大正・昭和 女學生らいふ 展

行ってきました。

また、〈エス〉とよばれた上級生と下級生との甘やかな心の交流を描いた少女小説、投書欄、身の上相談からは、優雅で上品ながらも凛とした内面の強さを持つ理想の乙女の姿が浮かび上がります。

と展示の紹介文にはありましたが、いやなるほどマリみてのような世界が実際に普遍的に存在したわけですなほうほうと感心しながら見ていました。当時は男優に憧れたり男女で連れ立って歩くだけで不良扱いだったそうで、さもありなんと。「エス」というのは"Sister"のことかなと思っていたのですが、実際にそのようで、「お姉さま」「妹」として関係を結んでいたそうです。
しかしそういった話よりも面白いなあと思ったのは以下の2点です。

  • そういった世界を描いた小説を書き女学生から大きな支持を受けた川端康成

川端康成は大衆小説というイメージはありましたけど少女小説を書いて女学生から大絶賛を受けていたというところまで行くとかなり意外でした。

  • 当時の女学生言葉

イミシンとかアンポンタンとかダンチ、テクシーあたりの言葉はこの辺発祥なのかあ、とか感心してみたり、嫌味ったらしい言葉の連打に酔ってしまいそうになりました。分不相応に「〜あそばせ」みたいな言葉を使う人に対して「ああら我が君」と話し掛けたり、口が軽く色々言い回ってしまう人に「あのアナウンサーにも困りますわね」……。おおお。
「〜だわ」「〜ってよ」という言葉は今では今では柔らかい言葉遣いと思われてますが、当時は結構ぞんざいな言葉遣いとされていたそうです。時代が下って本来の意味より乱暴な意味を持ってしまう言葉はけっこうありますが*1、その逆は結構珍しいなと思いました。まあ私が知らないだけかもしれませんが……。
ところで、その女学生言葉の中に「せんいち」というのがあって、嘘吐きのことを表す言葉*2なんだそうです!!! 予言ですか!? 予言ですね!?

*1:「お前」「貴様」などは元々は相手を敬う意味を持っていました。「御」前、「貴」「様」ですから。

*2:千にひとつも本当のことを言わない、ということだとか