コミックマーケット91 1日目東エ23b 「ゾック神社分社」に委託します

今回のコミケに私は出席できませんが、1日目(木)東エ23b 「ゾック神社分社」に飛行甲板プレイマットを委託します。

お品書き

【新作】日本海軍 正規空母大鳳(木甲板説) 飛行甲板プレイマット


頒価:3000円
正規空母大鳳の飛行甲板をイメージしたプレイマットです。大鳳の飛行甲板は表面が木だったという説とラテックス仕上げになっていたという説があり、前回ははラテックス説を採りましたが、今回は木甲板説のものも用意しました。。カードゲームを遊ぶときなど、直にテーブルに置くと取りづらかったりするのでこういうのを敷くと吉です。裏面はゴムになっており滑らないようになっています。寸法は60cm×35cmです。空戦・海戦ゲームのお供にどうぞ。

日本海軍 正規空母大鳳(ラテックス甲板説) 飛行甲板プレイマット


頒価:3000円
正規空母大鳳の飛行甲板・ラテックス説をイメージしたプレイマットです。寸法は60cm×35cmです。空戦・海戦ゲームのお供にどうぞ。

日本海軍 第五航空戦隊 正規空母瑞鶴(改装前) 飛行甲板プレイマット


頒価:3000円
今回の新作です。正規空母瑞鶴の飛行甲板をイメージしたプレイマットです。カードゲームを遊ぶときなど、直にテーブルに置くと取りづらかったりするのでこういうのを敷くと吉です。裏面はゴムになっており滑らないようになっています。寸法は60cm×35cmです。空戦・海戦のお供にどうぞ。特に『オン・ザ・フライトデッキ』に!

日本海軍 第一航空戦隊 正規空母赤城 飛行甲板プレイマット

頒価:3000円

正規空母赤城の飛行甲板をイメージしたプレイマットです。再版のご希望をいただいたため再生産しました。仕様は瑞鶴のものと同じです。

日本海軍 第一航空戦隊 正規空母加賀 飛行甲板プレイマット

頒価:3000円

正規空母加賀の飛行甲板をイメージしたプレイマットです。再版のご希望をいただいたため再生産しました。仕様は瑞鶴のものと同じです。

真田丸49話 「前夜」

決戦前夜。最終回前夜。一年間楽しかった。このドラマが終わる前夜です。平清盛以来、全部の回を見ました(見る予定)。

五人衆崩壊!

幸村がレッド、又兵衛がブラック、勝永がブルー、盛親がイエロー、明石掃部がピンクになってるスーパー戦隊パロディコラが出回っていましたが、ぴったり合っていましたねえ。木村重成は追加戦士でシルバー、塙団右衛門はブラウンでお願いします。
この五人衆ともついにお別れです。死すべき定めの戦隊メンバーは幸村以外みんな今回死んでしまいました。最終回は幸村に集中ということですね……。

こう「道中無事で。はいお守り」

銭六文……。これ三途の川の渡し賃なんですけどね。いいのかな。

修造江「今度こそ豊臣の者たちに一泡吹かせてやって下さい! 勝てる勝てる絶対勝てる!」

「あと千が危ない目に遭う事はないって約束して」
秀忠「そうならぬよう祈っておれ」
江の覚悟が固まっておる……。前は淀殿の無事も気にしていたけどもはやその段階ではないと千姫のことだけ話題にしている。そして「祈れ」って言われたってことは「半分諦めていろ」ってことですけど、そこに文句も言わない程覚悟が固まっている。
で、秀忠は豊臣を滅ぼせるなら千姫が死んでも仕方ないって思ってるんだよねえ。豊臣を滅ぼしたいのは家康より余程秀忠の方よねえ。後で
「豊臣の血はこの戦で断ち切るのです! 父上は甘すぎる!」
「恐ろしい男に育ったのう」
というやり取りもありましたしねえ。

大蔵卿局「全ては豊臣家の御為。茶々様と秀頼公をお守りするのが私の役目。 言葉がきついのは性分です」

幸村「つまり我らは同じ方を向いているという事」
嘘をつけー幸村! と思ったけど、幸村は自分にも嘘ついてるかも知れないなあ。幸村は豊臣とかわりとどうでも良くて家康を殺したいが一番に来てるよね。

大蔵卿局「牢人は大っ嫌いじゃ」

あれっ……幸村は牢人カウントじゃないんですね。良く考えたら昔から大坂城にいるメンバーってもはや淀殿大蔵卿局と幸村くらいなので、ちょっとは同志感あるんでしょうか。

団右衛門死す!

団右衛門、大名になるぜ目立つぜって気負っていたのに、雑兵のように目立たず死んでしまった。ままならない。

又兵衛死す!

本多正信「又兵衛に調略効くはずないけど、使者送るだけで意味あるんだよねー。はい又兵衛詰んだ」
怖過ぎ。
又兵衛は木村重成に「そーゆーの死亡フラグって言うの! どっちかが死ぬんだぜ」と言ったら二人とも死んでしまった。
又兵衛は独りで死ぬつもりだったのに、木村重成を巻き込んでしまった。ままならない。調略で心を乱されたら終わりだよ、と幸村に言われて、調略では又兵衛は動揺しなかったようだけど、木村重成が死ぬ気だったので、死なせたくないという気持ちで動揺してしまったようにも思えました。

重成死す!

せっかく髪と兜に香を焚きしめておいたのに泥の中で死んでしまった。ままならない。しかしウィザードは月代が似合っていましたねえ。実に爽やかなイケメン武士でした。

ちょうすがめさん敗走!

ちょうすがめさんは家臣思いなもので家臣を無事に逃がすために「もはやこれまで!」と言って自分を囮に家臣は逃げられるように動いたんですけどそんな性格ですから人望もあるもので結局家臣が囮になってしまった。ままならない。

淀殿「みんな団右衛門のように死ぬの?」

悪気があってもあんなに空気が悪くなるようにはなかなかできないぞ……。淀殿はとんでもねえ死神だった。
きり「お前がいると士気がダダ下がりだからあっち行きますよ!」
とんでもねえ不敬発言ですがきりは空気を解凍しようとしてわざとひどい言い回ししてますよね。ナイスだぞさすが生のヒロインだなきり……。

幸村「どうも作戦が漏れてるね」勝永「間者かー」

執拗に厨で作戦会議してるの、大角与左衛門に偽情報流してるのかなとも思ったんですけど、前回有楽斎追い出したあたりの動きがどうも変で与左衛門を泳がせてる感じがしなくって。

与八死す!

ええ……。与左衛門が怪しいから与八をつけてたんじゃなかったの……。ちょっとお粗末じゃないですかね幸村さん!
有楽町追い出した後、他に間者がいるという動きじゃなかったもんな……。

家康「秀頼公があそこにおっては徳川のためにならんのじゃ」

あの景勝の前でわざと徳川のためにならんとか突っ込み喰らうようなことを言った。突っ込んでほしかったんですね家康は。当時のことを知っている人間も少なくなって、自分に楯突く人も少なくなって。でも景勝なら言ってくれるかなあという希望。
そしてその期待に応える景勝。

大野修理「後藤又兵衛殿、討ち死に」

この時の秀頼の顔ときたらようやく自分の置かれた状況を認識したのか……という。幸村とかも秀頼に目隠ししてたようなものだ。

幸村「これでしまいかー! 徳川兵に真の武士は一人もおらんのかー!」

24話で政宗が自分の鬱屈を信繁に聞かせながら見せた剣の振るい方をして、政宗の前でこう言う幸村。
政宗お前は自分のしたい戦いをしているのか? 俺はしているぞ!」という意味なんですかねえ。政宗も感ずるところがあった模様。だから幸村は政宗に家族を託す。

幸村「内記は足手まといだから城を出なさい。きりは残って」

内記ときりが目配せで伝え合うの良いね……。

政宗「君たち幸村の家族は私が責任をもって保護します。ずんだ餅食いねえ」

お梅がずんだ餅食べると満足気にうなずく伊達主従変だし大八にずんだ餅いらないといわれて動揺して「だいは……大八?」とかなっちゃう政宗全然よくわからない。

幸村「千姫はお前が連れて逃げてくれな」

きり「任務終わったら戻ってくるから」
きりには生き延びてもらうつもりだったんだろうと思いますけど、戻ってくるって言われてすごく情がわいてしまっていますね。そこで「お前は逃げて生きろ」も「一緒に死んでくれ」も言えないのほんと女の人に対してはダメだね……。

きり「十年遅い!」

なんだこれ。きりには以前「なんだこいつ」くらいに思っていたのに今回は良かったねという念しか湧いてこない……いや良くねえよ! 十年どころかもっと遅いよ信繁! 何やってたんだよ!
一年見続けて来たからこそ生じる感情でしょうかねこれは。
しかしでも何やってたんだよって、相性悪かったんだよ。こうでもないと抱きしめられないくらいに。そうかそれなら仕方ないな……。
源次郎さまのいない世に生きててもつまらないから」ってすごいよね。死ぬなとか言わなくて、もう全部飲みこんで納得して、幸村が死ぬものとして処理されている。思えば九度山脱出を企ててからきりはずっとこうだった。大坂城に入る時老人メイクしている時も、あきれながら目を輝かせていたもんね。
またこの時の有働アナのナレーションもすごく良かった。今わかっている範囲のことを断定せずに(できずに)述べているだけなんですけど、すごくしみじみする……。
高梨内記の娘には諸説ある」とわざわざ言ったのはきり生存フラグかなあ。諸説あるんだから、この子に関しては好き勝手な結末を用意するよ、って。

曹操の人望力−三国志最強の男−

三国志最強の男 曹操の人望力

三国志最強の男 曹操の人望力

うーん、加来耕三先生は好きなんですけど、この本はちょっといただけないかなあ……。三国志に数多いる英雄の中でなぜ曹操が抜きんでたのか? それは彼の「傲慢さ」(独自の意味が付加されたワードっぽい)ゆえ! という趣旨の本で、曹操自身の話とそれを取り巻く環境について解説していく本なのですが……。
なんか曹操のありようを歴史から学ぶビジネス本っぽくまとめようとするんですよ。その割に解説が詳細過ぎてビジネス目当ての人には付いていけなさそうというか……。で、歴史本として見るとビジネスめいてざっくりまとめ過ぎと言うか……。稀に正史演義が混じるのも良くありません。曹爽に曹操の傲慢さが遺伝しなかったと書くのもなんかおかしい*1ですし……。ちょっとこの本はおすすめできないですね。

*1:曹爽の家は少なくとも曹操の前の代に血が分かれた家ですし、そもそも血縁がない可能性もある

真田丸第48話 「引鉄」

夜襲だ!

和睦だって言ってるのに何やってるんですかね?! もう真田丸はないし、ここで殴られたら終わりなのにどうしてこういうことを?! これくらいやっても家康は許してくれると思っているならもっと穏便な交渉もできたのでは?

暗殺計画やっぱり漏れてる

有楽町の後ろにやはり大角与左衛門が。

死亡フラグ折るきり

さすが生のヒロイン!
かぶり気味で断らなくてもと思いつつも、佐助の死亡フラグが折られてよかった。でも家康殺し成功フラグも一緒に折っちゃったのかなあ。

幸村「内通者有楽斎、出て行けーっ!」

有楽町の話を聞かずに徳川との交渉役の有楽斎を追い出してしまいましたが、これって片桐且元が追い出された時と同じだと気付いているんですかね……。

「命乞いなどせぬわ!」「ちと待て!」「斬るが良い!」「ちと待て!」

ちと笑った。

ところで、後から気づいたのですが有楽町のサインは「う」でしたね。いつも家康の手元に届いていた手紙のサインは「お」なので、やっぱりほかに内通者がいるんですね。

影武者徳川家康をたおした!

佐助のあの表情、刺した瞬間に影武者と気づいたんですかね。

幸村「家康が戦いをしたがってるんですよ! だからこっちも戦闘準備で牢人を手放さないの!」

まあ実際にそうなんですけどそれは大坂城が牢人を手放さないからであって、和睦を破って夜襲したり影武者を殺されても襲ってこないのですからどっちが戦いをしたいのかはうーん……。

大野修理「もうママ上の話は聞かないよ」

淀殿も「任せろ」と言ってしまったので大蔵卿局はゲームセット。でも本当にこれでよかったのでしょうか。幸村と大野修理は仕事しやすくなりましたが……。

大野修理「ママ上あーん」

ああ言ったのに修理はママ上とか大事にしているんだなあ、いい家族なんだなあ。と思ったのに!

大角与左衛門「妻も子も、とうに死んだ」

すごい顔してた。妻も子も秀吉に殺されていたりするのかな……それで内通を……。

幸村「四国への国替えのアイデアは戦勝の後に取っておきましょう!」

牢人さえ何とかすれば和睦無視して夜襲して、影武者暗殺されて何も言ってこない死ぬほどやさしい家康なんだから今すぐに言っても通りそうな気もするんですがね……取っておかなくても良さそうですよね……。
でも幸村は家康を色眼鏡で見ているからわからないのか……。

千姫「江戸に帰りたい」

幸村「お前は人質だし、聞かなかったことにする」
なんかこうもっと言い方はないものですかね……。
秀頼が「関東だけは勘弁」と言っていて、千姫は江戸に帰りたい。千姫の気持ちを知らないし知ろうともしない秀頼……。

三十郎「この先どうなるのです? 豊臣方はまだ戦うおつもりですか?」

幸村「さように大事な事を"敵方"のおぬしに明かせる訳があるまい」
三十郎「はっ? 哀しいなあ三十郎は!」
おどけてるけど本気で悲しんでるよね三十郎……忠犬すぎる……。

幸村「戻れるものなら上田に戻りたいものだが」
上田に帰れない、と幸村は思ってるんでしょうね。幸村も太平の世に居場所がないのかなあ。それを裏付けるのが信政の言葉。

信政「大助の父親は大御所様に逆らった大罪人です」

倒された大助が昌幸から習った嚙みつきからの小枝突き出しパンチしなくて良かった……。
そして信政は幸村が大罪人になる策を立てたのが父と知ったらどう思うのか。
揉め事がばれて咄嗟に「相撲です」と言えた信吉はなるほど治世向きだと思うし、真田は家族で結束って言ってる中一人で揉めてる信政は浮いててこのあと何かありそう。
勿論信吉の言ってることなんて親世代はお見通しで、三十郎はマジ切れしていましたね。あんなに怖い声出したの初めて。

幸村「野戦の経験あまりないの」

茂誠「そうなの! でもわしなんかより後藤又兵衛や毛利なにがしといったそれこそ歴戦の強者がおるではないか」「何が聞きたい?」
聞いてもらって嬉しそうな義兄上可愛い。
そして幸村が大将首! とか言ってる内にそれが何を意味しているのか、幸村が死ぬ気だと悟っていますね……。

せんのりきゅうのばじょうづつを てにいれた!

呪いの最強アイテムだこれ! 利休の業の茶、飲んでいたしなあ……。

毛利勝永「知ってるそれ馬上筒」

このために勝永は銃キャラだったのか……。

治房「ヒャッハー金だ銀だ米だ!」

治長なんかは太平の世になっても居場所があるだろうけど、牢人や治房なんかはたぶん居場所ないんですよね。そういう話、聚楽第の落書きの話の時出てきましたけど……。

幸村「優秀な兄持って大変だね。でも……」

幸村はこのままだと治房面倒なことになりそうだなあと思ったんでしょうけど言いたいことを言ってるだけで治房の気持ちとか全然気にしてない。だから治房も堀を掘り返したいとか自分の言いたいこと言ってくるし、どうして堀がなくても勝てるのかという話を説明しないのもダメ。

団右衛門「買うてきたぞー!」

やらかした! 詫び石は悪い文化!
この時点でも攻めてこない家康、マジで心が広いぜ。

治房パンチ!

仲の良い家族じゃないですかと思ってたらこれ! しかもさー牢人の処遇で対立しているはずの大蔵卿局と治房が反治長では結託してこれとか本当にろくでもない。
治長「身内の喧嘩だ……」
仲のいい家族でいようとするのは治長だけなのか。

治房「これから毎日堀を掘ろうぜ!」

幸村は「前回私の言うこと聞くって言いましたよね! なんで牢人の皆さんは無茶苦茶するの?!」と言いたいんでしょうけど幸村が治房にちゃんとケアしなかったのも悪いのよ!
あと策が洩れると大変だから牢人全体に今回の策を話すわけにも行かない。これが正面から行けない者の、策を使わないといけない者の弱点だ。

家康「牢人どもはわしが成敗してくれる! わしの手でやつらを滅ぼす!

家康の目標は豊臣じゃなくて牢人だったじゃないですか! 牢人が引鉄だった! 有楽町の言う通りだった!

兄上「幸村は死ぬ気だ!」

三十郎「マジで!?」
三十郎は幸村のことを信じ過ぎてて、幸村
そういうの気付けないのね……。義兄上は気付いていたのに。

昌幸「兵は塊ではない、一人ひとりだ」

有楽町の話を聞かずに追い出し、大蔵卿局の話を封殺して、大野治房に一方的に話をして、千姫に「お前の話は聞かなかったことにする」と言う。
一人ひとりの気持ちを踏みにじっている幸村。

先人の蹉跌から学ぶことができず、忠告も届かず、あるいは忠告が幸村を追い詰める!三成「家康に政治的に負けた……そうだ暗殺しよう!」→幸村「家康に政治的に負けた……そうだ暗殺しよう!」

氏政「この鉄壁の小田原城に籠城していればきっと伊達が……」→幸村「この鉄壁の大坂城に籠城していればきっと伊達や上杉が……」
千利休「人の心を……命を……金で操るは、業の深いことや」→幸村「牢人をおとなしくさせるために金銀を配りましょう」
三成「戦が始まる時はいつもこうだ。一度、動き出せばまるで暴れ牛のように前へ進んでいく。誰も止める事はできん」→幸村はブレーキをかけることができると思っていた→幸村「戦が起きる時は誰も止める事はできぬ」
昌幸「兵は塊ではない、一人ひとりだ」→自分の邪魔になるような相手には、一人ひとりの気持ちを汲まず踏みにじっていく*1

信尹「儂のようにはなるな」→信尹のように、生きるために望まぬ調略をしたりせず、自分のしたいように振る舞った
景勝「儂のようにはなるな」→景勝のように、生きるために義を捨てて下げたくない頭を下げ、長いものに巻かれないようにした
氏政「どうせなら天下を二分する戦いをしてみたかった」→幸村は今天下を二分する戦いをしている
秀吉「秀頼のこと頼む」→大坂城から離れない
茶々「私たちは同じ日に死ぬの」→大坂城から離れない

結局有楽町や大蔵卿局が正しかったのか?

結果論としてそうでしたが、彼らとて洞察力に優れていたわけではなく、彼らなりの色眼鏡と視界の狭さで状況を見て、最善と思う手を取ろうとしただけのことでしょう。幸村だって同じことはしていて、ちょっと家康への色眼鏡の具合が今回の状況にはよろしくなかっただけのことなんでしょう。

*1:ちょうすがめさんみたいな味方の気持ちは汲める

真田丸第47話 「反撃」(11月27日放送分)

反撃してるの徳川方だなあ……。冬の陣は豊臣方勝利みたいな話になっているだけになおさら。

片桐さん「話が違うではござらぬか! 大御所様!」

これ言えるから淀殿の位置言えたんだよね。片桐さん。残念だけど共犯ですよ。そうしてその罪の意識に耐えられなかったか……。

幸村「和睦交渉に本多正信が出てくると厄介だから常高院様出そうぜ!」

裏目った……。そもそも幸村の策は結構裏目が多い。目の前のこと、その場だけ見て一時しのぎっぽい策を立てるからだ*1。敵を知り己を知らば百戦危からずって孫子に言いますけど相手の正信のことばっかり気にして常高院が交渉に向いているかどうか考えていなかったじゃないですか。ああいや大蔵卿局さえいなければ良かったんですかね*2? まあそもそも相手に阿茶局が居ることも知らなかったので敵も己も知ってなかったんですけど。
阿茶局「埋めてしまいましょう♪」大蔵卿局「埋めてしまいましょう♪」
阿茶局は有能官僚だけど女なので実行力を持たせるために家康は側室に取り立ててるような気もする。きりも同じように取り立てられたら能力を発揮できたのかも知れない。きりが交渉役できていれば……? 兄上と違って妻をうまく運用できなかった幸村の不徳かも知れない。

秀頼「左衛門佐。そなたはしぶとい」

幸村「望みを捨てぬ者だけに道は開けるのです」
もうダメだこれ。「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」かなりポジティブな言葉ですけど、このドラマでは意味がねじくれてしまった。この言葉はもう大局を見れない人がありもしない希望にすがってる感じの言葉になってしまった。

又兵衛「真田幸村ってどんな野郎だ? 俺たちが命を預けるに足る男か?」

作兵衛「知らん」
作兵衛正直!
作兵衛「昌幸パパはパッと見裏切りクソ野郎だけど、君らとは視点が違うの。イマジナリー君主の武田信玄に仕えているの。武田旧領回復のためになら何でもするだけなの!」
これまでもなんとなしに示唆されてきましたが裏切りクソ野郎昌幸の行動にすっと一本線が引かれました。だとしても周囲からはイマジナリー君主に仕えて何でもする人は結局裏切りクソ野郎ですけど、視聴者的には納得ですし、その精神を受け継いでイマジナリーじゃない君主に仕えている幸村は信頼できる……とはなりますね。

真田丸破却される

真田丸終了前に真田丸ロスです。余程懲りたらしく、真田丸跡地では真田丸の痕跡が全然見つからないそうです。徳川方はよほど苦戦したらしく、徹底的に破壊されたのですね。

幸村「なんという愚かな! 出城も堀も失っては戦えませぬ! 戦えぬ我らに家康が約定を守るとお思いか!」

そうなんだけどさ、そうなんだけどね。約定が守られる、約定を違えられる、その先にあるものは何か?
戦える我らと家康は戦うかもしれないけど、戦えぬ我らを家康は本気で殲滅するのか? 家康はそういう奴か?
幸村は家康と因縁が深すぎてフラットに評価できていないのかも知れない。
有楽町「これで良かったのだ」
バカボンのパパかこの野郎! と思ってしまうようにこれまで有楽町にはイライラさせられてきましたけどこの発言も視聴者はフラットに評価した方が良いのかも知れません。

幸村「あっこれ無理」

又兵衛「何言ってるんだよ! また策を立ててくれよ!」
牢人「わしはお主に従う!」
幸村「よっしゃ! 『望みを捨てぬ者だけに道は開ける!』またやったるぜ!」
折れたヒーローが再起! 感動的ですけどなんかやらない方が良さそうな感じもしますね……。ここでみんな逃げ出していれば最悪死なずには済んだんだろうな……。でもその行く先は「九度山」なのか。九度山で15年過ごした幸村にそれは受け入れられないし、そこへ秀頼と淀殿を行かせる気にはならないか。それを望んでいると口に出したとしても、実際の「九度山」の暮らしを秀頼も淀殿も知らないわけだし。色んな角度から漏れなく詰んでるな、大坂城

*1:滝川一益の人質になったきりたちを助けに行った時からそうだし、ママ上にも注意されていた

*2:淀殿の本性を見抜いたことを幸村は評価したのかな?

真田丸第46話 「砲弾」(11月20日放送分)

前回「たのしい真田丸 おわり」と書きましたが、たのしさと相反する大変な暗さがまさか主人公サイドからドロドロと流れ出してくるとはね……。

家康「いたずらに攻めかかるのはもうやめじゃ! 真田丸がここにある限り埒が明かん!」

真田丸大坂城攻める際に異様に邪魔な位置にあるので無視はできないし正面から攻めるには対策され過ぎてて本当に鬱陶しい感じに仕上がっています。

家康「犠牲は少なく勝つ」幸村「犠牲は少なく勝つ」

同じこと言ってるなあ。でも幸村にとって大事なのは勝つことなのであって犠牲を少なくすることではない。だから幸村は「和睦? ねーよ!」となる……。

秀頼「一気に攻めればいいじゃん」秀忠「一気に攻めればいいじゃん」

同じこと言ってるなあ。きちんと戦を知らないと環境が違っていても同様にこういうイージーなコメントを出してしまうんですね。

幸村「殿様にはもっとご自身のお言葉の重みを知って頂きとうございます」

幸村「最後に断を下すのはあくまでも大坂城の主たる殿様でございます。お上様ではございませぬ」
自分に都合のいい時だけこういうことを言うマンだということが後から明らかに……!

団右衛門「ワンワンワンワンワンワン! ワンワンワンワンワン! ワオ〜ン! ワンワン!」(字幕ママ)

何なんなの。犬の鳴き真似うますぎるでしょ役者の人……。しかも鳴き終わって煽り入れるまで幸村とか周囲の人が真顔なのでこの瞬間の絵が大変なことになっててほんとヤバい。
あと塙団右衛門って残っている事跡からするとかなり身近に居て欲しくない人なんですけど名刺配りとか「団右衛門でござる」とかこの鳴き真似とかで完全オモシロ気さくな人枠に入っていて微笑ましいんですがどういうこと?!

初「私にはあの人が死にたがっているように思えてならないのです」

初「本心を語る人ですか? 姉を救ってやって下さい」
うわあ。こわい。
発言と行動や本心が裏腹な感じあるなあってずっと思ってましたがきちんと明示されました。淀殿は死にたがりなのだ……しかも独りで死にたくはなさそうだ……。
しかし死にたがりなのは淀殿だけかあ? 幸村も正直怪しいのでは……。

長泰「賤ヶ岳の七本槍なんだよ俺は」

「俺は! スペシャルで、2000回で、模擬戦なんだよぉ!」を思い出しました。
勤務中ずっとするめ喰ってたのに何急に目覚めてるんでしょうかこの人は。するめを幸村に真っ二つにされてするめから解放されたんでしょうか。
七本槍の異称は以下の通り。
虎之助:加藤清正
市松:福島正則
孫六加藤嘉明(団右衛門の元主君)
甚内:脇坂安治
正之助:糟屋武則
抜け作(助作):片桐且元
ちなみに平野長泰は権平。
平野長泰だけ大名にならずに終わります。

出浦「大坂には行かせない。お前の父親は今のお前と違って常に先を見据えていた」

……先を見据えていた?
先を見据えていた上で失敗ばっかりしていたとおっしゃる?
先を見据えていたとすれば自分亡き後の当主、信幸には危険なことはさせない、それくらいですよねえ。それは大当たりで、真田の家のために物凄く貢献したわけですけど。
それだけに出浦さんは今回の暴挙を許せないと。うーん「先を見据えていた」で説明するにはざっくり過ぎるかなあ。
信之兄ちゃんの幸村への思い、すごく強い。
その強い思いを自分ではくつがえせないと稲は思ったので、出浦さんに頼った。人の気持ちがわかる。明晰。気持ちがわかってもダメなものはダメと断じる強さもあり、対策も練れる。うーん昌幸パパが言ったように良い嫁を貰ったなあ信之兄ちゃんは。
そして幸村が信之兄ちゃんを気にするシーンは今回もなく、ここまでスルーしているからにはきっと何かあるぞー。

春ちゃん「挑発コマンドは死んでもいいやつがやれよ」

内記「わしか!」
面白かった。

作兵衛「城内に畑を作ってるんだ。長期戦でしょ? これで野菜食べ放題」

何だろう。何のためのシーンなんだろう。わからないんですが、ちょっと気になるシーンでした。

又兵衛・毛利勝永明石掃部・ちょうすがめ「おい幸村! 籠ってないでバトろうぜ!」

なんでまたちょうすがめさんまでそんなことを……。大蔵卿局真田丸では最大の悪役ですけど、彼女が「牢人は戦いが好きで好きでしょうがないどうしようもない連中!」って言っているんですが、その通りだよなあこれ。よくある豊臣上層部(秀頼・淀殿大蔵卿局・大野兄弟)がダメだったから大坂の陣負けたんですよって話じゃなくて、大坂方はもうみんな万遍なくダメ。大坂方の負けは残念ながら当然。という風に描かれていますね。「残念ながら」もきちんと描き「当然」もきちんと描いているので、腑に落ちる。そして悲しい。

家康「犠牲を減らすためにあの手この手使うよ。まずは信尹による幸村の調略」

信尹の調略には激しく痛い目に遭っている家康*1ですからねー。
しかもこの調略は失敗しても別に良い、失敗しても成功するという二段の構えになっているのです。
調略成功→幸村が大坂方から抜けて大勝利
調略失敗→幸村が徳川からの使者と密談していた(しかも身内!)という情報で幸村は周囲から疑いの目を向けられるようになり影響力低下
どちらにしても大坂方の戦力を削げるという寸法なのです。

信尹「やなこったいでござる」

信尹「源次郎信繁は父親に似て度胸もあり知恵も働きその上我ら兄弟に似ず義に厚い男でございます」
って昌幸と信尹には義はないんかーい! なかった。知ってた。
でも今の幸村が義に厚いかと言ったら疑問よね。信繁は義に厚かったかも知らんけど。今の幸村は義のためじゃなくて自分のために動いている。秀頼にああ言った後からああいうことをする奴のどこが義に厚いのやら。
でもそういう奴がいるんだよって家康*2に「あいつ人生長々生きて来て今ようやくやりたいことやってるんだから翻意なんかしないよ」と言ってもきっとわかんないので、説明めんどくさいので、省くためにざっくり「義に厚いから無理だよ」と言ったのかも。

信尹「やっほー信繁。じゃあ帰るね」

最初から調略する気ないの。信尹は嬉しかったんですよ。「儂のようにはなるな」って言った可愛い甥がきちんと儂のようにはならなかったんです。儂のように生きるために意に染まぬ謀略に手を出すな自分の好きなように生きろと伝えた甥が今今後の人生なんか放り出して好きなように生きようとしている! そんなの邪魔できるはずもないし邪魔したくもない。だから「読まんでいい」
しかも信尹おじさんは家康の二段策もきちんと理解してて噂が広まったりしないようにさっさと帰るの。「私の息子たちにも会って頂きとうございます」と言われても「おぬしの子じゃ。さぞ利発に育っておるのだろうな」ってわかるから。

有楽町「和睦!」秀頼「しゃーなしやな」

あれ。このまま内通者は有楽町ってことで話進んでいくんでしょうか。大角じゃないのか。有楽町が窓口として立っていること自体は別に裏切りでも内通でもなくて戦争っていうのは外交の一パターンですから誰かが交渉していること自体は何の問題もないことです。それを勝手にやったり味方に無駄な不利益を出すようなことをしてはダメですが。

幸村「えー和睦? しゃーない秀頼ママ上というバックドア使うか」

ハイパーろくでもない。この瞬間に大河ドラマ主人公ろくでなしランキングかなり上位に躍り出たぞ幸村。
秀頼に自分で決定しなさい、ママ上が決めるんじゃないのよって諭しておいて、その時は秀頼が自分の意の通りに決断したからそう言っていたんであって、秀頼の決定が気に入らなかったらママ上動かしに行くんだもんなーすごいよ。
そしてこれまで茶々が信繁にモーション掛けて来たらひたすらスルーしてたのに今回は幸村、淀殿の手を自分から握ったよね。明らかに利用してるよね。そりゃ後ろめたいから、外で控えているきりに睨まれて表情もゆがんだよね。きりも何か気付いたのかな。

幸村「確かに俺はお前が決めろって言ったけど、お前が間違ってるなら止めるから」

止めるのは良いけどさ、正面からやれよな。決めるのはお上様じゃないって言っておいて淀殿使って止めるなよ。しかもさー秀頼は和睦を決めて、淀殿は地方の一大名でもいい……いや自分と秀頼と幸村がいればそれでいいって言ってたから、戦争継続だーってそれ秀頼の意向も淀殿の意向も無視じゃないですか? それで変に手を回して自分のやりたいようにするの? それって君側の奸とかいうやつじゃない? そういうのやっぱり義じゃないよね。

幸村「えっ夜襲? やったぜ一枚噛むぜこれで和睦なんかわやだぜ。ヒャッハー!」

討って出るなって前まで言っててこれ。もう自分のためなら自分が利用できるなら前言ひっくり返してなんでもやっちゃう。
そしてこんな計画が幸村抜きで進んでしまうところで大坂方の統率が全然取れてないことがわかるし、牢人の幸村への信頼度もさほど高くないこともわかってしまう。「いいんだよあいつは」「何となく成り行きで総大将みたいな事になっておるが全く違うから」とか言われてるし。

団右衛門「塙団右衛門でござる! 塙団右衛門でござる! 塙団右衛門でござる!」

よかったね。
団右衛門名刺は夜討ちの時にばらまいたと有名なので、ようやく。

片桐さん「騙された!」

と片桐さんが言えるように促した家康。
淀殿に当てないように狙うから淀殿の居場所教えて?」
さすがにこんなアホな騙しに引っ掛かる片桐さんではないですし、さすがにこんなアホな騙しに片桐さんが引っ掛かると家康も思ってないと思います。
本当に狙わないんだったら家康は孫娘の千姫の位置だって知らなきゃなあ。
でもこう言っておけば後から片桐さんが「家康に騙された!」と「言えるようになる」ので、片桐さんも淀殿の居場所を「言えるようになる」のですよ。片桐さんに裏切りではないと言い訳を用意してあげたんです。
家康老獪過ぎ……。

大坂城はカルバリン砲により難攻不落ではなくなった

大坂城は何で強いかと言ったら、町ごと城を囲った惣構の外からでは、飛距離が足りなくて天守を撃てないからだったのですよ。でもイギリス伝来の新式カルバリン砲で惣構の外から天守を撃てるようになってしまった。これはとんでもない大問題です。

死のヒロイン梅と茶々 生のヒロインきり

やっと気づいてしまった。そういうことだったのか。カルバリン砲が炸裂して、死をもたらした。その死に引かれていく茶々を止める、これまでいくら死線をくぐっても死ななかったきり。きりが茶々を嫌だと言ったのは茶々が死に引かれているからだ。そしてその茶々に信繁も引っ張られると思ったんだ。

*1:石川数正の件

*2:やりたいこと<自分の命 という考え方

三国志故事物語

三国志故事物語

三国志故事物語

役所へ手続きに行ったら図書館が併設されていたのでふらっと寄って、本棚眺めていたら見つけた本です。
あーあるよねこういう本。なんか有名な言葉を拾って、関連する演義のエピソードを抜き書きして……と思いながら本を開いたら陳寔*1とか書いてある。何事?! と思ってきちんと読んだら別に演義ベースで書かれておらず、演義の話をする時は断り、正史三国志の範囲以前の出来事まで取り扱い……。いつの本だ! 1993年……三国志ファンのバイブル、ちくま文庫正史三国志の1巻が1992年12月に出て、最終8巻が出たのが1993年7月ですよ! 後漢書*2の和訳が出たのはさらに後*3! なんですかねこのオーパーツ的な本は……。
この本では「白眉」や「涙を揮って馬謖を斬る(泣いて馬謖を斬る)」などの有名な言葉から「燭を秉りて夜あそぶ」というようなあまり有名でない言葉まで三国志にまつわるフレーズをその背景を交えて紹介しています。
正史三国志が認知され始めた頃に見られた演義と正史の混同や、正史の方が偉いんだぜみたいな書きぶりは一切なく、純粋に楽しく三国志周辺の知識を付けることができる有用な本です。ほんと1993年になんでこんな本が存在し得たんだ……。世の中わからぬものです。

*1:陳羣の祖父

*2:正史三国志の範囲以前の出来事が書かれた

*3:全訳後漢書とか確かまだ刊行中だし