スクランブルコマンダー

製作者側もこれまでのスパロボとは全然違うのを良くわかっているので、味方がひとまず全員集合となるまでの数マップでは使用可能コマンドが制限されていたり、使用可能ユニットの数が少なかったりして、その中で一つ一つのコマンドの使い方、操作に慣れてもらおうとしている点は良いと思います。オンラインヘルプもまあまあ充実していますし、誠実さは感じます。
各ユニットに出す命令としてはまず移動。移動先を指定して、移動中に敵と遭遇したら交戦するか、敵を無視して移動を優先するかを選べます。また敵を移動先として指定することもでき、この場合は味方機全員の視界から敵が出ないかぎり、追跡して攻撃を仕掛けるようになります。
次に行動の指針を指示します。射撃戦、格闘戦、防御戦、臨機応変に行動、突撃、索敵、囮になる、相手の足止めをする、相手の装甲を削るといった指示が出せます。

各コマンドの解説(長いので次の小見出しまで読み飛ばしてもOKです)

射撃戦を指示されたユニットは攻撃力が100%、防御力が50%に補正され、敵と遭遇した場合、できるだけ距離を取り、射撃武器で攻撃を行うように動きます。格闘戦の場合はできるだけ近接して格闘攻撃を行うようにします。
防御戦を指示されたユニットは攻撃力が50%、防御力が100%に補正され、回避や防御を重視した行動を取るようになります。
臨機応変を指示されたユニットは75%/75%に補正され、距離に応じた攻撃を行います。
突撃を指示されたユニットは150%/0%に補正され、敵に接近して格闘攻撃を行います。
索敵を指示されたユニットは60%/60%に補正され、視界が150%に広がります。できるだけ敵との交戦を避けて移動するようになります。
囮になるよう指示されたユニットは防御力が60%に補正され、敵への攻撃は行わなくなりますが、そのユニットの視界内の敵はすべてそのユニットに引き付けられるようになります。
足止めを指示されたユニットは30%/75%に補正され、マシンガン系の武器、または攻撃力の低い武器を優先して使用します。この攻撃が命中すると敵は1秒硬直するようになります。
装甲削りを指示されたユニットはできるだけ射程が長く、隙の小さい武器を優先して使用します。この攻撃が命中するとダメージの1%が敵の装甲値から引かれます。
この他に指示した瞬間に効果がある撤退/交代コマンドと、アイテムコマンドがあります。撤退/交代コマンドは交代要員が控えている場合そのユニットと交代します。控えが居ない場合は現在でているユニットが撤退するのみです。撤退したユニットはそのマップで再出撃することはできません。アイテムコマンドは各マップ5個だけ持ち込めるアイテムを使用します。HPを10000回復するリペアキット、エネルギーを全回復するプロペラントタンクなどがあります。
そして特殊なのが必殺技コマンド。ユニットのエネルギー値が80%以上の時だけ*1受付可能で、必殺技コマンドを入力すると対象ユニットはチャージに入ります。チャージ時間は5〜20秒で、その間対象ユニットはすり足で移動するようになり、攻撃は行えません*2。チャージが完了すると発射指示を行え、発射する向きを指定して発射します。ユニットにより単体に攻撃だったり、範囲内のユニット全部に攻撃だったりします。味方ユニットだけでなく、敵のボスキャラは必殺技を持っていることもあります。

こういったコマンドを駆使して効率的な戦いを行うのです。各マップをクリアしても各ユニットの HP は10%しか回復しませんし、受けたダメージがボーナスポイントから引かれます。味方ユニットが撃墜されればさらにボーナスポイントを引かれますし、ボーナスポイントを支払えば味方ユニットの HP を完全に回復することができますが、修理する間1マップ出撃不能になってしまいます。
ボーナスポイントは戦績により各マップの最後で支払われ、味方ユニットの改造やアイテムの購入、味方ユニットの修理に当てることができます。
といった感じなのでできるだけダメージを喰らわないことが重要ということが判っていただけると思いますが、ではそのためにはどうしたらいいのか、ここを考えるのが面白いです。
まず一番重要なのが敵1体に対して味方複数で掛かることです*3。こうすればさくっと敵が死ぬので敵の攻撃機会も少なく、結果的にダメージを小さくすることが可能です。特に攻撃の斜線が十字に交差するように味方ユニットを位置させることができれば、敵の回避運動*4をほぼ無効化できるので、ダメージ効率が非常に高まります。また、A.T. フィールドなどのバリアを持つ敵に対しても、バリアは機体正面にしか展開することができないので非常に有用です。
とは言え、いつでも多対1の状況に持ち込めるかというと、そうではありません。1対1や、むしろこちらの方が数的に不利になることの方が多いでしょう。その場合はどうするか?
まず敵の不得意な間合いで戦うということ。大抵の敵は格闘か射撃かどちらかに秀でているので、相手の苦手な間合いで戦うことでダメージを低く抑えられます。特に射撃が貧弱な機械獣などに対し、射程の長い武器を持つエヴァ零号機やライディーン待ち伏せを仕掛ければ大抵はノーダメージで撃退できます。回避率の高いユニットを相手にする時は相手を回避がうまく出来ないような狭いところに追い込むのもいいですね。
敵の数の方が多い場合は HP や装甲の高いユニットを前に出して防御戦を指示し、その後ろから味方ユニットが射撃で支援するのがいいですね。

というようなことを考えて色々指示をするわけなんですけど位置取りが結構うまくいかなかったり、味方ユニットが思ったとおりの武器を使ってくれなかったりでやきもきするのが面白いですね。

*1:エヴァは活動停止中でない限りいつでも受付可能

*2:チャージ完了前完了後を問わず、キャンセルは可能です

*3:ただし、近接攻撃を行うユニットは1機までにすること。このゲームは味方にも攻撃が当たるので、2機以上で1機にパンチキックで攻撃すると味方にも当たりまくって大惨事スーパーロボット大戦になります。コンバトラーVダンクーガがお互いにダメージを与えまくってる姿を見て三国志3で張飛関羽に痛烈な打撃を与えて「し、しまった味方だったか」とか言いまくっていたのを思い出しました

*4:バックステップかサイドステップ