真田丸22話 「裁定」

次回は戦国裁判! とか宣伝してましたけど前に古畑源次郎かなと思ったら普通の真田丸だったので今回も普通の真田丸なんでしょと思ったら結構逆転裁判だった。堺さんが主役をやっていた弁護士ドラマリーガルハイというのがあってそちらを思い浮かべた方が多いようですが私はそれは知らないので逆転裁判めいてるなあと。

名胡桃城のいざこざは絶対昌幸が挑発して殴られてから「あーっ北條君が暴力振るいました豊臣先生が喧嘩はダメーって言ったのにいーっけないんだいけないんだー」ってノリで北條を罠に嵌めたみたいな話になると思ったんですけどね、違いましたね。

  • 沼田裁定

考証担当の丸島先生によるとこの手続きは双方が証拠を送って書簡で三往復ぐらいして行ったとか。でもそれではドラマにならないので逆転裁判になったと。なるほど。
信繁が張り切りまくってるのが可愛いですね。めっちゃ肩に力入ってる。あとで姉さま記憶喪失の回で学んだ丹田やってましたし。

  • 秀吉「面白い!」「一本!」

北條とか真田とか三成とかは必死なのに秀吉ったらこうですよ。茶番なんだな。ここでどんな証拠があって訴えがあって裁定を下そうが北條潰すのはもう決めてるの。

片ノコ刑事「では沼田の上面図を見て欲しいッス。うんたらかんたら、なんやらかんやら」
秀吉「長い! 来月の給料、楽しみにしておくことだ」
戦国パワポはよくできていて片桐さんの熱意は認めるのですが相手が求めているところと違う方へ向かってしまっている……。

ところでここで「青使うな」とコメントしている人がいてちょっと感心しました。この頃青色を出そうとするとラピスラズリをすり潰して使うとかしないといけないので超絶高価なのです。片桐さんのこの図に掛ける情熱が伝わってきます!

  • セコンド昌幸「いいぞいいぞー」

「騙し取り、掠め取り、勝ち取った、いいねいいねーその通りだよその調子で行け」
あのー滝川さんをパパ上が無駄に裏切った*1ことで立場悪くなってるんですけど……。
しかし徳川を味方につけたほうが勝つって先週パパが言ってたのは大当たりでしたね。

  • きりちゃんのおにぎり差別

寧様もお茶々も阿茶局も出てこれない回に唯一出てこれるきりちゃんはやはりスペシャルなのだ。自分を振り回した信繁にミートボールサイズのおにぎりで仕返しなのだ。

  • 秀次やるじゃん

この場は任せたと言われた秀次がちょっとビビっていたのでみんな大丈夫かなという目で見ましたが大丈夫でしたね。
「書状に、北條に『返す』じゃなくて北條が『奪え』とあるのだからこれは沼田は真田領ですわ」
明確!
彼が治めていた地域では名君説残ってますからね。
しかし戦を止めるため北條に有利に倒したい三成のオーダーとは違う結論なのであった。そういうところはできない秀次。秀吉のオーダーとはどうかな……? 秀吉は戦争にしたいのだからストレートにそこへ落せてないのでダメか。

  • 本多正信「必死な若者を応援したい爺です」

この爺さん「真田には死んでもらいましょう」ポイっ爺さんですからね。信じられないものを見る目で本多爺さんを見ていた信繁ですが、それで正しい。
よくもまあいけしゃあしゃあと。前回北條を気にする家康に「本気ですか?」と聞いた正信。「マジで?」と言い換えてもよかった。正信は北條への肩入れを良しとしてないんだ。秀吉怖いもんね。北條に巻き込まれたくない。あと沼田が北條領であるより徳川の与力の真田領の方がいいと思ったのもあるかもしれない。ついでに真田に恩を売った。
だから家康が北條に情を掛けようとしていても正信は切る。主人の意に添わずとも主人のため。うっかりすると君側の奸とか言われたり主人の不興を買うやつ。正信は実際に息子がそういう感じで切られるからね……。でもこういう人がいる組織は強いのだ。それは家康がそういう人を許すからだし、三成は先々週切腹を申し付けられかけた。
あと徳川のイギリスばりの二枚舌外交をうまくごまかしましたね。

  • 三成「セコンドの存在は知っていた」

居るのはわかってると言われてぬーっと出てきた昌幸の何とも言えないおかしみ。
三成は要するに戦が起こるから真田は沼田を諦めてくれとお願いしに来たのですが、頼み方が普通じゃない。なんか真田なんかどうでも良いみたいな物言いで今回は茶番だったし沼田ごときで大戦争になっちゃったらコトなんだぜと真田の立場とか利益とか完全に無視して説明して、頼むよと頭を下げる。三成は真田にとって嫌な情報でも状況をきちんと伝えることこそが誠実な頼み方だと考えているっぽい。ひょっとすると利や情で釣るのは卑怯な振る舞いとすら考えているのかも。それじゃ井戸魔人に情がないって言われるのも納得かな。でも普通はこんな頼み方しないしこの頼み方では飲める人と飲めない人がいるよ。でも昌幸は飲んだ! すごい! 信繁情報を理解することができた!(できなかったのが北條) でも名胡桃に先祖代々の架空の墓があるって嘘もついた*2! いつもの昌幸!
しかし信繁が大坂の論理に飲まれたという感じもしないではないです。

  • 氏政「うぬは誰の家来だ?」

外交官は相手の事情を知っているのでそれを踏まえて本体から相手よりの発言をしたりするのでこういう感じで立場を失うこともしばしばあったといいます。石川数正もそういう説がありますね。

YAZAWAさんがこういう反応を返すのは良くわかっていてそれでもやんなきゃいけないから信幸あんちゃんは大変だし、前回もこんなのやらされてたよね。迂闊な人選をしたら「えいっ」ブスーッ! ってなることもあり得るからパパ上の名代たる信幸あんちゃんが行かなきゃダメなんですよね……。
「多少乱暴に扱っても死にはせん」なんかあとで自分に返ってきそうなセリフだ……。

  • 名胡桃城奪取は猪俣の独断説

どうもそうではなさそうというのが最近の有力説とのことです。名前に猪が入っているのでどうせ猪武者なんだろうと江戸時代に創作されたとか。

  • 信繁「世の仕組みは変わったのです!」

これを飲んだのが昌幸。氏政は真田と北條のいさかいになぜ豊臣が出てくると言う。

  • NINJA「聚楽第は東が手薄だから陥とせる」

出浦さん、たぶん戦国脳のままだからこういうことを言ってるんじゃなくて、少しでも昌幸パパの溜飲を下げようとしてやってるんだろうなあ。

  • 忠勝「名胡桃城取り返そうぜ!」

なんであんたいるんだよ(わかってるけど)! その発言外交問題だよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! これは真田の話なのよ!!!!
しかしそういうことをはっきり言うと忠勝は信幸を気に入るのでした。ああ面倒臭い。

  • 結局戦は始まる

三成は当然戦を防ごうとしたし、信繁は同心していたし、板部岡も口バトルしてればリアルバトルにならんで済むねって信繁に言っていた。沼田ごときでって言っていたまだ戦国脳の昌幸もしぶしぶ条件を飲んで名胡桃を奪われても即対応しなかった。信幸もYAZAWAさんを説得(説得?)してなぜか本多忠勝まで説得(説得?)したのに結局戦になってしまった。秀吉は「史上空前の大編成だぜ」と新しいおもちゃをゲットした子供みたいなニコニコ顔。
三成は「戦が始まるときは勢いでどうにもならないね……」と。

  • その外交無理

氏政は板部岡に徳川を味方につけろと。そんなの無理だし、家康も迷惑顔。もう北條は諦めてる。「デニム王もついていない……」って感じ。もう少し自業自得感があるか。こんな無理外交に走らされる板部岡の気の毒なこと。
あと「伊達がいる」って! いやまあ私らはこの後を知っているので「伊達(笑)」ですけどこの頃伊達はすごい勢いで勢力圏を広げていて大体150万石? とかいうそうですね。北條200万石伊達150万石徳川180万石で豊臣が400万石。おおっ勝てそうだ! 捕らぬ狸の皮算用だけど!

*1:これ史実ではやらかしてないらしい

*2:この話史実です