初NOTリアルタイム見

風林火山が面白くてしょうがねえという事実+土曜遊んで日曜は休息に当てるかといった方針を持っている、この組み合わせのためこれまで風林火山は必ずリアルタイム視聴してきたのです。が、上記の飲み会のためにリアルタイム視聴ができなかったので、初めて録画して見たのですね。
気になるところを巻き戻して見れたりして、ほーこれはなかなか、これからも毎回録画しようかなと思ったら45分で容量が2GBときた。これはちょっと……。いや画質落とせばいいんですけど。
今回も面白かったなあ。
まず最初は事後承諾的な形で反信虎派が親信虎派に「もうあんなエロ親父の上に髭と眉が上下左右対称になってる騙し絵みたいな奴には付いていけん!」と信虎追放を承諾させるシーン。
でも実際のところは親信虎派と思えた勢力は、実のところ信虎がハルちゃんを廃して嫡子に据えようとした信繁の派閥でした。で、信繁としては「いや俺別に社長の器じゃないし結構迷惑に思ってたんだよね、兄貴が叛いて良かった」ぐらいの事をいうのでこっちはぜんぜん問題なし。
非常事態に備えて次の間に家臣を詰めさせていたハルちゃんは弟の気持ちを察することができず恥じ入ったのでした。
でもあれですよねこの分なら信虎が「俺の馬は次郎*1にやっちゃったもんねーウヒョヒョ」とか言ってる時にすかさず兄に譲るそぶりを見せたり、正月に信虎が杯を信繁へ一番に授けた*2時にも「いや、その、何だ、困る」ぐらいの対応をしても良かったんじゃないかなあと。そうでないとハルちゃんも視聴者もわかんないです。杯の時は微妙に遠慮しているそぶりでしたけど、でもわかんないです。
で、何か策動してたっぽい、ガチの信虎派と見られた小山田は今川の妖怪ジジイこと雪斎と仲良しだったので、この謀反計画を聞いており、もしやろうと思えば信虎について今川を誘引することもできたんだけど家臣も結束してるし甲斐を無用に混乱させないためにもそれはしないよと宣言。
あら不思議、信虎派は一人もいませなんだ。哀れ。
そんなことも知らない信虎さんはきれいな義元が連歌会で「晴れし心に 戻る甲斐なし」と超絶皮肉を詠んだのに「あーあー、晴信のことね」と壮絶な早合点。
そのことについて信虎は「うまいこと言いやがってこの野郎」とか言って義元を褒めたので、義元と雪斎が二人して超絶コメントに困ってて大笑い。
「何この智才*390……」みたいな、冷たい反応。ひどい。
まあ勝手に信虎は満足してるっぽいのでこのまま甲斐へ返しちゃおう(その前に締め出されてすごすご駿河に戻ってくるけど)ということで、信虎をリリース後騒動なく、もしくは騒動があっても別に惜しくないメンバーからなる回収班を放ちます。

回収班リーダー勘助には武者震い庵原之政が同道を申し出ます。勘助は自分が捨て石として扱われていることを良く知っているので、遠慮しようとするのですがそこへ現れたのが青木大膳。以前勘助を今川家臣と勘違いして自分を推挙してくれと依頼しまんまと騙された青木大膳です。まあ勘助も前回まんまと騙されているのに何でこの子は勘助とまた関わろうとするのでしょうか。一応、今川家預かり牢人状態になっているので騙されたとは思っていないのか、騙されることに快感をおぼえるマニアなのか……。それとも仕官のためなら何でもいいのか。そもそもこの子は勝利条件を間違っていて「信虎を斬れば仕官できる」とか智才20ですか? という武辺ぶり。こんなの連れて行くなよ。
悪の秘密結社今川は別に勘助とかどうなってもいいので好き勝手に無理難題言いたい放題。こいつらは悪過ぎる。あと普段の眼帯は見苦しいからと言って勘助に革製の眼帯を授けるのでした。
場面は移り変わって死の床に就いた北条氏綱。氏綱は死を前にして「義を大切にせよ」とする北条氏綱御書置を若くないことで定評のある北条の若に与えたのでした。それを朗読する北条の若。その音声*4をを背景に締め出しを掛けるハルちゃん軍団が駒を進め、朗読の最後に「その上無道の働きににて利を得たる者、天罰終に逃れ難し」と結ぶところで信虎のアップが入り、そして関に籠もる大締め出し軍団との接触。ここは名シーンです。ぞくぞくしました。一見北条氏綱御書置は信虎のみを批難していると思いきや、ハルちゃんをも批難しているんですよね。ここで天罰終に逃れ難かったのは信虎の方ですが、結局後々にはハルちゃんの方も……。
ただならぬ雰囲気を察した信虎は供の者に「様子を見て参れ」と命じますが供の者も全員晴信に言い含められており、全員関に入ってしまいます。「皆まで行くな!」信虎さん太平洋一人ぼっち。自分も入れてもらおうとすると降り注ぐ矢の雨。そして姿を見せる晴信と、自分が可愛がっていた信繁。二人は口を揃えて「隠居せよ隠居せよ隠居せよ」と。
「板垣! 甘利! 如何したのじゃ! 甘利! 何をしておる! そのうつけ者、晴信を誅せよ!」「飯富虎昌!」「諸角虎定!」「原虎胤!」この辺からパパ半泣き。一字拝領させて恩を与えた家臣が揃って自分に離反しているのです。そして連歌の本当の意味を悟り、現れた勘助率いる迎えの一行に「大儀である」と答えるのが精一杯の虚勢でした。
何とか駿河に向かってくれた信虎でしたが、なのに勘助はきれいな義元から貰ったステキ眼帯をかなぐり捨て、ミツお手製の眼帯に付け替えるのでした。それは仇討ちの意志とも取れましたが……。
結局、「殺気を感じた」とする信虎が抜くので成り行きっぽく立ち合う羽目になった勘助。仇討ちする気ならば殺気で挑発し斬りかからせるのは大義名分の上では有効ですが、勘助は結局斬らなかったのです。斬るが無いのなら殺気は出さなければいいのに。
というところで勘助が「手出し無用」と言ってるのに「ウラー!」と青木大膳の刀が一閃! どこのコサックだお前。信虎は地に伏しますが、「わしを討っても甲斐は滅びぬ 晴信がおるのじゃ わしが育てた あのような猛々しい武将を」と、負け惜しみを! と思わせるようなことを言いますがその実「武田家だけに猛々しい」というギャグであり、こんな時でもユーモアを忘れない大物ぶりを見せ周囲を平伏させようとしたのですが総勢放置。前回の「余りに無常」甘利さんより悲惨な結果に終わりました。
なおこれよりツンデレの信虎さんはデレ期に入ります。今後駿河においておとなしく隠居するふりをしながら今川家が弱体化すると、晴信を誘引するような書状を送ったりするので*5間違いのないところです。
まあその書状を「うわ迷惑。親父ボケたからこんな書状送ってくるんじゃねえの」と言って晴信は見なかったふりをしてしまうのですが。しかもそれがばれて信虎は駿河も追われるのですが。
しかしここの青木大膳の空気の読めなさぶりは異常過ぎて100年に1度といった逸材ぶりですが、これがなかったら信虎と勘助の対決は穏便には収まりが付かなかった可能性は特大で、外交問題に発展する恐れもあります。空気の読めないふりをして青木は実のところかなり深いところまで空気を読んだ可能性はありますが、「主らを斬ると仕官もできまい」とかわけのわからないことを得意気に言っていたところを見ると、おそらくそれは、錯覚でしょう。
さて、オリジナル展開は今回までで終了、次回よりは原作のエピソードに入るそうです。
原作は私は未読で、その原作を元にした平田弘史の漫画は読んだのですが、これを読んだ限りだとまた青木空気読めない大膳は勘助に騙されるな……。

なおこれは平田弘史漫画にしては普通でした。いつもの諸行無常感はしっかりあるのですが最後の最後で展開が急すぎて……。

*1:信繁

*2:一番目は跡継ぎに授けるもの

*3:信長の野望天翔記における武将パラメータのひとつ智謀才能の略で、最大200。謀略をしかけたりしかけられたりした時の成功率に影響する。ちなみにハルちゃんは188

*4:おんじょうと読んでいただきたく

*5:史実