まどかさん11話

何回見返したんだ私は。なんかねー見返してると11話でほむらがワルプルギスとスーパー火力バトルやってるあたりで毎回地震起こったんでちょっと怖かった。
以下畳みます。

「お手柄だよ、ほむら」

キュゥべえ魔法少女の魔力は背負った因果の量による」「ほむらがまどかを救うために何度もループしたからまどかの背負う因果は増し、魔力は膨大なものとなった」「お手柄だよ、ほむら(エネルギー回収の効率が非常に良くなった)」
まどかの魔力が増していったのはこれが原因だったのですね。
それはともかく、ここのキュゥべえは非常にうまい。何がと言うと、この話自体はまどかが魔法少女になるかどうかとは直接関係ないんですから。そりゃキュゥべえから見たらおいしい獲物になりますから、営業攻勢は激しくなるでしょうけど、それだけ。今回はここまでまどかを守り切れていたわけで、ほむらは「それが何。まどかは絶対魔法少女にはさせないし、魔女にもならない」と返しておしまいの話のはずです。それを「お手柄だよ、ほむら。君がまどかを最強の魔女に育ててくれたんだ」と決めつけることにより、ほむらの行動によりまどかが魔女になってしまう運命を強固にしてしまっている、と勘違いさせています。

「君たちは今でも、裸で洞穴に住んでいたんじゃないかな」

まどかが魔法少女システムを否定することができないという枷がここで嵌められました。いくらまどかが万能たりうる魔力を備えたとしても、この枷によって何もかも解決してハッピーエンドとなる道が閉ざされました。

「本当の気持ちなんて、伝えられるわけないのよ」

伝えてるし!

「わけわかんないよね、気持ち悪いよね」

自覚があってよかった!

茶化すのはこの辺にしておいて。
「私ね、未来から来たんだよ」の演技がやばかった。なんか10話でまどかを撃つシーンもすごいし11話12話はスーパー斎藤千和タイムだったように思います。もう斎藤千和じゃなかったら滅茶苦茶になってたんじゃないのって勢い。悠木碧もなんかずっとすごいしなんなの。

ほむら vs ワルプルギスの夜

ほむら「杏子の顔を立てておいただけよ」
あれ本当だったのかよ! と思ってしまう展開。
あの戦場で杏子ができることって何だ……使い魔を片付けてほむらの邪魔をさせないぐらいじゃないのか……。
あるいは魔女は単純な物理攻撃と比較すると魔法攻撃に弱いのかもしれませんね。

あたり一面に展開されるバズーカと RPG

これは室町時代から伝わるショーグンスタイル*1
じゃなくて(そうだけど)、これはマミが見せたスタイルですね。
このスタイルは巴マミの弟子ともいえるさやかも見せたやり方で、そう考えると、ほむらもまた間違いなくマミの弟子であったわけです。
しかしこのスタイルは巴マミにおいても、美樹さやかにおいても、室町将軍足利義輝においても、あるいは惣流・アスカ・ラングレーにおいても負けフラグだったんですね。あのスタイルを見て「やばい!」と思った方も多いのではないでしょうか。

まあ、それはそれとして、ここからのシーンは圧巻でしたね。時間停止から無数の砲弾を見舞い、川べりに配置した迫撃砲で次々と攻撃を仕掛け*2、マジカル☆タンクローリーに対艦ミサイル! で、無数の爆弾。笑っちゃうくらいの必殺技です。一挙放送のため、この後の最終回のインパクトのせいででさほどネタにはならなかったようですが、11話の後1週間あいていたらここめちゃくちゃネタにされたと思いますよ、というほどの大迫力でしたね。
でも、ノーダメージ。

まどかとキュゥべえ、まどかとまどママ

「お前まだ俺に聞きたいことあるのかよ。俺の言葉はお前に対してもう意味なんか持たないだろ」とか言いながら、「なら実際に見に行くしかないよな」と言うキュゥべえ。ほんと、勧誘がうまいとしか言いようがない。
自分の発言がもう信用されないであろうということすら材料にしています。
まどか「ほむらちゃんは勝てるの?」→QB「勝てないんじゃないかな」→まどか(騙そうとしてるんじゃ……)
まあこうなりますわな。でも実際に見に行けば状況は歴然ですし。
まどかママは階段にいる娘の頬を張るとか背中を押すとかマジで危ないと思うのでやめてください。
「誰かの嘘に騙されちゃいねーな?」
力強く頷くまどかを送り出すまどママ。本当に自分の意志で決めたことならば、止める理由はないってことでしょうか。ただ、直前の「消防に任せろ」があまりに現実的だったので、そこを考えると「そうなるかぁ?」と思ってしまったのも事実。
あと、これってまどかママは全然救われない結末に。本人には自覚はないだろうけど。

ほむらの絶望

ワルプルギスの夜はほむらの現代科学を駆使した攻撃にもまったく傷ついているようには見えません。というか、こいつどうやって倒せばいいんだ。ここまでやっても無駄ならもう核とかも効かないっぽいし。以前の周回では4周目は勝利確定*3でしたが他の周回でも相討ちくらいには持って行ってるパターンもありそうな感じ(ただしそれは明言されてない)ですが、どうやったんでしょ。もう過ぎ去るのを待つしかないのでは……。ワルプルギス戦が終わった後でも1周目のほむらは生存していたし。その場にいる者すべてが命を失う災厄ではない。
しかしそれはほむらには許されないのであって。
ワルプルギスの夜の行く手にはまどかの避難所があって。そこへは辿り着かせまいとほむらは焦った! これが(普通の魔法少女なら)命取り。
ビル投げの大技を受けてしまうことになり、得意のタイムストップを発動させようとするも、不発。
これはほむらの魔力が尽きたのではありません。このタイミングではほむらのソウルジェムはあんまり濁ってないので。ほむらの盾、通称ほむスピナーは形状こそ盾ですがその本質は砂時計。「1ヶ月の時を計る砂時計で、その流れを止めることにより時間を停止させるのがほむらのメイン魔法です」(虚淵氏の発言意訳)ここでは、既に1ヶ月は過ぎ去り、すべての砂は落ちきってしまったために時間停止が発動しなかったという認識でよいと思います。
砂が落ちきった後は砂時計をひっくり返すことにより1ヶ月の時間を遡行できるようになります。
なので脚を挟まれ動けなくなったほむらはまた時間遡行を発動させようとしますが、ここで冒頭のキュゥべえの発言がストップを掛ける。
「繰り返せばまどかの因果=魔力が増えてしまう」
見事にトラップが効いています。ほむら個人の事情のみから考えたらここは間違いなく時間遡行発動で OK のはずです。それによってまどかの魔力が上がって何が困るかというと、せいぜいキュゥべえのまどかへのアタックがしつこくなるくらい。それにしたってうっかり契約されたらまた時間遡行でいいんですよ。これまでと何も変わらない。
だけどキュゥべえの罠により「自分のせいで、まどかは魔法少女になる運命から逃れられなくしまっている」とほむらは勘違いし、絶望してしまいます。ソウルジェムが急速によどんでいきます。
ここで右側にキャストって出たじゃないですか。この話はここでおしまいってことじゃないですか。とりあえず今回の話の中でこの流れにはもう妨害が入らないと思うじゃないですか。
多分この時ほむらと同じような顔してたんじゃないかなあ。このシーンはそれだけやばかった。
でも実際はまどかが駆けつけるのでした。もう、テロップによるテロとしか言いようがない。ここでまどかが駆けつける前に話が終わって、しかも1週間待たされていたらどうなっていたことか。
駆けつけたまどかはキュゥべえを伴っており、その意味をほむらが悟らないわけがありませんでした。

*1:剣豪としても有名な室町幕府将軍足利義輝は反乱に遭い、屋敷に追い詰められた。そこで義輝は多数ある秘蔵の名刀を自分の部屋に突き立て、押し寄せる敵兵を斬っては、なまくらになった刀を捨て、立ててある刀を取ってまた敵を斬るも、ついには力尽きて倒れたといいます

*2:ここで飛んでいた紙に計算式が書かれているので、おそらく迫撃砲の弾道計算をしたのかと。迫撃砲の弾道計算は大変面倒くさいらしい

*3:ただし試合に勝って勝負に負けてる