リプレイ 第壱話〜第四話

この間購入したエヴァ2ですが、最初はシンジ君でプレイする「使徒、襲来」というシナリオしかプレイできないのです。というわけで早速シンジ君でプレイ開始なのです。

第壱話 使徒、襲来

テレビよりもかなり急な展開でいきなりエヴァ初号機に乗せられてミサトさんは簡単に戦えと言う……初号機はこんなに紫なのに。
「まずは歩くことだけ考えて!」
まずは歩くとか言ってる状態でまともに戦えると思ってるんでしょうかこの作戦課長は! それはともかく歩くことには成功したのでいっちょ使徒とかいう化け物をシメてやろうと突っ込んで行ったらめちゃくちゃ使徒の真正面怪光線の射程内じゃないですか! 何でこちらは迎撃設備を備えた要塞都市なのにその中で時々使徒の位置を確認できなくなりますかね! というか基本的に確認できていない! そんなことだから使徒の真正面に出ちゃうんですよ、というか作戦課長の誘導もかなり悪くないですか!
ピカドーン
攻撃を受けると痛いのでやる気がなくなってシンクロ率が下がりATフィールドも薄くなる……説明されたとおりだ。あがががが。痛い痛い痛い。こりゃたまらん。光線喰らうとノックバックするので正面からは近づけませんよ。 迂回しよう……と思ったらビルが邪魔で回り込めない! あと旋回能力悪すぎないですかこのロボット! こんなのでまともに戦えるかあああああああまた光線食らった! やってられん! あ、シンクロ率が30%切った。確かシンクロ率が30%切ったら動けなくなるって言われてなかったっけ……。
「初号機、活動停止!」
「エントリープラグ強制射出!」
「ダメです! 制御できません! ……そんな? エヴァ初号機、再起動!」
「初号機のシンクロ率が急激に上昇していきます!」
「どうなってるの? 原因は?」
「わかりません! 完全に制御不能です!」
「まさか、暴走?」
おいおいおい暴走って何ですか聞いてないですよ訴えてやるって言うか勝手に動くよこのロボット。やめてめちゃくちゃアクロバティックな動きするのやめてああ気が遠くなる遠くなるああああああ

気がつけば病院でした。

戦闘結果
初号機:大破
碇シンジ:意識不明の重体
第三新東京市の被害状況:軽微

第弐話 眠れ、安らかに

三十路前の作戦課長と三十路の技術主任が何やら話しています。曰く、エヴァの戦闘力はパイロットのAT*1に影響されるから、作戦課長はせいぜい同居人たるパイロットの機嫌を取ってやらないとダメだとか。世界の命運は三十路前の作戦課長に委ねられたとか三十路の技術主任が言ってます。この世界、もうダメかも。

というわけでネルフ作戦課長の葛城ミサトさんと同居することになった訳だけど、そのミサトさんは僕に小遣を渡すとさっさと出かけてしまった。ちょっとちょっと、僕の機嫌を取らないといけないことすっかり忘れてませんかー。独りで居るとATどんどん下がっていくんですけどー。まだ手続きがすんでないので学校へは行けないし、ペンギンいじりも飽きたのでネルフ本部へ行ってみます。
……歓迎されてる! あの三十路前作戦課長以外は自分が何をすべきかしっかり分かってますね! 冬月ってじいさんが何か頬を赤らめていたのは非常に不気味だったけど……。僕は母さん似って良く言われるけど、そのせいなんだろうか……くわばらくわばら。近づかないようにしよう。

眠くなったのでミサトさんのマンションに戻って適当に寝て、またネルフ本部でアイドルらしく適当に周囲に愛敬を振りまいていたら突然警報が。僕は作戦室へ呼び出されたのでした。

今回の相手はシャムシエルという、イカだかエビだか良くわからない海産物っぽい使徒。光るムチのようなもので攻撃を行うらしい。ビルも一刀両断だ。あんまり戦いたくないけどここで放り出されても路頭に迷うし、仕方ない。いいですよ、やりますよ。

エヴァ初号機、リフトオフ!」

地上に出たのは良いけれど相変わらず使徒の位置がつかめない。そして今はっきりわかった。作戦課長の誘導いい加減。国連軍の動きを見ていた方がしっかり位置を確認できるよ。もう僕は国連軍について行きますよ。回り込みながら使徒にパレットライフルで攻撃。ところが2撃くらいしたところでノックバックのために使徒が視界外に消えてしまいどこ行っちゃったのかまったく分からない状況に。国連軍は全滅してるわ作戦課長の言うことはあてにならないわであの甲殻類が完全にどこへ行ったのかわかりません。世界の命運がかかってるのにこれでいいのか! と思っていたらジオフロント*2に侵入されました。あわわわわ。速やかにジオフロントまで撤退。

ジオフロントにはネルフの本部があって、ここを使徒に攻撃されて中の何かと使徒が出会うと世界は一巻の終わりなのでもう後がないと作戦課長が言ってました。これは気張らなきゃ、と思ったけど、ジオフロントの中ではさすがに使徒をロストすることはないので、そうなればこんな海産物ちょっと足が速いだけで何の脅威も感じないね! とっととナイフで刺殺しました。使徒殲滅。ドーン!

戦闘結果
初号機:小破
碇シンジ:負傷なし
第三新東京市の被害状況:甚大

あああ第三新東京市が……やっぱりジオフロントに踏み込まれたのは辛かったか……。

第参話 ささやかな叡智

やっと学校へ通えるようになったらしい。ミサトさんは起きてこないだとか、さっさと出かけちゃうとかでこっちを構ってくるつもりは皆無のようだし、ペンギンだけとずっと交流しつづけるのも人間の尊厳に関わるのでここは学校へ行こう!

学校で転校の挨拶を済ませて授業を受けていると、端末に「あなたはパイロットですか? Y/N」というメッセージが表示された。Y/N て! 光栄三国志か何かですか! で、パイロットであることを隠せとか言われていないので、普通正義の味方は身分を隠すものだけど隠せってあの三十路前の人は言っていなかったので正直に答えたところ、クラス中が立ち上がって大騒ぎ。みんな見てたのか! あとそんな教室の状態に焦らない先生はめちゃくちゃ器が大きいかそれとも感覚受容器が故障してるんだと思う。とりあえず適当に色々答えてさっさとネルフ本部へ行くことにした。人気者はつらい。

本部に到着したら最初にエヴァに乗せられた時ケガをしていた女の子を紹介された。綾波レイと言う名前らしい。これからエヴァ零号機で一緒に戦うことになると。とりあえず仲良くしておくに越したことなしと思い挨拶したけれど、反応薄いなあ。嫌われてる? ほとんど初対面なのに嫌われる要素がないと思うんだけど……。おだててみたら笑ったから嫌われていたわけではないみたい。良かった。一緒に戦うパイロットと仲が悪くて作戦に支障をきたすならともかく自分がひどい目に遭うようではたまらない。それにこの綾波レイのATだって零号機の戦闘力に関係するのだろうから、僕が綾波レイの気分を良くさせておくのも重要なことなのだ。
という指針に従って綾波レイに話し掛けたりみんなにジュースを配ったりしていたらあの警報が。

今回の相手は怪人蜘蛛男らしい。サイケディックな模様をつけた蜘蛛状の、巨大な使徒だ。マトリエルというらしい。目から溶解液を出して、それで攻撃する。三十路前曰く「おつゆタラタラ流しちゃって、下品な使徒ね」。下品なのはあなただ! 何か悪いものでも溜まってるのか三十路前! と思ったけれど、同居人としての立場を考えると当然口には出せません。
さて、三十路前作戦課長の作戦はと言うと、零号機が前線配置。装備はシールド。初号機はパレットライフルを持って後方へ配置。つまり僕には支援をしろってことか。いいでしょう。やりますよ。

エヴァ初号機、リフトオフ!」
エヴァ零号機、リフトオフ!」

地上に出たところ……零号機突っ込みすぎ! ちょっと危ないんじゃないですか! 折角2機いるんだから共同戦線張るべきじゃないんですか! 待って待って綾波待って! やっと使徒が視界に入ったと思ったら零号機が使徒を蹴りに蹴ってました。ストンピングをするように! もう使徒はボロボロ。使徒の溶解液攻撃は攻撃可能範囲広いし連射は効くしでかなり厄介っぽいんだけど……見たところ零号機への被害は無し。綾波さん操縦お上手ですね……。結局僕が追いついて1回パレットライフルで攻撃したら使徒は殲滅されたのでした。ドーン。

戦闘結果
初号機:損害なし
碇シンジ:負傷なし
零号機:損害なし
綾波レイ:負傷なし
第三新東京市の被害状況:甚大

僕は要らない子なのだろうか。

第四話 聖なる侵入

今日はミサトさんがずうっと家にいる。お小遣いもくれるし、夕飯も一緒に食べようと言ってきた。ううん、この間の僕の活躍が芳しくなかったからようやく僕のATを上げなきゃいけないと本道に立ち戻ったんだろうか。うーん、そういうつもりで優しくされてもなあ、と思っていたら何かミサトさんから僕への愛情値が猛烈に上昇中なんですが! 友達が家に遊びに来て僕に話し掛けると話に割り込んできまくってものすごく鬱陶しい!  仕事のつもりだったのに本気になったのか! やっぱり悪いものが溜まってるんじゃないのかこの人! 僕はまだ14なんだから三十路前には興味ないですよ!
トウジやケンスケや委員長やリツコさんが遊びに来るようになったので家でも充分にAT上げられるようになったから出かけなくとも何とかなるんだけど、この三十路前の人が非常に鬱陶しいので学校へ行くことにしました。エヴァパイロットは好きな時に登校して良いという特権があるんですよ! でもケンスケが真昼間にミサトさんのマンションでテレビを見ているのは何でだ。ああいう人生捨て去った人にはなりたくないね。さあ登校登校っと。
学校行くと疲れるのかめちゃくちゃATが下がるね……。僕はこんなに学校嫌いだったのか。不登校一歩手前だったのか。でも登校拒否児と呼ばれるのは何か嫌なので学生生活をエンジョイするぞ! というわけで登校してくるようになった綾波も含めてクラスメイトと目いっぱい交流して、みんなが帰宅するころにネルフへ向かったら……警報だ! 使徒か!

今回の相手は前回に増してサイケディックなサハクィエルという使徒。大気圏外に浮遊していて自分の一部を切り離しその大質量とATフィールドで落下地点とその周囲を攻撃しているらしい。体全体が、爆撃機の放る爆弾みたいなものだ。最後にはこの第三新東京市の上に降って来るだろうと、ミサトさんは説明する。ここに降ってきたらこの街はひとたまりもないだろう。

「落ちてくる前に何とか撃墜するしかありませんね」
ミサトさんは首を振った。
「無理よ。N2航空爆雷の攻撃にもビクともしなかったわ」
作戦室のモニターにその時のものと思われる写真が映し出される。物凄い爆発が起きても、ちっとも形が変わっていない。
「じゃあ一体」
「降ってくるのを受け止めるのよ。落下予測地点にエヴァを配置、ATフィールド最大であなた達が直接、使徒を受けとめるのよ」
「そんな無茶な!」
ミサトさんは腕を組んだまま動じない。
「無茶は承知」
使徒がコースを大きく外れたらどうするんです?」
「その時はアウトね」
エヴァが衝撃に耐えられなかったら?」
「その時もアウトね」
「勝算は?」
「神のみぞ知る、と言ったところね」
完全に開き直っている。かなわないな……。
「作戦って言えるんですか、これ」
「言えないと思うわ……でもこれしかないのよ。だから辞退することもできるわ」
何で綾波はこんな無茶にまったく反論しないのかね……。
「辞退したって使徒が降ってきたら何もかも吹っ飛んじゃうんでしょう?」
「そうね」
「じゃあやるしかないじゃないですか。いいですよ、やりますよ」
「悪いわね」

こうして僕はエヴァに乗り込んだ。

結局のところ、MAGIが予測した落下地点は正確で、エヴァ使徒を受け止めることができるくらいには頑丈だった。初号機は右腕を、零号機は左腕をやられたけれど、僕らは無事だった。

戦闘結果
初号機:小破
碇シンジ:負傷なし
零号機:小破
綾波レイ:負傷なし
第三新東京市の被害状況:甚大

だけどこんな作戦もどきはもうたくさんだ。そうそう何度も起こされるほど、奇跡の方も自分を安売りしたくないだろうから。

*1:キャラクターのテンションのようなもの。他人と良いコミュニケーションを取れると数値が増加し、高いと他人に対してポジティブな反応を返すことができる。逆に低いと他人を拒絶するような行動をとりがちになる。パイロットの場合搭乗機のシンクロ率、ATフィールドの強さにダイレクトに影響を与える

*2:第三新東京市の地下