名を小松明と言い、光り輝いては夜道を松明のように照らし、空間を切り裂いて輝く焔を呼び出し、この炎の中にYAZAWAさんが入ると敵から姿が見えなくなり奇襲し放題というもの。このマジカルスピアは今回話題に出た虚空蔵山城がある虚空蔵山に鬼神が住んでいてみんなひどい目に遭っていたのでYAZAWAさんの父海野棟綱が水内八幡宮に参拝してどうか鬼神を倒せますようにとお祈りしたところ授かったものだといいます。

こんなチート性能の槍があれば大勝利ですよね。ネットの歴オタの一部では設定盛り過ぎの槍のため「ラノベ槍」として知られています。

  • 兄上

兄上久しぶりにスポットが当たったと思ったら胃が破壊されてた。父上に無茶ぶりされ弟に押されてまた寿命が縮まったな。しかしかっこよかったな。ライダーキックに危機感を覚えていたけどナレーションの通り舅になっちゃうんだよなあ。また寿命が縮まるなあ。

  • 人質

家康はおとりばあ様を返却して沼田の件よろしくと言います。うまいですね先に恩を売っておく。これを「沼田を差し出すまで人質は返さん」と言って、沼田が帰ってこなかったら示しがつかないので徳川は人質を殺さなければならなくなります。そしたら真田との間は修復不能になります。そこまではしたくないし、ということでしょう。

  • 女の戦い

薫ママが人質イヤーッって言ってるのに人質にするための嫁を信繁にみたいなこと言っててああんこの人も血は入ってないのに真田でしたわと思いました。

徳川の金で徳川を2回も〆る城を作らせるのですから昌幸はほんとナイス度胸というか。ちなみに徳川が攻めてくる前に上杉に「防備を整えるため城を改修します。改修費用を出してください」と依頼して実際に出してもらうので本当に人の金で城を建ててる。

  • 精神コマンド「必中」

やりおるわい。

  • 策……とはなんですか?

「策をもちいる」「どうすれば?」「知らん」
さすがやで。でも普段自分がアドリブで策ってるから信繁にもできると思ったんだろうな。うん、ろくでもない。

  • きれいな景勝

そしてあの直江である。直江が斬れって言ったら景勝がまだ何も言ってないのにぶっ殺し態勢なんだもんな家臣。

しかしこの景勝にあの直江、お互いに不可欠なのが凄くよくわかる。すごく良い景勝と直江ですよ。出番多くないのにこりゃあ片方だけじゃダメだわあってしみじみと思わせますね。どんだけキャラ立ってるんだ。

今回景勝は信繁の度胸とまっすぐさを買ったわけですけど、この取引上杉にも得があります。周囲の大名は上杉は新発田の叛乱で大ピンチと思っているところへこの噂が広まれば余力あるじゃんとなり、周囲から警戒されるようになり、上杉殴りチャンスと思われて攻め込まれる可能性が下がります。

あの直江の顔である。眼光だけで人殺せそうな感じでしたわ。
「ちょっとでも変なことしたらすぐにぶっ殺してやるからな!」と言わんばかり。
この役者さん4年連続大河出演らしく、しかも風林火山にも出てたそうなんですけどうーん気づきませんでしたね。ほんと完璧な直江です。
「猿芝居じゃ」
直江的にはこんなの策の内に入らねーってことなんでしょうか。それとも策は良しとして景勝を丸めこんだ信繁が気に入らんということでしょうか。

  • 室賀さんピンチ

家康に「昌幸殺そうと思うんだよね」と言われたら従わないと殺されるのは室賀さんだし、室賀さんが昌幸パパを殺そうとしても相手があの表裏比興でしょう? 詰んだな……。