【ネタバレあり】真田丸8話 調略

みんなこの人がラスボスだということ忘れますよね。なんなの。でも頭は回る。

  • きりの梅へのマウント

梅の応答の最後にいちいち(棒)って付いてるし最後にナタドーンで怖いっす! そう言えばこの子強いんだった。しかしこのバトルも最終的には二人とも信繁の側室に収まるということでイーブンなんだよなあ。

  • さくべえ

おっこの武力8知力2感いいですね。何げに梅は敵は上杉ってきちんとわかってるのね、賢いのね。

  • 妖怪汁かけじじい

「わしは食べる分だけ少しずつ汁をかけるの!」量が判らないんじゃないんだよというアッピル。たしかにこの氏政は有能感ありますし脚本の三谷氏は歴オタなので「これくらいは知ってるけどアレンジして使うもんねー」感。
愉快な感じで信濃衆と氏直の会議に出てきてフレンドリーさを見せ良く知らないのに昌幸にリップサービスをしながらも「海津城安堵に一筆」って言われた瞬間表情が変わった。すぐに戻ったけど。

役者の前川さんは風林火山で山縣昌景やってた人ですね。字幕でコウサカ弾正が高坂弾正じゃなくてきちんと香坂弾正になってた。こだわりですね。しかしあの香坂弾正の息子にしてはピュアい。その分悲しい……。

  • 信繁の調略

「北條氏直は信玄公の孫だし! 武田に恩を感じるなら北條へ!」
んでも景勝も信玄公の婿なんですよな。
「武田の遺臣の誇りを胸に、父が沼田と岩櫃を取り戻したようにあなたも海津城を!」
これは結構効いたっぽいけど、叔父さんは理屈が立ち過ぎたと。パパも「面白くなければ人は動かん」って言ってたしなあ。

  • 極悪昌幸パパ

めまいがするほど悪人! すごい! 先週はきりがうざかったのを弾除けにしてましたけど今回はきりがいないので大変なことになってた!

  • 昌幸が信繁を調略に使った理由

信繁は綺麗な話だけで説得しようとして純粋だから昌幸は使おうとしたんだろうなあ。それがだめなら信尹を使うと。二段構え。信繁の気持ちとかどうでもいい。

  • 叔父上

信繁が「叔父上のようになりたい」と言った時は嬉しそうな顔をしていたのに「わしのようにはなるな」おお……。
この頃は加津野信昌と名乗っていたという話もありますね。真田と距離がある感じは出ていたのかな? 「兄には愛想が尽きた」と言ってましたが、他国との取次(外交窓口)やってた人がその国へ出て行ってしまうのはわりあい良くあった出来事のようですね。たとえば、石川数正とか。

  • 暗殺

信尹叔父さんは意外に仕事に徹していない。ちゃんと海津城をゲットした嬉しさを味わわせてから殺した。それも背後からではなく正面から。まあ正面からはアリバイ作りのためかも知れませんけど……。
「ちょっとちょっと室賀泉くん! 信達さんのこの脇差おかしくない? だって信尹さんだっけ、あの人に裏切りがばれて脇差で斬りかかったんでしょ? それでどうしてこうなるの? おかしいじゃない!」

  • 北條の撤退

まあ策が割れたら進む気もなくしますよね。しかも昌幸パパが「ノリと勢いで攻めようぜー」とかわけのわかんない煽りをしたらなおさら。北條は反転。徳川泣き顔。真田はこんなところでも他所に迷惑を掛けている……。
室賀さんが「また会おう」とか言ってて意地は悪いけど悪人じゃないんだよな、時々昌幸に飛ばすアドバイスは割と正しいし。

  • 北條の書状

熊野牛王符の裏に書いてますね。昔から武家が大事な書状に「これで間違いないっす」と誓う時に使う由緒あるものです。たとえば義経腰越状がこれに書かれていたという伝説もあります(あくまで伝説)。
しかしこんなの氏政が「滝川の背後は襲いません」とかメールして違約してるのを真田家は知ってるんですよ。なのにこれを渡す。

  • きれいな景勝

信達を磔にするのは兼続の発案。景勝は良い人。でも磔にするのはやめようとは言わない。磔にする必要性はわかっている。信繁には「悲しいなあ」と。
対してあの兼続の目! 真田は上杉に属しますって言ってた時も凄い目してたけど今回は特に凄い。直江任三郎兼続として捜査に乗り出されたら叔父さんも信繁も閻魔送りですよ。というかすでにロックオンされてる感じ。古畑が相手だったらもう逃げられないし。
しかしこの景勝にこの兼続。兼続がいないと景勝ヤバいのよっていうのが凄くよくわかる。兼続出番少ないのにこの無闇なキャラの立ちぶりったらないし、うちの奥さまも今回初めて真田丸をしかもこのシーンだけ見たんですけど兼続が兼続だって一発でわかったし、素晴らしいですね。

  • 外道パパ

「いやー風呂って酒かっくらってきたー」
「暗殺の後の酒もまた一興……」かよパパ! パパ怖いを共有した兄弟が膝くっつけるほど近くてパパからは遠いじゃん! どん引きですよ!
信濃信濃の国衆が治めるべきなの」
何の罪もない信濃の国衆を殺しておいてこれである。

  • 歴史創作についての私の好み

私の好みなんてどうでもいいことだと思いますけど、少しだけ聞いてください。
最上は色々想像して創作したけどこれを歴史書に残すと考えると書かれた歴史書は……おっ、実在の歴史書の通りだ! というものだと思っています。

今回がまさにそういうやつです。

記録に残っているところによると「春日信達は上杉に属していたが北條・真田昌幸に内通していたのが露見し誅殺された。それを知った北條は撤退した」ということです。

今回の真田丸の話、昌幸の謀略が露見しなければその辺は当然記録に残りませんし、些末なことは記録されませんし、部下がやったことはしばしば上司の事績として記録されます。極端な話をすると「大坂城を建てたのは誰?」「大工」ではなく「豊臣秀吉」となります。この理論により信尹おじさんが斬ったを景勝が誅殺したに変えれば今回の話の通りに事実が存在した場合に残る記録は今我々が確認できる記録と変わらないのです。
記録に対して忠実に、しかし行間は死ぬほど膨らませるよ! このやり方に私は唸ります。今回はその極みに達していたと思います。素晴らしいです。
ちなみに、次に好みなのは「なんかはちゃめちゃやって全然違う話になってるみたいだけど大筋は合ってる」というやつです。覇-LORD-がそうです。覇-SOUL-は違います。覇-LORD-劉備華雄が日本人で大喬小喬がローマ人で孫策孫権に暗殺されて孫権周瑜に〆られて周瑜が呉のメインになってとむちゃくちゃですが巨視的に見るとだいたい我々が知ってる三国志のあらすじになってて首をかしげるんですよねえ……覇-LORD-の最後で曹操献帝の首を刎ねてしまって覇-SOUL-に変わったら三国志のあらすじから外れてしまいましたけど。