キャメロットを覆う影

土曜日にボードゲーム会を行いました。
参加してくださった皆様、ありがとうございます。

キャメロットを覆う影

アーサー王伝説を元ネタとした全員協力型のボードゲームです。

プレイヤーはアーサー王を含む7人の円卓の騎士の1人となり、キャメロットを襲うさまざまなトラブルと対峙します。
エストを成功させると円卓に白い剣が現れ、失敗すると黒い剣が出現します。円卓に12本以上の剣が並んだ時、白の剣が過半数であれば円卓の騎士の勝利です。逆に、円卓に7本以上の黒い剣が並ぶ、円卓の騎士が全滅する、キャメロットの周囲に12個以上の攻城兵器が並んだ場合、円卓の騎士は敗北します。

上級プレイでは0〜1人の裏切り者が円卓の騎士の中に紛れ込みます。裏切り者は円卓の騎士が敗北した場合に勝利します。この0〜1人というのがいやらしいところで、いない敵を警戒してしまうこともあるのが恐ろしいルールだと思います。

通常通りに1回、上級ルールで1回プレイしました。

1回目(通常ルール)

円卓の騎士は6人。騎士はそれぞれ異なった特殊能力を持つのですが、よりによって一番便利な特殊能力を持つアーサー王が欠席。アーサー王は好きな騎士とカードを1枚交換できる能力を持ちます。
このカードはクエスト解決の旅に出てしまうと基本的に補充ができないので、旅に出た騎士にカード補充ができる円卓から必要なものを送り込むアーサー王はわりと重要なのです。

という状態なので、とりあえず円卓の騎士は全員で円卓に留まり、カードを補充限界までためてから出発することにしました。

待ち受ける困難には以下のようなものがあります。

  • 黒騎士との一騎討ち
  • ピクト人の襲来
  • サクソン人の襲来
  • 離反したラーンスロット卿との一騎討ち
  • エクスカリバーの探索
  • 聖杯の探索
  • ドラゴンの退治

各騎士の手番の前に黒いカードが引かれます*1。このカードは、それぞれのクエストに対応しており、大雑把に言うと既定枚数だけカードが引かれたクエストが(普通は悪い状況で)決着するという形になります。

幸いにも、今回はカードが分散して引かれたため、円卓の騎士たちが円卓でうだうだカード集めしている間にもそんなにどのクエストも嫌な状態にはなりませんでした。

カードが溜まった騎士たちは、それぞれ手持ちのカードから自分に適した任務を見出し、クエストに旅立ちます。

ピクト人、サクソン人は4人登場する前に、戦闘カードを1→5と順番に、ストレートの形で出すことができれば勝利します。

黒騎士、ラーンスロット卿、ドラゴンとの戦いでは、それぞれ対応カードが4枚、5枚、5枚引かれた時点、もしくは円卓の騎士がツーペア、フルハウス、スリーカードを3セットの形でカードを出した時点で決着し、出ているカードの合計数が高い方が勝利します。

これらのクエストには戦闘カードを多く持った騎士が向かうことになります。
エクスカリバーは何でもいいのでエクスカリバーのところでカードを捨てるとエクスカリバーを現世側に引っ張ることができます。黒カードのエクスカリバーが出ると黄泉の国へ遠ざかっていきます。あまり放置するとエクスカリバーは黄泉の国へと失われます。

聖杯は聖杯に近づくカードを騎士側は出すことができ、黒カードの中に聖杯が遠のくカードが混じっています。これで一進一退の引っ張り合いになります。

戦闘カードが乏しい騎士らは、こちらのクエストに向かうことになるでしょう。
なお、各騎士は自分の手持ちのカードについて発言してはいけません。
変節漢ラーンスロットの討伐は私にお任せあれ」「聖杯への道、私には見える!」とか、その辺の発言は可能です。

それで、ピクト人やサクソン人を適当に追っ払って、黒騎士やラーンスロットを撃退していたのですが、ずっと1人は専任で誰かが付いている聖杯の探索が全然進行していません。聖杯が遠のくカードがわりとジャンジャン出るので1人で聖杯カード出しているだけでは全然足りないようです。
そんなことをしている間にキャメロットの周りの攻城兵器は地道に増えていますので、1人がキャメロットに居残り攻城兵器を破壊しつつ、他のメンバーはよってたかって聖杯を探しに行きました。
さすが数の暴力、わりとあっさりと聖杯が見つかりました。聖杯探索は難しいのですが、その分白い剣も3本出現させるのでかなり重要です。勝利に必要な7本中3本ですからね。

しかしその間にピクト人とか攻めてきているし黒騎士は気合を充実させ、エクスカリバーも黄泉の国に沈もうとしていました。攻城兵器もこぞってキャメロットの破綻を待っています。

しかし聖杯獲得により白い剣は既に8本を数えていたのです。

「これ以上白い剣は要らないんだし、早く円卓に剣を集めないと攻城兵器が怖いから、 エクスカリバーエストは失敗で良くない?」
「卿こそ奇計百出の言葉に相応しい」

かくして円卓の騎士はエクスカリバーが黄泉の国へ沈むのを全力で見逃し、黒騎士が相手のいないところで大勝利して黒い剣が3本円卓に現れ、これで12本。白い剣が8本あるので、円卓の騎士の勝利となりました。

2回目(上級ルール)

※台詞は脚色されています
今回は裏切り者が円卓の騎士の中に居る「かも知れない」というシチュエーション。
前回欠席だったアーサー王は今回登場しますが、純粋に人手が減るので、しんどそうです。
円卓の騎士はゲーム中1回だけ他の円卓の騎士を裏切り者として告発することができます。成功すれば白い剣1本が円卓に現れ、誤った告発をすると白い剣1本が黒い剣に変色します。
告発に失敗しても黒い剣が増えるわけではないのがポイントですね。先程のエクスカリバー沈没事件のように無闇な告発でゲームを終了させることはできないわけです。

一方、告発に失敗しても黒くなるための白い剣がなければノーペナルティということになります。もっとも、告発は円卓上に6本の剣(色問わず)が並ぶか、6個の攻城兵器が出現してからでないと、行えないのですが。

序盤にアーサー王が提案をしました。曰く「黒カードを引く前に攻城兵器を配置せよ。剣が円卓に並ぶ前、ノーペナルティの内に裏切り者を見つけ出さん」
続いて強力な戦闘カードのセットを持っていたケイ卿こと私は「ラーンスロット討伐は私めにお任せくださいませ」と宣言し、ラーンスロットのカードが増えない内に、カードの補充も待たずに出発することとしました。

各員王命に従い攻城兵器を配置し、円卓においてカードを補充します。アーサー王は各騎士にカードを配分し、返ってくるカードでその正体を見極めようとしていました。

騎士おのおのがカードの補充を終えたころ、キャメロットの前には6つの攻城兵器が並びました。即座に、アーサー王はパーシバル卿を指して言いました。
「汝こそ我がキャメロットを売らんとする不忠者であろう」
果たして、パーシバル卿は闇に魂を売ったものでした。王すげえ。後から聞いたところによると、アーサー王が与えたカードに対し、他のメンバーは全員聖杯カードを返してきていたとのこと。聖杯を効率よく探索するには王から探索メンバーに聖杯カードを与え続けるのが効率的なので、そのセオリーから外れたパーシバル卿を怪しいと睨んだのでした。
「しかし単に聖杯カードが手元になかっただけかも知れなかったわけだが」「聖杯カードは枚数が多いし、もし失敗してもペナルティがない状況だったから」(これは間違い、王のお言葉がコメント欄↓にあります)
王は英明におわしました。
しかし、正体を見破られたからと言ってパーシバル卿はゲームから脱落するわけではありません。むしろいおおっぴらに妨害を仕掛けてくるようになります。これがなかなか辛辣。あるいは、いきなりの告発は得策ではないのかも知れません。
ただでさえ先程より円卓の騎士は1人減っているのです。そこへ強力な妨害ですからたまりません。ケイ卿は早々にラーンスロット卿を倒し告発成功を加え白い剣が3本円卓に現れましたが、しかし黒騎士が相手のいないところで大勝利しており、ピクト人とサクソン人を防ぎきることができずたちまち黒い剣も3本となります。さらに、あと攻城兵器が4つ配置されてしまったらキャメロットはあえなく滅亡です。




続けてドラゴンがキャメロットを襲い黒い剣が5本となります。この間まったく聖杯探索は進まず、サクソン人とピクト人は再度の侵攻を進め、さらに黒騎士が新しい敵を求め雄叫びを上げています。多くの攻城兵器に囲まれ、キャメロットはまさに風前の灯火。

円卓の騎士はマーリンの力を狩りサクソン人とピクト人の兵力を減少させ、当面の安全を確保しますと黒騎士のカードは多いものの点数が低いことに目を付けたガウェイン卿が黒騎士との対決を主張。万が一に備え決着時にカードを1枚余計に出すことができるケイ卿が一騎討ちに名乗りを上げ、黒騎士のカードが揃うことにより決着が付くものの点数が高いカードで勝利を得ます。さらに一致団結した円卓の騎士達は力を合わせピクト人を撃退します。これで白剣5本、黒剣5本。
ここでガラハド卿から「全員でのエクスカリバー探索」が提案されます。エクスカリバーを手にすることができれば白剣が2本出現し、勝利を得ることができます。城の防衛のため居残っていたアーサー王までが出撃すると、総員全力でエクスカリバーに駆け付け命を削ってエクスカリバーを引き寄せます。この過程でケイ卿が命を落としますが*2円卓の騎士達は見事エクスカリバーを手中のものとし、白剣7本で勝利を得たのでした。

なかなか面白いゲームでした。写真の通りコンポーネントが大変よろしいので余計に気合いも入りますし、甘く見るとすぐに苦しくなる戦況に白熱すること請け合いです。各自の手札の内容が秘密情報なので、パンデミックなどで発生する「司令塔が1人で、他のプレーヤーはその指示通りに動くだけ」ということがないのもプラスポイントでしょう。これはファンタジーにちょっとでも興味がある人にでしたら胸を張っておすすめできます。ちょっとお高いのが玉に瑕ですが……。

*1:もしくは、騎士のHPを下げるか、攻城兵器を配置する

*2:HP を削って2回行動ができるので、HP1の状態から使用したのですが、実は死ななくても良かった!