言及なしTBでアクセスを奪われるのは、全然嫌じゃないですよ、というか、奪われてるとは思っていません

トラックバックの話のつづきです。


この「絵文録ことのは」の記事は、ブログ管理者側の考え方はよくまとまっていると思うのだが、「ブログ閲覧者」の視点はまったく欠落してしまっているように思う。トラックバックは、何もブログ管理者「だけ」のためにあるシステムじゃないはずだ。

「相手サイトからトラックバックによって、アクセスを奪われる」=だから嫌、というのは、「ブログ管理人」側の意見であって、ブログを読む人、検索サイトなどでたまたま私のサイトを訪れてくれた人の考えではない、と私は思う。ブログ閲覧者にとっては、関連のある記事を探しているのに、いちいちGoogleにもう一度戻ったり、トラックバックセンターで再度検索するより、言及がなくてもトラックバックが貼られていて、どんどん「リンクをたどっていく」=昔で言う「ネットサーフィン」をしたい、というニーズもあるだろうと思う。

私としては、相手サイトからのトラックバックによって閲覧者が別サイトに飛んでいってくれることは、むしろ大歓迎でうれしいことだ。私のようなつまらないサイトにたどり着いてしまって、またGoogleトラックバックセンターに戻って検索しなおしさせるより、私のサイトを経由して別のサイトにアクセスしてもらった方が、自分としてもうれしいし、ネットサーファーにとっても「波に乗っている」感じで心地いいと思うんだが。

この考え方の相違が、「言及リンク文化圏」と「関連仲間文化圏」を分けているのだと、私は思う。「言及リンク文化圏」の主張も全くわからなくはないんだが、「そんなに言及なしTBでアクセスを奪われるのは嫌ですか?」って気持ちの方が強い。というより、言及なしトラックバック先のリンクを是か非かは、ブログ管理者でなく、閲覧者が決めればいいとも思っている。閲覧者がOKって思ってれば、それでいいんじゃね?閲覧者がNGだったら、ブラウザの「戻る」リンクでもどってくるだけの話だし。

松永さんのあのエントリに1点注文を付けるとすれば「アクセスを奪う」という言い方がちょっと適切ではなかったかなと。

要するにトラックバックとしてぶら下がってるエントリに、そのエントリと無関係のものがあると執筆者も不快だし閲覧者の人にも迷惑だよね、という意味なんですよ*1 *2

でも「アクセスを奪う」という書き方のせいでアクセス数の増減が気になって汲々としているようなイメージになってしまって、引用元のエントリのような解釈をされてしまうことになってしまいました。これはちょっと残念かな。

と言うか、アクセスの不均衡などはわりとどうでも良い(リンクが一方的でも良い)のですよ。というわけでそれはさておき、今回私が言いたい本題というのはここから先。

相手サイトからのトラックバックによって閲覧者が別サイトに飛んでいってくれることは、むしろ大歓迎でうれしいというのは明らかに「言及リンク文化圏」である私も同感なので、その考え方の相違が文化圏を分けているのではないと私は思うのです。

相手サイトからのトラックバックによって閲覧者が別サイトに飛んでいってくれることは、むしろ大歓迎でうれしいとは言っても、トラックバックとしてぶら下がったエントリの中に無関係なエントリが混じっていたらこれは閲覧者の無駄足に繋がるわけです。閲覧者がNGだったら、ブラウザの「戻る」リンクでもどってくるだけの話とは言っても無駄足は無駄足なのでそれをさせてしまうのは心苦しい、という考え方の有無と、あとはトラックバック元のエントリが無関係かどうかを判定する尺度の違いが文化圏を分けているのでしょう。

言及がなければ無関係と考えるのが「言及リンク文化圏」、関連する事物を扱っていれば言及がなくとも無関係ではないと考えるのが「関連仲間文化圏」ですね。

明確にしたいならば、両文化圏の違いというのは上の一文だけの説明だけでも良いでしょう。

*1:はてなダイアリのどこかのコメント欄で松永さん本人が補足していました、が、私の超意訳が入ってしまっている可能性あり、なので、私の意見としてもそうなので、私の意見として読んでください

*2:追記:どこか、というのは http://d.hatena.ne.jp/nobuhiro-n/comment?date=20060106#c こちらになります