やる夫スレ

スレッドそのものを覗いたことはほとんどなく。もっぱらまとめられたものを見る立場ですが。
あれは既存のキャラクターの AA を使うので、そのキャラのバックグラウンドを利用して登場人物の性格が大体どんな感じであるかの説明を省くことができるのと、それを逆手にとってギャップを楽しむということができるのが利点なんでしょうね。あとはバックグラウンドを利用したギャグが使えるというのもありますか。
そういったところを省力化できる分別の所に力が入って、大変面白い感じになっているのが時々ありますね。私はもっぱら歴史ものばっかりあさっています。これまでこんなの物を読んだり現行で追っかけていたりしています。
まとめブログみたいなのは何か複数あったりするので、直リンはせず、タイトルだけ書いておきます。タイトルで検索するとヒットするはずですので、見やすいところを選んでご覧いただくのがよろしいかと。

初めてきちんと読んだやる夫スレ。戦国中期からの通史みたいになっています。戦国時代の流れを把握するのに適していますし、配役がとことん巧みで感心します。たとえば秀吉が最初はみんな良く知ってる姿のナルホドくんで出てくるんですが、後年ボケてからは逆転裁判4のダルダルナルホドくんになってしまうとか。一番ツボに入ったのは中村ノリのきたないサイドときれいサイドを切り替えて出てくる織田信雄

  • ハンニバル・やる夫・バルカスがローマに喧嘩を売るようです

ハンニバル? トラキアの盾?」とかそんな高校時代を送っていた私にもハンニバルの半端なさやそれを超えるローマの半端なさを理解させてくれた作品。戦争は数でもないんだよ兄貴! ハンニバルの戦術は面白いですね。作中では図を多く用意してそこをきちんと解説しているのがすごく良いです。

光武帝って『ぼくのかんがえたさいきょうのくんしゅ』だよなー」と思っていたのを、強化してくれた作品。大変わかりやすいと思います。光武帝を扱った小説は少ないので、このあたりの流れを知るにはすごく有用かも。わりとオンリーワン的作品。光武帝と言えば読売新聞連載中の「草原の風」もよろしく。貴重な光武帝小説です。

  • やる夫が「奸悪無限の武将」宇喜多直家に仕えるようです

宇喜多家はかなり好きなんです。『采配のゆくえ』と『国盗り頭脳バトル信長の野望』の影響ですけど。その宇喜多家をドカンと成長させた宇喜多直家にスポットを当てて丁寧に解説していたんですがストップしてしまいました。残念。

  • (新・)関が原戦線異常アリ

関ヶ原の戦いは、開戦前からわりと東西どっち陣営なのかどの大名もわりと前々から旗幟が鮮明で、予定通りに関ヶ原で激突した……と思われがちなのですが、あんまりそうでもないんですよね。まず関ヶ原の前に「上杉討伐」というイベントが予定されていました。それに参加するために日本各地から軍が動いたわけですが、その時に西軍が挙兵しました。元々家康シンパで、上杉討伐のために移動中だったんだけど、移動中に周囲が西軍だらけになってしまったので西軍に投じるはめになる大名は結構います。他にも東軍について戦おうとしたら娘婿が猛反発して家中が両サイドに割れる家があったり、日和見を決め込もうとした家に挟まれてなんか良くわからない内に潰される家があったり、家老をガン無視で調略されてしまった殿様が独断で旗幟鮮明にしてしまった家があったり。
日本全国がわけわかんない状態だったのが関ヶ原開戦前夜なんですね。そこであった変な話とか残念な話とかダメな話とかを一つずつ追って行ったのが関ヶ原戦線異常アリという作品です。きちんとした語り口で評判が良く、ファンの期待に応えて通史的にまとめ始めたのが新・関ヶ原戦線異常アリです。これはまだ継続中。「関ヶ原の原因からきちんと説明する」ということで、小早川秀秋の誕生からスタートしています。幕末を描くためにずっと前の時代からスタートした『風雲児たち』とか、1巻の最後にようやく子供時代の曹操の祖父が登場する宮城谷『三国志』のような凄みがそこにあります。

世界樹なんてクソ危ない職場で働いてるなんてワープアだろ!!」みたいな夢も希望もない感じのスタートをする本当も恐ろしい世界樹の迷宮みたいなお話。

上述の世界樹2スレと同じ作者の作品。
以前、友人と「ミネルバ王女って三国志とか信長の野望的に能力値の設定をしたら結構やばいよな」みたいな話をしていたことがありました。
ミネルバ王女は血筋的には正統、前王の兄を殺して王座についたとはいえ、兄は父王を殺したわけですから、正統性には全然問題がない立場。軍で活躍した実績があり子飼いの武官も少なくはない。わざわざ苛政を布くとも思えません。そんな立場なのに、クーデター成功されてしまうとかどんだけ……というお話。統率/戦闘あたりにはまあまあいい点は与えられそうですけど、知力/智謀、政治あたりはかなりやばい点数がつきそう。(個人的)武力もあれだし、魅力も見方によっては……。
そんなことを考えていた時期に出会ったのがこの方の、紋章の謎の小説でした。ゲームの本編は後世編まれた物語であり実際の歴史は異なる。本編はいわば「三国志演義」であり、実際に起こった出来事とは異なる。マルスに都合の悪いことは演義にも史書にも残らぬ。これは実際に起きていた出来事、という設定で書かれていたものでした。マルスは奸物、シーダは調略達者、マリクは変人で、アストリアは二股膏薬、ミネルバは無能、ガーネフは平等主義者でメディウスはでかいトカゲ、そんな内容でした。現在はもう公開されていないのですが大変面白く読みました。
その設定を引き継いで(引き戻して?)、暗黒竜と光の剣でその話をしているのがこのやる夫スレです。ペガサス三姉妹がでっていうだったりするところに複雑な思いがないではないですが(笑)、すごく面白いです。現在も継続中。

魔法少女チームが世界樹を攻略するのかなと思ったらメインメンバーにはマミさんしかいなかった。他のメンバーも死亡フラグ立てには提供のあるキャラばっかりで毎回全滅オチ。ただコーラサワー死亡フラグは立てるけど原作では死ななかったのでその辺は安心。コーラサワーに加えてグラハムエーカーとかミツルギ検事とか私の好きなキャラがバンバン出てくるのでそれも良かった。途中から登場するさやかは大変打たれ弱いんですが代わりに殺しても死ななさそうな感じなので安心して見ていられます。それも良いです。これ読んでてマミさんへの好感度上げてる私は何か間違っている。現在も継続中。

歴史とかゲーム関連しかほとんど見ないんですけど、面白いのをご存じの方は教えていただけるとすごく嬉しいです。