ミスターマリーンズの魂は正式に今江に引き継がれたと確信

千葉マリンへ駆けつけて、ラッキーなことにid:Louisさんが席を取っていてくださったので合流してスコアボードを見たところ……あれ、ハツ様はスタメンじゃないのか! と驚いたのですが、現在ホークスマリーンズは2ゲーム差。マリーンズが勝率1位の座を手に入れるためには1試合も無駄にはできないので、まあ仕方ないという気はしないでもないのでした。
試合はハツ様マリスタ最後の試合ということで、気持ちよくホームランを打ってもらうつもりだったらしく、ボールはよく飛ぶものに差し替えられているようで序盤に清水直行バカスカホームランを(宮地にまで!)打たれていきなり勝負あった感。折角勝負重視に行ったのに……ボビー……。
というわけで開幕してすぐに勝ち負けとかどうでもいいよって感じの試合展開になってしまったのですが、その中でもミスターマリーンズという魂の継承という重大なセレモニーは静かに進行していたのでした。
すなわち、何でもないゴロを今江が見事に弾き、それだけならまあまだ普通のエラーと言えようものを、川崎のバントを処理に行った時は圧巻でした!
すなわち、バントを処理するために猛然とダッシュ→足が縺れて横倒しに猛烈転倒であり、ここで私はミスターマリーンズの魂が間違いなく今江に引き継がれていることを確信したのでした。
そうして、気が付けば今江が先頭打者だった回が3回もありフランコの打線大切断ぶりに驚愕している内に試合は進んでいき、チャンスなのかどうなのかいまいち判別しづらい場面でスタジアムが熱気に包まれます。ウグイス嬢のコールがまだでも、背番号が見えなくても、遠くから見てもわかります! あの、足が速そうでもないのにストッキングを限界まで上げたその姿、まちがいない、ハツ様だ!
「9番、橋本に変わりまして、バッター、初芝
歓声に包まれる球場。そして、ハツ様は……貫禄のデッドボール! すげえ! さすがだ!
そしてマリーンズファンの、球場に集まった全てのパリーグファンの心を知っているボビー・バレンタインはすかさず代打堀を送り、これも貫禄のフォアボール。マリーンズのONによる猛攻で2アウト満塁とします。
ここでバッターは今江が初芝の後継なら堀の後継と目される西岡。気合先行、猛烈なスイングを放ち空振って転倒。今日二人目の転倒者です。結局凡退。これはこれで凄い。
この後ハツさまはもうひと伸び足りない外野フライを放つとものすごく何かをやりとげたような満足感を湛えた顔をしていたのでした。
結局試合は小宮山が量子力学的ボールで何とか試合を立て直そうとしたものの、清水直行が失った点はあまりに大きく、フランコが切断した打線はあまりに多く、ホークスの勝ちとあいなりました。
そしてハツ様の引退セレモニーが始まります。
マリスタの照明が消され、厳かな雰囲気の球場に
「マリーンズのバッター……四番、サード、初芝!」
とウグイス嬢の声が響きました。心なしか、ウグイス嬢の声も震えていたように感じます。
グラウンドの中央に設えられたマイクでハツ様がマリスタで最後の挨拶をしようとしましたが、マイクのスイッチを入れ忘れていました。さすがです。
プレーオフを勝ち抜いて、日本シリーズを制してからバットを置く」
この言葉には震えました。
非常に多くのファンが、セレモニーの最後まで残っていました。ホークス、マリーンズのファン問わずです。ホークスの応援団も「ロッテの夢は 観客動員100万人 かっ飛ばせ初芝」の応援歌を演奏し、球場全体が一体となってミスター・マリーンズ、いやひょっとしたら、ミスター・パリーグと呼ばれる資格さえある選手を、その姿が見えなくなるまで、最後まで見送ったのでした。